ファミコン少年に歓迎された「ディスクシステム」 人気の影に「黒ディスク」の存在も
マグミクス / 2019年9月9日 19時40分
![ファミコン少年に歓迎された「ディスクシステム」 人気の影に「黒ディスク」の存在も](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_17015_0-small.jpg)
■新作ゲームが「500円」で遊べた
「やればやるほど、ディスクシステム♪」というCMのキャッチコピーを覚えている方はいるでしょうか。
筆者の脳にはがっちりと刻み込まれています。
1983年に発売されたファミリコンピュータでは、数多くの周辺機器が発売されました。その中でも人気があったのが、ゲームを書き換えできる「ディスク」というメディアを使用した、「ディスクシステム」です。書き換え費用は1回500円と、1本数千円するカセットと比べると安価で、乏しい小遣いをやりくりしていた当時の子供たちからは大歓迎されていました。
ディスクシステム末期には1回600円のタイトルも登場したようですが、残念ながら筆者は見たことがありません。説明書は100円で売られていたり無料のコピーだったりと、お店によって対応はさまざまだったように記憶しています。
書き換え自体はおもちゃ屋などに設置されていた「ディスクライター」という機械で行われており、当時は頻繁に目にすることができましたが、1993年には全て撤去されてしまっています。
ディスクにはA面とB面があり、容量が少ないゲームであれば片面だけで収まるため、A面には『スーパーマリオブラザーズ2』、B面には『バレーボール』のように、1枚で複数のゲームを楽しむこともできました。とはいえ、1本でディスクの両面を使用するゲームに書き替える時は、2つのゲームを同時に失うという葛藤も生まれたわけですが。
ディスクシステムで発売されたタイトルからは、多くの名作が生まれました。『悪魔城ドラキュラ』『メトロイド』『光神話 パルテナの鏡』など思い返せばキリがありませんが、やはり筆頭に挙げられるのは『ゼルダの伝説』でしょう。ディスクシステムと同時に発売されたローンチタイトルでもあり、主人公のリンクはマリオと並んで任天堂の代表キャラクターとなり、今なお続編が発売され続けています。
また、ファミコン本体とディスクシステムを合体させた「ツインファミコン」もシャープから発売されました。高価ではありましたが、これも人気となりました。
■謎の「黒いディスク」と電器屋さん
ディスクシステムのローンチタイトルであり、ヒット作となった『ゼルダの伝説』(任天堂)。画像は2011年にニンテンドー3DS向けに配信された『ゼルダの伝説1』
さて、任天堂から発売されたディスクには、黄色と青色の2種類がありました。黄色が通常のディスクで、青はセーブしたデータを任天堂とやりとりするための「ディスクファクス」という装置に対応しており、『ゴルフJAPANコース』などが青ディスクを使用していました。
他にも、景品として作られた「ゴールドディスク」や「シルバーディスク」といったレア物もありましたが、もう一つ、「黒いディスク」が存在していました。これに関する筆者の忘れられない思い出を書き残しておこうと思います。
黒いディスクを入手したのは、近所のファミコンショップだったと思います。店員さんから「安いディスクがあるよ」と教えられ、1000円くらいで手に入れたような記憶があります。書き換えは500円でしたが、ディスクそのものは2000~3000円はしていたので「こんなに安くディスクが買えるんだ!」と驚きました。
そのお店の近所にある個人経営の電器屋さんで書き換えができると教えられ、新作を遊びたくなるとそのお店で書き替えてもらっていました。
しかしある日、デパートのおもちゃ屋で書き換えしようとすると、「このディスクはだめなんだよ」と断られてしまいました。
著作権など頭の片隅にも存在しない当時の小学生には、なぜ断られたのか分かりません。事の次第を理解したのは10年以上経ってから。全く気付かないうちに、不正規品を使用していたのです。
現代よりもはるかに権利意識が緩かったあの時代、ファミコンショップの店員さんたちや電器屋さんも違法行為と認識していたのかどうかさえ怪しいものですが、このような行為、任天堂が黙っているはずもありません。電器屋さんの書き換えサービスは、ある日突然終了してしまいました。
知人からの情報では、それから大分経ったころ、電器屋さんの近所のファミコンショップに大量のディスクが入荷したそうです。果たしてその出どころはどこなのか、今となっては知る由もありません。
(早川清一朗)
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