『ワンピ』悪魔の実が「復活」するメカニズムって？ 「近くに必要？」なモノとは

■悪魔の実はどうやって復活するの？

『ONE PIECE』の重要なアイテムが「悪魔の実」です。食べた者に異能を与えてくれる悪魔の実にはさまざまな種類や能力があり、その効果によって大きく「超人系」「動物系」「自然系」の3つに分類されています。

　悪魔の実は「海の悪魔の化身」とも言われ、食べた者はさまざまな不思議な能力を持ちますが、共通する恐ろしい副作用が出る果実です。まず、悪魔の実を口にしたものは例外なく海に入ると力が抜け、身動きがとれなくなってしまいます。また、ふたつ目の実を食べると悪魔の呪いによって身体が粉々に砕け散ってしまうのです。

　また悪魔の実の能力者が死んでしまうと、その能力を秘めた悪魔の実は世界のどこかで、人知れず復活すると言われています。同時期に同じ能力を持つ実は現れず、ひとつの実から複数の能力者が生まれることもありません。しかし、この「悪魔の実の復活」という現象にはまだ解明されていない部分が多くあります。

　悪魔の実が復活する際に起きる事象として、能力者が死んだときに一番近くにある果物が悪魔の実に変わる、という説が挙がっていました。これは、パンクハザードにて、科学者シーザー・クラウンが生み出した殺人ガス「H2S（硫化水素）」でできたスライムで、「サラサラの実」の能力者であるスマイリーが消滅した際に、すぐ近くにあるリンゴが悪魔の実に変化したことから生まれた説です。

　しかし、そもそも人が死ぬことが少ない『ONE PIECE』では、スマイリー以外に同様の描写がないため、ネット上では「ワノ国に住んでいた黒炭ひぐらしの『マネマネの実』と、黒炭せみ丸の『バリバリの実』を、東の海出身のボン・クレーとバルトロメオが引き継いでたし、違うんじゃないか」「それだと能力者を殺したら簡単に能力を奪えるはず」といった声が上がっていました。

　また、『ONE PIECE』の世界には悪魔の実の図鑑が存在しています。図鑑があるということは、能力に対して宿る果物も決まっている可能性が考えられます。例えば、CP9のカクが「ウシウシの実 モデル『麒麟』」を食べた時の場面を見ると、その実はバナナのような形をしていました。そのため「スマイリー消滅の時は、シーザーは『サラサラの実』が宿るのがリンゴだって知ってたんじゃないか？」「近くに条件となる果物がないと、どっか遠くへ能力が飛んで行ってしまうのかも」などの意見が上がっていました。

　ちなみに、能力者を殺して「能力者狩り」によってさまざまな実の能力を集め、メンバーがみな強力な能力者になっているのが、黒ひげ海賊団です。作中では詳細は不明ですが、アブサロムが殺されて、シリュウに「スケスケの実」の力を奪われていました。また、船長の黒ひげことマーシャル・D・ティーチは、頂上戦争にて殺害した白ひげの死体をベールで覆い、そのなかで何らかの方法で白ひげの「グラグラの実」の能力を奪っています。黒ひげはその時すでに「ヤミヤミの実」の能力者でしたが、なぜかふたつ目の力を有しても身体が弾けることもなく、ふたつの能力を使いこなすようになりました。

　ふたつ目の力が手に入ったのは、作中で語られているように黒ひげの身体が「異形」だからだとして、どうやって白ひげの死体から能力を奪ったのでしょうか。もしかすると、黒ひげは「グラグラの実」に「対応」する果物を知っており、それを懐に忍ばせて方法がバレないようにベールのなかで食べたのかもしれません。

　白ひげの少し前に死んだエースの「メラメラの実」は、頂上戦争が起きたマリンフォードでは復活しなかったようで、2年後の「ドレスローザ編」にてコリーダコロシアムの賞品として登場しました。エースの死亡後、「メラメラの実」の力は、対応する果物がある別の島などに移動したのでしょうか。

　まだまだ謎の多い悪魔の実は、最終章でDr.ベガパンクの仮説なども飛び出しましたが、どのようなメカニズムで生まれて復活を繰り返しているのかはまだ不明です。完結までのどのタイミングで謎が明らかになるのか、注目が集まっています。

（マグミクス編集部）