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『ドラクエ』の呪文「ギラ」←雷系だった? 説明書ですら大混乱になった思い出

マグミクス / 2023年7月5日 21時25分

『ドラクエ』の呪文「ギラ」←雷系だった? 説明書ですら大混乱になった思い出

■右のページと左のページでもう説明が違う? 製作陣も大混乱

 国民的RPG『ドラゴンクエスト』シリーズで、戦闘を彩るのはなんといっても多種多様な「攻撃呪文」です。炎系呪文「メラ」に始まり氷系呪文「ヒャド」、竜巻系呪文「バギ」、爆発系呪文「イオ」などなど、属性や攻撃エフェクトのバリエーションがバトルを大いに盛り上げてくれます。

 さてそんな攻撃呪文のレギュラーに、「ギラ」系があります。これは何系の呪文と言えるのでしょうか? 今でこそ「火炎」の「グループ」攻撃の呪文であることが固定となっていますが、このイメージが固まるまでには相当の紆余曲折があったのです。

 この「ギラ」は、初代『ドラゴンクエスト』から登場していました。ドラクエの攻撃呪文といえば「メラ」が定番ですが、その初出は『ドラクエIII』で、ギラの方が大先輩なのです。さて、初登場時の「ギラ」がどのような呪文だったかといえば、初代『ドラクエ』の説明書に「指先から小さな火球が出て、怪物めがけて飛んでゆきます」とあります。一対一のバトル形式だった初代において、「ギラ」はほぼ現在の「メラ」と同じ役割だったことが分かります。

「ギラ」の上位呪文である「ベギラマ」も『ドラクエI』の段階で登場していましたが、次作『ドラクエII』で混乱が生じ始めます。『II』の説明書では「ギラ」は炎系呪文であることが明記されているのに、「ベギラマ」は「頭上に雷を呼び寄せ、指先から刃物のような稲妻がほとばしる」と書かれています。炎の上が雷なのでしょうか。呪文系統の「手探り感」がなんとも初期らしいのです。

 そして『ドラクエIII』では、先述のように炎系呪文に「メラ」が追加されました。「ギラ」はどうなったかといえば、最初から「雷呪文」として扱われています。「ベギラマ」「ベギラゴン」も同様に雷属性の呪文なのです。「いかづちのつえ」がベギラマの効果なのは、このあたりが理由だったのですね。

 ところで『III』からは雷呪文としてお馴染みの、「ライデイン」が登場しています。どんな説明かといえば、「高電圧のかかった細い糸が無数に出て相手にからみつきます」とあり、なんだか「能力バトル感」が強いです。「ギラ」に雷枠を譲ったせいで、不可思議な説明を余儀なくされています。

 極めつけは『ドラクエIV』です。説明書の呪文解説のページを開くと、左ページの「ギラ」の説明には「メラと同じく炎の呪文」とあるのに、右のページには「雷を呼び、敵にダメージを与える」とあり、説明書自体が「メダパニ」(相手を混乱させる呪文)にかかっているとしか思えません。

 こうした混乱も『ドラクエV』以降、収束します。ハードがスーパーファミコンとなり、呪文のエフェクトも細かい描写が可能になりました。その結果、「ギラ」は現在のイメージと同じく、火炎系の呪文として描かれるようになったのです。『ドラクエ』黎明期より攻撃呪文を牽引してきた「ギラ」もようやく、安定した役割を得ました。

 ここまで見てきた通り「ギラ」の歴史を見れば『ドラクエ』のバトルがどのように変遷、進化してきたかが分かるのです。「でも、使いづらい」なんてこと言わずに、バトルで活用してあげましょう。

※本文の一部を修正しました。(2023.7.6 09:32)

(片野)

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