がんばる大人にこそ届けたい！ 希望と元気をもらえるジブリ作品の名言3選

■ジブリの「名言」は、がんばる大人に元気をくれる？

　スタジオジブリの作品が「名作」と呼ばれる理由は、アニメーションの凄さやストーリーの面白さだけではありません。大人になったからこそグッとくる「名言」に出会えるのも、スタジオジブリ作品の魅力のひとつです。

　いくつかのネットのアンケートで「ジブリの名言」のランキングなどを見てみると、『天空の城ラピュタ』のムスカの「3分間待ってやる」「目が、目がぁーーーーー！」などの数々のセリフや、ドーラの「40秒で支度しな！」、『紅の豚』のポルコ・ロッソの「飛ばねぇ豚は、ただの豚だ」、『もののけ姫』のモロの君の「黙れ小僧！」、『となりのトトロ』のサツキとメイの「夢だけど、夢じゃなかった！」など、やはり短くて覚えやすくインパクトのあるセリフが上位にきているようです。

　今回はそれらの名言よりも少し長い、日々がんばる大人たちが元気と希望をもらえる「名言」3つを紹介します。大人になったからこそ、心に沁みる「名言」と出会えるかもしれません。

　まず紹介するのは、2002年に公開された映画『猫の恩返し』の、猫の男爵・バロンの名言です。

『猫の恩返し』の主人公・吉岡ハルは、ひょんなことから「猫の国」に迷い込み、猫の国の王子であるルーンと結婚させられそうになってしまいます。そんなハルに向けて、バロンは「キミがどうすれば しっかりと自分の時間を生きられるか考えよう それさえできれば何も恐れることはないのだからね」と声をかけます。

　ハルはまだ高校生でしたが、それよりも大人になるにつれて、日々、仕事や子育て、家事などに忙しくなって「自分の時間」を生きることが難しくなってしまう人も多いのではないでしょうか。SNSでは「自分を見失うんじゃない、と言われているようでハッとする」「バロン、イケメン！」など、バロンの「名言」が支持されています。

　ふたつめに紹介する「名言」は、1991年に公開された映画『おもひでぽろぽろ』の、主人公・タエ子の姉の夫のまたいとこである青年・トシオの言葉です。

　トシオはサラリーマンから転身し、山形で有機農業に力を入れている青年です。そんなトシオの話を聞いていたタエ子は、農業のことを「大変」だと言います。タエ子は東京生まれ、東京育ちであり、田舎に憧れを持つものの、農業には詳しくないのです。

　そんなタエ子に対し、トシオは「大変大変っていうけど、一生懸命やってる仕事なら大変でない仕事なんてないでしょう？」と返します。もともとジブリ作品のなかでも大人向けの映画だけあって、この「名言」は日々仕事をがんばる大人たちの心に刺さっているようです。ネットでは「一生懸命だから、大変。大変なのは悪いことじゃない」「この言葉、辛くなったら思い出します」などのコメントが見受けられます。

　仕事に行き詰まったり、つい愚痴っぽくなったりしてしまうとき、この「名言」を思い出すことで、ふたたび前を向いて歩いていけそうです。

　最後に紹介するのは、2004年に公開された映画『ハウルの動く城』のヒロイン・ソフィーがカルシファーに言ったセリフです。

　カルシファーは、ハウルの「動く城」の動力源である、火の悪魔です。物語の途中、すっかりやる気をなくしてしまった彼に、ソフィーは「あなたならできるわ。すごい力を持っているもの！だって昔から言うじゃない。一流は場所を選ばないって」と励ましの言葉をかけます。

　ソフィーの本当の年齢は18歳ですが、荒地の魔女の呪いによって90歳の老婆になってしまいました。しかし、そんな呪いに負けることなく、愛する男性・ハウルのためにどんどん行動を起こしていきます。そんなソフィーだからこそ「名言」を口にすることができたのではないでしょうか。

　ソフィーの「名言」について、ファンのあいだでは「周りに左右されるのが二流、周りを変えてしまうのが一流、本質をついている」「深い」など、思わずハッとさせられたという声が多くあがっています。

　数々の「名言」が登場するジブリ作品ですが、その多くは、大人になったからこそ胸に迫るのではないでしょうか。毎日の生活のなかで、ついくじけそうになってしまったときにも、ジブリ作品の「名言」を思い出し、元気と希望を取り戻していきたいものです。

（LUIS FIELD）