【漫画】0歳娘が「RSウイルス」で病状悪化しICUへ 感染症の恐ろしさ伝える体験記に反響【作者インタビュー】

■不安が募る母に読者共感「泣きながら読んだ」

　漫画家・織田博子さん（ @OdaHirokoIllust ）の0歳の娘がRSウイルスに感染し、重度の肺炎で危険な状態になった体験を描いたマンガ『0歳の娘が肺炎で11日間ICUに入った話』がTwitterで反響を集めています。当時0歳6か月の娘・やっちゃんの症状は、最初は咳と呼吸のゼーゼー音。かかりつけ医では風邪と診断されますが、咳は長引き、ついに40度の熱を出し……。

　乳幼児はさまざまな感染症にかかりやすく、心配した経験のある親御さんも多いでしょう。今回の体験記には、読者から「我が子も今RSウイルスに感染していて親としてつらい」「お母さんの不安な気持ちが伝わって、泣きながら読んだ」「他人事に思えない」「元気になって本当に良かった」「つらい体験談を世に広めていただきありがとうございます」などの声があがり、Twitter投稿には2.1万いいねの反響が集まっています。

　作者の織田博子さんに、お話を聞きました。

ーー織田博子さんの漫画家としてのデビューのきっかけを教えて下さい。

　システムエンジニアとして一般企業に勤務したあとに退職。7か月間ユーラシア大陸をひとり旅してきました。その体験を自主製作のフリーペーパーにて紹介していたところ、編集さんに「マンガを描きませんか？」とお声がけいただきました。

　ほとんどマンガは素人だったので、試行錯誤しながら2年かけて描いた作品『女一匹シベリア鉄道の旅』でデビューしました。

ーー『0歳の娘が肺炎で11日間ICUに入った話』のエピソードをどのような思いでマンガに描かれたのか、改めて教えて下さい。

　健康そのものだった娘があっという間に死に近づくという体験を通して、感染症の恐ろしさを伝えられたらと思い描きました。発表したのがコロナ禍ということもあり、今まで多くの方に読んでいただきました。

　また、この作品を描くまでは「もっと早くに対処していればよかったんじゃないか」など、後悔がありましたが、作品に昇華することで「これ以上、当時はどうしようもなかった」と気持ちに区切りをつけることができました。

ーーたくさんの感想が寄せられています。特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。

　多くの人が、自身のお子さんがRSウイルスをはじめとした感染症にかかられ、怖い思いをしていました。やっちゃんの例は決して特殊な例だったわけではなく、身近に起こり得ることなのだと改めて感じました。

　また、「お子さんが治って良かった」という温かい言葉をたくさんかけていただき、日本はいい人たちがたくさんいると思いました。この場を借りて皆様の温かいお気持ちに感謝いたします。

ーー小さな子供をもつお母さんにメッセージがあればお願いします。

　元気にしていたと思った次の瞬間には椅子から転げ落ちたり、道路に向かって全速力したり、高熱を出したりする子供たち。そんな子たちを元気に生かせているというだけですごいことだと思います。何気ない日常を過ごすことができていることを、ご自分もご家族ももっと褒めたたえ合ってもいい！　って思います。

新刊『世界家庭料理の旅　おかわり』が2023年7月20日に発売（イースト・プレス）

ーー新刊『世界家庭料理の旅　おかわり』が2023年7月20日に発売されました。収録内容や見どころなどをご紹介いただけますか？

　世界各国の家庭の食卓を訪れ、家庭料理を一緒に作り、食べ、団らんする『世界家庭料理の旅』のシリーズ第2弾です。この本はコロナ禍で描いているため、旅ではなく日常のすぐ隣にいる外国の方々の食卓を訪れています。

　言葉や文化が違っても、家庭料理を通じて共感できる。そんなコミュニケーションを楽しんでいただければと思います。

ーー今後の創作活動について教えて下さい。

『女一匹シベリア鉄道の旅』『北欧！自由気ままに子連れ旅』ほか、旅のエッセイマンガを描いてきました。今は3人の子供を育てていて、本業の旅と食のマンガの傍ら、子供たちのマンガを描くことが癒やしです。『旅する母ちゃん　駒込で子育て』という本にまとめています。

　これからもマンガを描いていきたいと思っています。どこかで私のキャラクター「しろいブタ」を見かけたら、ぜひ手に取って見てみて下さい。

（マグミクス編集部）