1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. アニメ・コミック

カヤに貰った小刀をサンに渡した! 「女たらし」とも言われたアシタカの真意とは

マグミクス / 2023年7月26日 7時10分

カヤに貰った小刀をサンに渡した! 「女たらし」とも言われたアシタカの真意とは

■「女たらし」「ひどい男?」婚約者からもらった小刀をサンにあげてしまったアシタカ

 1997年に公開されたスタジオジブリの映画『もののけ姫』の主人公であるアシタカは、ジブリキャラのなかでも「イケメン」として知られ、人気のあるキャラクターです。強さと優しさを兼ね備えたアシタカですが、SNS上では一部のファンから「心変わり早くない?」「子供心に『アシタカひどい』と思っていた」など、彼の「とある行動」が批判を呼ぶことがあるようです。しかし、アシタカの「とある行動」の裏には、隠された真実がありました。

 物語の冒頭で、アシタカはタタリ神によって、腕に呪いをかけられてしまいます。このままでは呪いが全身にまわって死んでしまうのですが、呪いを解く方法は分かりません。そんななか、アシタカは村の巫女・ヒイ様によって、西へ旅することを予言されます。タタリ神がやってきた西に向かえば、なにか呪いの謎を解く鍵があるかもしれないからです。

 アシタカが誰にも見送られることなく、たったひとりでエミシの村を出るとき、カヤという少女だけがアシタカのもとへ駆けつけます。「兄さま」と呼んでいますが、このカヤという少女は、妹ではなくアシタカの婚約者なのです。「旅人を見送らない」という村の掟を破り、罰を受けることを覚悟しながら、アシタカに「玉の小刀」を渡したのでした。

 カヤは玉の小刀について「お守りするよう息を吹き込めました」と言い、「いつもいつもカヤは兄さまを思っています」と伝えます。そんなカヤに対しアシタカは、「私もだ。いつもカヤを思おう」と答えました。

 しかし、中盤でアシタカはカヤからもらった玉の小刀を、シシ神の森で出会った少女・サンに渡してしまいます。「いつもカヤを思おう」と言ったはずなのに、婚約者からもらったものを他の女の子に渡してしまった……このアシタカの行動には、「金曜ロードショー」で放送される際などに、ネット上で「アシタカは「女たらし」なのでは?」と疑念の声が上がることも少なくありません。

 ですが、アシタカが玉の小刀をサンに渡したのは、彼の「決意」による行動だったのです。その「決意」の理由が、2015年に発売された『ジブリの教科書10 もののけ姫』(文藝春秋)のなかで明かされています。

 同書では、アシタカがカヤにもらった玉の小刀をサンに渡した理由について「アシタカが自然との共生を達成できないことと同時に、大切にしてきたものとの決別を象徴したのだと思う」と記されています。つまり、アシタカは玉の小刀をサンに渡すことで、今まで自分が大切にしてきたものときっぱり決別した、ということです。

■アシタカの真意は? 宮崎監督が明かす答え

アシタカにもらった玉の小刀を身につけるサン (C)1997 Studio Ghibli・ND

 さらに1998年発売された映画制作の過程を追ったドキュメント本『もののけ姫はこうして生まれた』(徳間書店)では、アシタカとカヤの関係についての宮崎駿監督の解説が載っています。カヤの声はサンと同じく石田ゆり子さんが担当しており、石田さんにアシタカとカヤの会話シーンについて説明する際、宮崎監督は、アシタカが村を出るときに頭の上で結っていた髷を切ったことに関して、「あれはこの村では、もう人間でなくなることを表しているんです」と述べたそうです。そして、カヤが小刀を渡す場面では、彼女がアシタカとは二度と会えないことを悟っていることも説明しています。

 さらに宮崎監督は「いつもカヤを思おう」というアシタカのセリフに関しても、「カヤが(アシタカに)未練を残してしまうと辛いだろう(とアシタカは思った)と。(中略)アシタカはこの村に戻りませんから、永久の別れになるだろうと、ハッキリ言ってあげないとと思っている」と、説明していました。宮崎監督の言葉からも、アシタカはエミシの村を出る時点で、カヤへの思いや、婚約者だった関係性をきっぱりと断ち切っている、ということが分かります。

 また、ファンの間では、玉の小刀が「お守りするよう息を吹き込めたもの」であることに着目した考察もあります。玉の小刀がアシタカにとって「御守り」のような存在であったため、「人間との戦いに赴くサンにも『御守り』として持っておいてほしい、と願ったのではないか」というものです。

 また「タタリ神の呪いによって命が長くないと悟ったアシタカが、自分の形見のつもりでサンに小刀を渡したのでは」と考察する人もおり、上記のような公式の解説などを抜きにしても、アシタカの行動は「移り気な気性」によるものではない、と思う方も多くいるようです。

 たびたび議論を呼ぶ「玉の小刀」ですが、アシタカの真意を知ってから各シーン見直すと、また違った印象を受けるかもしれません。

(LUIS FIELD)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください