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『君たちはどう生きるか』は「宮崎駿の集大成」?「終始ぽかーん」? 賛否分かれたファンの反応

マグミクス / 2023年7月18日 12時10分

『君たちはどう生きるか』は「宮崎駿の集大成」?「終始ぽかーん」? 賛否分かれたファンの反応

■集大成? 難解? 分かれる観客の意見

 スタジオジブリによる長編アニメーション映画『君たちはどう生きるか』が、2023年7月14日に公開されました。その内容が宮崎駿監督の新境地とも言うべき挑戦的な作風だったことから、ファンたちの反応は真っぷたつに分かれています。

 そもそも同作は公開の瞬間まで、ストーリーやキャストなどの情報が一切明かされていませんでした。公開されていたのは、「鳥」のような生き物が描かれた1枚のポスタービジュアルと、「冒険活劇ファンタジー」という漠然としたジャンル名だけです。

 またタイトルは吉野源三郎氏による同名小説から拝借されていますが、小説と映画の内容はほとんど関係ありません。テレビCMや新聞広告すら出ていないため、観客たちは期待と不安を膨らませたまま劇場に足を運んだことでしょう。

 しかしそこで多くの観客は、予想外の衝撃を受けることになりました。これまで宮崎監督が手掛けてきたのは、大人から子供まで楽しめるエンタメ作品ばかりでしたが、『君たちはどう生きるか』では賛否両論が巻き起こっているのです。

 SNS上の反応を確認してみると、まず肯定的なものとして、「ジブリの集大成。過去の作品を観ている人ほど楽しめます」「ナウシカ以降の作品主人公達に共通するメッセージがより濃く出ている124分。その点では集大成なのかな」「宮崎駿監督のこれまでの作品の集大成でありながら全く新しい作品でした」といった声が目立っています。

 宮崎監督を理解するファンにとっては見ごたえのある作品となっているようで、しきりに「集大成」というワードが呟かれていました。

 その一方で、独創的な世界観についていくのがやっとだという人も多かったらしく、「話が動き始めてから割と終始ぽかーんだった」「難解。小学生には無理。大人でも時間がかかる」「ストーリーは単純明快、メッセージを読み取るのは難解」といった感想も見受けられます。

 まさしく意見が真っぷたつに割れることとなった同作ですが、その背景にはおそらく「スタジオジブリの単独出資」という特殊な製作体制が関わっています。

 現代において映像作品を作る際には、複数企業からの出資を募る「製作委員会方式」が主流となっています。実はこのシステムを広めた第一人者こそが、数々のジブリ作品を大ヒットに導いてきた鈴木敏夫プロデューサーでした。

 しかし現在の鈴木プロデューサーは、この「製作委員会方式」に違和感を抱いているようです。とくに製作委員会に名を連ねたテレビ局や広告代理店が、大々的に作品内容を明かして宣伝することに違和感があったようで、7月6日に公開されたNHKのインタビューでは、「内容を知った上で、それを確認するために映画を見られたんじゃたまらないですよね。やっぱり面白いかどうかですよ。厳しい目で見ていただきたい」と語っていました。

 そうした背景から、鈴木プロデューサーは公開日まで内容をまったく明かさないという異色の宣伝戦略を採用したそうです。従来の宣伝スタイルでは「決まりきった興行収入」しか想定できなかったとのことで、巨額の製作費を回収するための秘策として、常識ではありえない戦略に踏み切ったのでした。

 また、「製作委員会方式」のもうひとつのデメリットとしては、スポンサーの意向を反映しなければならないという点が考えられるでしょう。『君たちはどう生きるか』にて宮崎監督の自由なイマジネーションが発揮されていることは、スタジオジブリ単独出資という製作スタイルにも関わっているはずです。

 鈴木プロデューサーが別のインタビューで「赤字になったっていい」と語っていた通り、同作はさまざまな束縛から解き放たれた、自由な環境で作られています。だからこそ、これまでに見たことがない宮崎監督の実験作が実現したのではないでしょうか。

 しがらみから解き放たれた国民的アニメ監督は、どのような境地に到達したのか……。気になる人はぜひご自身の目で確かめてみてください。

※本文の一部を修正しました。(2023.7.19 10:45)

(ハララ書房)

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