『ラストサマー・バケーション 下』刊行 絶望から始まる女子高生ふたりの逃避行 完結

■現代の闇にもがく女子高生ふたりの「最後の夏の物語」

　KADOKAWAは2023年7月7日（金）、『ラストサマー・バケーション 下』を刊行しました。

　同作はKADOKAWAのマンガ配信サイト「コミックウォーカー」などで配信されていた、東洋トタン先生の初連載作です。夏ののどかな町を舞台に、現代の「闇」にもがく女子高生ふたりがそこから抜け出そうとする逃避行を描いた物語で、連載は2023年6月7日に完結を迎えました。

　作者の東洋トタン先生はこれまで、SNSで短編マンガを公開し多数の「いいね」を集めてきており、代表作のひとつといえる『「あの子のスカートの中」の秘密を知る話』は7.8万いいねを超えています。2022年6月のマグミクス編集部による取材時には自ら「ダウナー百合」が作風と述べており、本作『ラストサマー・バケーション』もまたその系譜にありますが、そこへ社会問題になっているヤングケアラーの要素を盛り込みつつ、サスペンス色で彩ることで、物語に厚みのある美しくも残酷な「女子高生ふたりのロードムービー」へと仕立て上げられている、といえるでしょう。

『ラストサマー・バケーション（上／下）』書影

【あらすじ】
明るくてかわいくて、クラスの人気者の美月。病気の母を献身的に介護する彼女はどこから見ても完璧な「良い子」だった。そんな彼女とは正反対の海野は、クラスメイトの誰とも打ち解けず、美月をただ眩しく思うだけの日々。
しかし、ある日海野は美月の「誰にも見られたくない姿」を目撃してしまった――。
秘密を共有したふたりが現実から逃げた果てに辿り着くのは……？
切ない少女たちのロマンシス・ロード・ムービー。

『ラストサマー・バケーション（上）』(C)東洋トタン／KADOKAWA
『ラストサマー・バケーション（下）』(C)東洋トタン／KADOKAWA

（マグミクス編集部）