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「ゲームボーイ」の危機をも救った、初代ポケモン『赤・緑』の恐ろしい完成度

マグミクス / 2019年9月10日 19時40分

「ゲームボーイ」の危機をも救った、初代ポケモン『赤・緑』の恐ろしい完成度

■同じゲームで2種類のカートリッジって、意味わかんね

『ポケットモンスター』シリーズの最新作『ソード・シールド』の発売が2019年11月15日(金)に決定し、ファンの間で期待が高まっていますが、ゲームとしての「ポケモン」の面白さは、初代『赤・緑』と2作目『金・銀』でほぼ完成されていたといいます。ポケモン好きフリーライターの忍者増田さんが解説します。

* * *

 今回は『ポケモン』シリーズの初期のタイトル、『赤・緑』と『金・銀』について振り返るわけですが、元祖『赤・緑』発売からもう20年以上が経過しているんですね。

「なんでカートリッジが2種類あんの?」

 1996年、記念すべき『ポケモン』の第1作目、『赤・緑』が発売されたときの衝撃は今なお鮮明です。まず、同じゲームで『赤』と『緑』の2種類のバージョンが存在することが驚きだったというか、率直に言ってワケがわかりませんでした。

 ゲーム内容は、一見オーソドックスなRPG。主人公は「ポケモン」と呼ばれる生き物を戦わせ、育成しながら、ストーリーにそって各地を渡り歩いていきます。そしてRPGとしての冒険を進行させながら、ポケモンの「収集」や「交換」という、横道にそれた要素が大いに楽しめてしまう……。

 いや、むしろそっちがゲームの本筋と言ってしまって差し支えないでしょう。各地に散らばる全種類のポケモンを収集し、ポケモン図鑑を完成させるのが、『ポケモン』というゲームの究極の目的なのです。

 登場するポケモンの種類や出現率は、『赤』と『緑』で微妙に異なっています。2種類のカートリッジが存在しているのは、周囲の友達との「ポケモン交換」を促すためだとわかったとき、「すげー、そんな手法があるのか」と唸ったのを覚えています。

 当時、通信ケーブルを使ったポケモン交換は、「ゲームボーイ」という携帯ゲーム機にばっちりハマりました。全国の子供たちの間で、「おまえアーボ持ってる? オレのニャースと交換してくんない?」みたいな会話が繰り広げられ、友達とのコミュニケーションツールとしても『ポケモン』は一役買っていました。今でこそネットを通じ、離れていてもポケモン交換ができるけれど、有線だと実際に会うことになりますからね。

■『ポケモン』人気で瀕死のハードも息を吹き返す

『携帯型ゲーム機 超コンプリートガイド』(主婦の友インフォス)の表紙を飾る、初代「ゲームボーイ」

 つーか拙者は大人だから、『赤・緑』両方買って、ゲームボーイも2台買って、1人でポケモン図鑑を完成させていたんですけどね。さらに、ゲーム中に1匹しか出ない伝説のポケモンがもう1匹欲しくなってしまい、最終的に『赤』と『緑』のカートリッジを2本ずつ所持していたことを告白します。これはダメな大人の例ですが、当時こういう大人は少なからずいたと思います。

『赤・緑』が発売された当初は、まだインターネットの普及率が低かったこともあり、『ポケモン』の情報も今ほど拡散されていませんでした。ポケモン集めに苦労していた人も多かったでしょうが、その反面、未知のポケモンを発見するドキドキ感が味わえていたはずです。

 情報がないから、草むらでレアなポケモンに遭遇したり、ポケモンが進化して姿が変わったりすることにいちいち驚くわけですね。拙者はいまだに、攻略本もインターネットも見ずに情報を完全遮断して遊んだほうが、ポケモン収集を楽しめるのではないかと考えることがあります。

 従来のRPGにはない斬新な要素を引っ下げて、徐々に人気タイトルへとのし上っていった初代『ポケモン』。その人気たるや、『ポケモン』が売れたおかげで、当時販売終了の危機に陥っていたゲームボーイというハードが蘇り、延命する現象が起きたほどだったのです。

■5年越しでゲットした、激レアな「色違いポケモン」

1999年に『銀』とともに発売された、『ポケットモンスター 金』(任天堂)

 1999年には、続編の『金・銀』が誕生します。冒険の舞台がグンと広がり、登場ポケモンの種類も大幅に増えた『金・銀』は、発売と同時に爆発的な売れ行きとなりました。最初のころはどこに行っても品切れで、買うのもひと苦労。インターネットのオークションで5万の値がついていたのを覚えています。

 拙者が『金・銀』で一番ワクワクしたのは、ものすごく低い確率で登場する「色違いポケモン」の存在でした。現在『ポケモン』シリーズではもうお馴染みの、同じポケモンでも体の色が違う色違いポケモンを初投入したのが、『金・銀』なのです。

 拙者も色違いポケモンを探し回ったんですが、結局『金・銀』では見つけられませんでした。それから約5年後に『エメラルド』をプレイしてようやく色違いのパッチールをゲットすることになるのです。嬉しかったなあ。

『赤・緑』から、バージョン違いも含めれば30タイトル以上も作られている『ポケモン』本編。その間、ゲームの大枠はほぼ変わってませんから、いかに最初からこの作品が完成されていたかを如実に物語っていると言えるでしょう。

 2019年11月には、新作『ソード・シールド』がNintendo Switch向けに発売予定。2018年に発売された『Let’s Go! ピカチュウ・Let’s Go! イーブイ』は、ストーリーは1998年発売の『ピカチュウ』をアレンジしたものでした。対して『ソード・シールド』は3年ぶりの「完全新作」ということで、さらに楽しみです!

『Pokemon GO』もいいけれど、『ポケモン』本編の方も、もっと盛り上がってほしいと常々願っている拙者なのでした。

(忍者増田)

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