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友蔵・心の俳句、藤木の卑怯キャラ…『ちびまる子ちゃん』のド定番ネタのルーツとは?

マグミクス / 2023年7月9日 17時25分

友蔵・心の俳句、藤木の卑怯キャラ…『ちびまる子ちゃん』のド定番ネタのルーツとは?

■友蔵、伝説の一句

 1986年に「りぼん」(集英社)で連載がスタートした『ちびまる子ちゃん』。1990年からはTVアニメ放送が始まり、30年以上も国民的アニメとしてお茶の間を楽しませています。

 そして、その長きにわたる放送のなかでは「このキャラといえばこの展開」という伝統パターンが数多く存在します。今回は作品のなかでおなじみとなっている「超定番ネタ」の最初はいつだったのかを振り返ります。

●友蔵の「心の俳句」

 まずは、まる子の祖父・友蔵の定番ネタです。友蔵といえば、まる子のどんなおバカな妄想にもつきあってくれる一番の理解者ですが、孫の言動にとくに心が動いたときに披露するのが「友蔵 心の俳句」です。

 定番のなかの定番といっていいネタですが、第1期アニメを見返したところ、初めての俳句が確認されたのは、1991年11月17日放送の第97話「まる子みんなにばかにされるの巻」でした。

 キュリー夫人に憧れたまる子は、家にあった顕微鏡を使っていろんなものを観察しようとして、まず始めに見たのが自分のフケでした。意外とキレイだったフケに感動し、友蔵にも「おじいちゃん、大発見」と喜んで見せます。

 友蔵はわざわざフケを見せられたことに一瞬困惑しますが、そこは優しいおじいちゃんです。「まる子…フケも大切なもんじゃな」と優しく語りかけると、心のなかで「年老いて 孫のフケさへ 美しきかな 友蔵 心の俳句」と詠むのでした。

 そして、立て続けにまる子が部屋のホコリも観察しようとするのを見て、「ホコリさへ きれいかもよと 我は思はむ」と心の俳句の第2弾も飛び出しました。

 5・7・5のなかに孫への愛、哀愁、困惑などの感情が見事に入った友蔵の俳句シリーズは、ここから30年以上も続いています。

●丸尾くんの「選挙への情熱」

 続いては、まる子のクラスメイトの丸尾くんです。丸尾くんと言えば学級委員長の座に強いこだわりを持つキャラで、その情熱は、クラス委員の選挙が近づくと、勝手に人気者をライバル視するほどです。そんな丸尾くんがアニメで初めてその牙を向けたのが、まる子でした。

 1990年1月14日放送の第2話「まるちゃん目覚まし時計を買うの巻」で、まる子が朝の通学でクラス1番乗りを果たして上機嫌になっていたところ、2番目にやって来た丸尾くんは「あなたがこんな時間から学校にいるなんて、もしや学校に宿泊したのでは」と疑います。

 そしてさらに「もしやあなたは3学期の学級委員の座をねらっているんじゃ。ズバリそうでしょう!」と噛みつきました。丸尾くんは、アニメ放送の第2回目からしっかり丸尾くんでした。

■たまちゃんのパパの定番ネタといえば?

DVD『ちびまる子ちゃんセレクション「まる子、初夢を見たいの巻」』(ポニーキャニオン)

●たまちゃんパパの「娘の写真」へのこだわり

 続いては、まる子の親友であるたまちゃんのパパの定番ネタです。たまちゃんパパと言えば、優しくて娘には甘い理想的なお父さんですが、一番の特徴は、娘の写真を撮ることに情熱を燃やす、特殊なカメラマニアという一面でしょう。

 どうして彼がそんな風になってしまったのかがわかるエピソードがあるのは、1996年5月19日と26日に放送された第72・73話「まる子潮干狩りに行くの巻」(前・後編)です。

 まる子、たまちゃん、たまちゃんのパパ、友蔵の4人で潮干狩りに行った際、ふと友蔵はたまちゃんパパに語り出します。「たまちゃんもいつか嫁に行ってしまうんですね」「この今日の潮干狩りも嫁ぐ日の思い出になるんでしょうね…」と。

 この友蔵の言葉に、最初は戸惑うたまちゃんパパでしたが、だんだんと「今は空気のように、あたりまえに毎日見ているおまえの笑顔がいつか遠くへ行ってしまうんだね…」と感化され、その日からあらゆる「たまえ(たまちゃん)」を撮影するようになりました。

 ここからキャラがどんどん進化し、現在もたまちゃんパパは情熱的に娘の写真を撮り続けています。

●藤木くんの「卑怯」キャラ

 まる子のクラスメイトである藤木くんの「卑怯」キャラも定番ネタのひとつです。こちらは1995年8月27日放送の第34話「まる子 きもだめしに出かけるの巻」が大きなキッカケとなっています。

 タイトル通り、とある夏の夜に近所の墓場に肝試しに出かけたまる子たちでしたが、まる子とペアになった藤木くんは、あまりの怖さに「悪いけど…オレ…帰る…帰るよ…」と、途中でまる子を置いて逃走してしまいます。

 その後クラスメイトたちからは「藤木の野郎、女を見捨ててにげるなんて最低だよな」「ああ 全くひきょうな奴だっ」と卑怯認定されていました。

 小学3年生なら少々怖がっても仕方ない気もしますが、藤木くんにとっては辛いターニングポイントになってしまいました。

●タイトルの「まる子 ○○するの巻」

 最後は、アニメの各話タイトルでおなじみの「まる子 ○○するの巻」という表現です。実は初期の頃のタイトルは「まるちゃん きょうだいげんかをするの巻」のように「まるちゃん」という表記でした。

 これは作中のナレーションも同じで、最初の頃は「まるちゃん」と呼んでいました。そこからときどき、タイトルのなかに「まる子ちゃん」という呼び方が入るようになり、ついに1991年2月3日放送の第53話「まる子 豆まきをする」で「まる子」呼びが登場します。今では当たり前になった「まる子」呼びも、変化の末に定着した「定番ネタ」のひとつです。

 長い歴史のなかで、たくさんの定番ネタを築いてきた『ちびまる子ちゃん』。今後もふとした放送回をキッカケに、新たな定番ネタが誕生するかもしれません。

(吉原あさお)

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