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『北斗の拳』ジャギが悪に堕ちた真相? 彼を慕った「少女の悲劇」とは

マグミクス / 2023年7月19日 20時10分

『北斗の拳』ジャギが悪に堕ちた真相? 彼を慕った「少女の悲劇」とは

■かつては平和な日々を過ごしていたジャギ

 今年2023年9月に連載開始から40周年を迎える『北斗の拳』は、北斗神拳の伝承者・ケンシロウが主人公の物語です。魅力的なキャラクターたちによるバトルアクションが好評で、今もなお人気に衰えはありません。

 その『北斗の拳』公式サイトでは各キャラクターのアクセスランキングが公開されていますが、時にケンシロウをも上回るアクセス数を記録しているのが、北斗4兄弟の三男・ジャギです。

 かつてジャギは、長男のラオウ、次男のトキ、そしてケンシロウとともに、師匠のリュウケンのもとで修行の日々を過ごします。しかし、北斗神拳の伝承者にケンシロウが指名されると、納得のいかないジャギはケンシロウを襲撃しました。

 ですが、あえなく返り討ちにあい、秘孔を突かれて顔面を歪まされたこともあって、さらにジャギはケンシロウを逆恨みします。挙げ句、ケンシロウのライバルであるシンをそそのかし、ユリアを強奪させました。

 また、ジャギは自身の身体にケンシロウと同じ7つの傷を刻み、ケンシロウの名を騙って悪行を重ねます。

 こうしたジャギの暴挙は止まらず、復讐のためならどんな汚い手も使い、ケンシロウの怒りを買いました。その結果、ケンシロウに圧倒的な力の差を見せつけられ、ジャギは命を落としたのです。

 ですが、かつては北斗神拳の伝承者候補だったジャギが、どうしてそこまで悪に染まってしまったのでしょうか。実は、彼の心を歪ませる原因となった若い頃のエピソードが、『極悪ノ華 北斗の拳 ジャギ外伝』のなかで語られています。

 この物語によると、ジャギは赤子の頃にリュウケンに命を救われ、彼のもとで平和に過ごしていました。当初リュウケンは、ジャギを北斗神拳伝承者の候補と見ておらず、ラオウやトキを候補者に迎え入れます。

 父親同然のリュウケンに認めてもらえず、鬱屈した気持ちを抱えながらも、ジャギは自己流で修行に励みます。さらに年下のケンシロウが新たな候補に現れたことで、ジャギの感情は爆発し、たまたま現われた道場破りを袋叩きにしました。その姿に強い覚悟を感じ取ったリュウケンが折れ、ようやくジャギを伝承者候補にしたのです。

■大きな転機となった、一人の少女との別れ

胸に7つの傷のあるジャギの姿が表紙になった「極悪ノ華 北斗の拳 ジャギ外伝 下」(コアミックス)

 リュウケンから北斗羅漢撃を伝授され、自信を取り戻したジャギは日々修行に励みます。そんなジャギを励ましていたのが、幼い頃に知り合った暴走族の少女アンナでした。

 しかし、本気のケンシロウと戦って敗れたジャギは、リュウケンのもとを飛び出してしまいます。父親同然に思っていたリュウケンから実力を認められず、ようやく候補者になれたと思ったら弟に追い抜かれ、やり場のない思いを抱えていたのでしょう。

 そこに追い打ちをかけるように核戦争が勃発、彼の支えでもあったアンナは酷い暴行を受けて、無惨にも命を落としました。

 このアンナの死が決定打となり、ジャギは大きく変わってしまいます。何かを恨み、憎むことでしか精神を保てなかったのかもしれません。そしてジャギは、決して光の見えない悪の道を突き進むことになるのです。

 そんなジャギの境遇を知った読者からは「同情の余地がある」と擁護する声や、「悪に堕ちるまでの背景がまじで泣ける」と感情移入する声もあがりました。

 結局のところ「世紀末」という荒んだ時代そのものが、ジャギを悪魔に変えてしまったのかもしれません。「もし平和な世にジャギが生まれていれば…」「アンナが生きてさえいれば…」など、いろいろと考えさせられるエピソードでもありました。

(LUIS FIELD)

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