【今夜10時】ドラマ『凪のお暇』は連載を追い越す? 原作の凝縮度と人物描写が凄い
マグミクス / 2019年8月30日 18時10分
■伝えたいものを100%分かち合い、さらに20%の「らしさ」を
2019年7月から放送が始まったTBS系金曜ドラマ『凪のお暇』(毎週金曜22:00~)が絶好調です。放送のたびに、Twitterではタイトルである「#凪のお暇」だけでなく、「#慎二やべぇ」「#ゴンもやべぇ」など物語を象徴するワードがトレンド入り。また、雑誌「コンフィデンス」による視聴者ドラマ満足度調査「オリコン ドラマバリュー」でも、夏ドラマ及び2019年放送ドラマの「最高満足度」を記録するなど、視聴者の関心を引き続けています。
ドラマで初めて作品に触れた方も、もともとマンガを読んでいた原作ファンも虜にしている『凪のお暇』ですが、ドラマでは始まった当初からマンガの内容を密度濃く再現していたために、原作マンガの最新話に追いつかんばかりの内容となってきています。
「あと数話で誰も見たことのない展開となる!」と、ドラマへの注目がますます高まる少し前にいま一度、同作品について考えてみたいと思います。
コナリミサト先生による原作マンガ『凪のお暇』は、2016年から秋田書店「Eleganceイブ」で現在も連載中。既刊5巻、200万部超えの大人気作品です。マンガ連載が始まった当初、空気を読み過ぎて苦しくなる凪の姿を見て「え…これ私じゃね…?」と心がざわついた方も多かったようです。
『凪のお暇』で描かれるのは、凪の「生き方」。凪が感じてきた息苦しさや、たとえ一般的な「普通」の概念から外れても、自分の気持ちを行動に移そうと「お暇」する凪の姿に、思わず「頑張れ!」とエールを送りたくなります。
ドラマでは、凪の周囲の人物たちもより色濃く描かれ、原作通りでありながら「空気の読み方」の数値がバラバラな人びとのエピソードに、より自分を重ねやすくなっているのではと考えられます。
■「慎二はやべえ、ゴンもやべえ」…人間のどんでん返し
凪に関わるふたりの男性、ゴン(左)と慎二(右) (C)コナリミサト(秋田書店)2017 (C)TBS
また、ドラマを見た方で、登場人物たちへの印象がだんだんと変わっていった方が多いのではないでしょうか?
原作者コナリミサト先生が描く物語には、「人間は一面的ではなく多面的である」という描写が多く見られます。マンガ『凪のお暇』でも、最初の方では空気を読み過ぎる凪にとって試練となる人びとの出現……と、凪の目線で描かれるところから始まりますが、突如他の登場人物目線のターンが訪れます。
テンプレ通りのキャラクターと思って読んでいると、「え!この人こういうこと考えてたんかい!」と、別角度からの衝撃にショックも大きく、「…すごくわかるこの人…すごく重要…」と登場人物に深く入り込んでいるのです。
話のどんでん返しではなく、人間のどんでん返し。
ドラマとマンガに少しずつ違いはあれど、『凪のお暇』の登場人物たちが魅力的で全員が輝いている、匠の仕掛けだと思います。
『凪のお暇』に欠かせない魅力として、「こじらせた大人の恋愛」があります。ドラマでは恋愛面がより強化されており、すれ違い続ける三角関係にもどかしさを感じ、悶えます。
突然ですが、学園系少女マンガの世界には「黒王子vs白王子」といった関係図があります。
なんの取り柄もない(と思っている)主人公の前に現れる2人の男性。ひとりは主人公と喧嘩ばかりするドS系男子。鈍感で自分の気持ちに気付けなかったりする一面があります。もうひとりは主人公にいつも癒しをくれる天然王子様。優しさに溢れていますが、意外と闇を抱えていたり、知能犯であったりします。
そんな2人との三角関係…最後にゴールインするのは、意外にも……と、凪、慎二、ゴンの3人にも「学園系少女漫画の黄金バランス」を当てはめて考えてみるのも楽しいかもしれません。
ドラマ『凪のお暇』は、原作単行本5巻分の内容をほぼ超え、第6巻に収録予定の連載内容にも乗り上げ始めるほどのスピードで進んでおります。連載を超えたその先のドラマ展開は、いったいどうなるのでしょうか。
漫画の内容を数話分超えるかも知れない珍しい現象に、『凪のお暇』の世界が大いに盛り上がっていくことは間違いありません!!
※ドラマ『凪のお暇』第7話は、2019年8月30日(金)22:00から、TBSテレビなどで放送予定です。
(別冊なかむらりょうこ)
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