大人こそ泣く? いい意味で「詐欺」と言われた感動的アニメ・特撮映画
マグミクス / 2023年7月21日 18時10分
![大人こそ泣く? いい意味で「詐欺」と言われた感動的アニメ・特撮映画](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_170995_0-small.jpg)
■かわいらしいゆるふわ冒険譚かと思いきや……
子供の付き添いで映画を観に行ったら、逆に自分の方が泣かされた……という経験をした大人の方も多いのではないでしょうか。たとえば劇場版『クレヨンしんちゃん』はその典型的な例でしょう。シリーズ屈指の傑作と名高い『オトナ帝国の逆襲』(2001年)や『アッパレ!戦国大合戦』(2002年)は、子供だけでなく大人たちも感動の渦に巻き込んだことは有名です。
そんな「大人泣かせ」なファミリー向け映画は他にも存在します。今回はいい意味で予想を裏切り、反響を巻き起こした近年の3作品をご紹介しましょう。
●「逆詐欺映画」と絶賛された『映画 すみっコぐらし』
予想外に大人たちを泣かせた映画といえば、2019年11月8日に公開された『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』が筆頭に挙げられます。同作のあらすじは、ひょんなことから絵本に吸い込まれたすみっコたちが、その先で一匹の「ひよこ?」に出会い、絵本のなかを旅するというものでした。
そのゆるい見た目に反するしっかりとしたストーリー構成が注目を集め、映画初日満足度(11月9日ぴあ調べ)は首位を獲得しています、11月9日~10日の国内映画ランキングでも邦画部門第1位にランクインしていました。
そんな同作は、物語の中盤までは、かわいらしいキャラクターたちの冒険譚なのですが、終盤で「ひよこ?」の正体が明らかになると物語は一変します。
絵本という設定を逆手にとった残酷な真実とそこからの切ない展開に対し、気を緩めていた大人たちは次々に涙を誘われたようです。当時、SNS上では「逆詐欺映画」がトレンド入りし、ネット上にも「ラストからエンドロールまで全部泣いた」「まさか、すみっコたちに泣かされるとは……」「ひよこ?の幸せを全力で願わずにはいられなかった」などのさまざまな感想が投稿されました。
ちなみに2023年11月3日(金・祝)には、第3作目となる『映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ』が公開されます。今度の舞台は、森のなかの不思議な工場とのことですが、いったいどのような物語が描かれるのでしょうか。
■少年マンガのような胸アツ展開?
●TikTokで大バズリした『映画 アンパンマン』の神展開
アンパンマンとばいきんまんの関係性はいつ見てもエモい? 劇場版シリーズ第30作『それいけ!アンパンマン かがやけ!クルンといのちの星』キービジュアル (C)やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV (C)やなせたかし/アンパンマン製作委員会2018
2018年6月30日に公開された映画『それいけ!アンパンマン かがやけ!クルンといのちの星』もまた、「大人泣かせ」なファミリー映画として知られている作品です。
アンパンマンの宿命のライバルはばいきんまんですが、何だかんだでふたりは持ちつ持たれつの関係で成り立っています。同作はその関係性が如実に表れた作品で、作中ではお腹を空かせたばいきんまんにアンパンマンが顔を差し出すという、ほっこりするシーンも描かれていました。
さらに物語後半では、アンパンマンが敵に襲われそうになったばいきんまんをかばい、逆に窮地に立たされてしまう展開になります。かねてよりアンパンマンを目の敵にしていたばいきんまんにとっては、まさに千載一遇のチャンスが舞い込んできたわけですが、ここでばいきんまんはアンパンマンを攻撃するどころか助けようとするのです。
「こんなところで……こんなところで何やってるんだ、アンパンマン!」「お前を倒すのは……アンパンマンを倒すのは……俺様だー!」と言いながら必死に助けようとするばいきんまんの姿に、多くの大人たちが目頭を熱くさせたことでしょう。
このシーンはTikTokでも大バズリし、ネット上には「もはや少年マンガの神回」「泣くに決まってるんだろ、こんな神映画」「子供に伝わるか不安なレベルでアツい」「鳥肌立ったわ」といった感動の声が相次ぎました。
●10年のときを経て約束を果たしたサプライズゲストに涙……
『すみっコぐらし』や『アンパンマン』とは少し毛色が違うものの、思わぬサプライズゲストによって会場を沸かせた特撮作品もありました。2018年12月22日に公開された映画『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』です。
同作は熱狂を生んだ「仮面ライダー平成ジェネレーションズ」シリーズの第3弾となる作品で、作中ではレジェンドライダーとして賀集利樹さん(仮面ライダーアギト)や須賀貴匡さん(仮面ライダー龍騎)たちが声のみで出演していました。
そのなかで本人出演を果たしたレジェンドライダーが、『仮面ライダー電王』で主演を務めた俳優・佐藤健さんです。「仮面ライダー」シリーズへの出演は『劇場版 さらば仮面ライダー電王 ファイナル・カウントダウン』以来となる10年ぶりのことで、彼のサプライズ出演は公開まで徹底して秘匿されていました。なんでも台本にすら、佐藤さんが出演するシーンは載っていなかったとのことです。
そんな努力の甲斐もあって、そのシーンでは館内にどよめきが起こり、涙を流す人も少なくなかったそうです。ちなみに『仮面ライダー電王』の最終回は、佐藤さん演じる野上良太郎が「いつか未来で」と告げたところで幕を下ろしています。その言葉通り、10年のときを経てスクリーンに立った彼の姿には、当時リアルタイムで『仮面ライダー電王』を見ていた大人たちの方が感銘を受けたに違いありません。
(ハララ書房)
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