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『ガンダム』ザビ家の仲がよかったら、ジオンは負けなかった? ギレンが死を惜しんだ弟の存在

マグミクス / 2023年7月28日 6時10分

『ガンダム』ザビ家の仲がよかったら、ジオンは負けなかった? ギレンが死を惜しんだ弟の存在

■そもそもサスロが死なない?

『機動戦士ガンダム』は、作りこまれた設定と、数多く発表された作品群がお互いを補完する、大河ドラマ的な重厚さを持つ作品です。その中でも印象深いのが、ジオン公国を統治する「ザビ家」一族です。

 ザビ家は父デギン、長男ギレン、次男サスロ、三男ドズル、長女キシリア、四男ガルマで構成されており、物語の開始前にサスロは亡くなっています。

 サスロの死因は、パラレルワールドである『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、妹キシリアを平手打ちしたことで、恨みを買ってテロで謀殺(実行犯と確定する描写はありませんが)、マンガ『ギレン暗殺計画』では、政治的才能を有するために、ギレンとサスロで国が分断されることが危惧され、ザビ家により暗殺されたとされています。どちらにせよ、身内のザビ家に殺されたことになります。

 ちなみに、ギレンの死因は、父デギンをソーラ・レイの標的にして暗殺したことを恨んだキシリアにより、戦闘中に暗殺されたこと。ドズルの死因は、本国とグラナダに十分な戦力を持つのに、ギレンとキシリアが援軍を出さなかったことです。

 キシリアとガルマの死因は、シャアによる謀殺ですが、この一族は身内殺しで崩壊したとも言えるでしょう。さて、もしザビ家が「外には厳しいが(そこは劇中通り)、身内同士では団結している」一族だったら、物語にはどのような影響があったでしょうか。

 まず考えられるのは「サスロ・ザビが死なない」ということです。サスロは小説版『機動戦士ガンダム』と『ギレン暗殺計画』では「文官としての資質に優れていた」「民衆の中に自ら入り、意見をくみ上げていた」、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では「一族の汚れ役を平気でこなす剛毅な性格の激情家」として描かれています。

 どちらにせよ、傲慢なギレンが死を惜しむ人物でもあり、有能だったのでしょう。キシリアの慢心をいさめ、ドズルのお人よしを叱責していましたから、生きていれば一族のまとめ役としても、サイド3の内政担当としても活躍したに違いありません。ジオンの生産力も「連邦の1/30以下」ではなく、少しは改善されたとも考えられます。

 また、ザビ家一族を調整する意識があり、有能なサスロが生きており、かつ兄妹仲もよかったとするなら、サスロはガルマに有能な補佐官を付けていたとも考えられます。例えば「ランバ・ラルをあえて抜擢して、ガルマの側近にする」などの人事です。

 このようにしていれば、ガルマの判断はバランスがよいものとなり、ホワイトベースとの戦いで戦死しなかったかもしれません(もしくはガルマの立場にサスロかドズルがなり、功を焦らない判断ができたかも……)。

 また、シャアの謀略により、それでもガルマが戦死したとしても「兄妹仲がいい」のであれば「ガルマの仇討ち部隊」は、兄妹が協力して、エース部隊「キマイラ」のような精鋭部隊を作る可能性が高いです。例えば「ガルマを守れなかったシャアとランバ・ラル、増援の黒い三連星に新鋭機ドムを渡して、ホワイトベースを攻撃する」といったことです。

 この場合、恐らくホワイトベースは撃沈され、ガンダムは撃墜されますから、歴史は大きく変わると考えられます。例えば「オデッサの戦いで水爆ミサイルが使われ、連邦軍のレビルなど、有能な将官が消滅」すれば、その後の戦いに多大な影響があるでしょう。

 アムロではない誰かが水爆ミサイルを阻止し、オデッサが劇中通りに終わっても、ソロモン攻防戦が全く違う形となります。ギレンとキシリアが政争のために、自分の戦力を手持ちで置いておこうとせず、ドズルを見殺しにしないために、大規模援軍を出すからです。

 ソロモンに投入可能なジオン軍兵力は、史実に加え、ギレンの本国部隊の一部と、キシリアのグラナダ戦力の大半。ア・バオア・クーの防衛戦力、史実ではホワイトベースに撃破されたドレンやコンスコンの艦隊も投入することになりますから、ジオン軍の戦力は劇中の3~5倍程度にはなります(内政に優れていたというサスロが、効果的に戦力を整備していたなら、さらに増える可能性もあります)。

「増援部隊もまとめて、連邦軍のソーラシステムに焼かれる」などの不手際がなければ、地球連邦軍主力はソロモン攻防戦で大打撃を受けていたと考えられます。

 ホワイトベースとガンダムが存在しないわけですから、アムロが渡した戦闘データがジムに反映される効果も減少します。連邦軍の戦力は史実より小さいものとなるでしょう。

 また、アムロのガンダムがいなければ、ジオン軍のモビルアーマー、特にビグ・ザムやエルメス、ブラウ・ブロ、ジオングなどが猛威を振るう可能性も高いですし、ザビ家の内輪もめがない以上、戦力温存も起こらないので、エース部隊「キマイラ」や、アナベル・ガトー、シン・マツナガのようなエースたちも集結し、全力で戦線に投じられたに違いありません。

 その上で「親子仲もいい」という前提ですから、ソロモン戦が上記の大規模増援で長引けば、地球連邦軍艦隊に、最大限の効果を狙った照準での「ソーラ・レイ」が発射されることになります。

 筆者にはソロモンで地球連邦軍艦隊は全滅し、ジャブローへのコロニー落としを成功させたジオンが一年戦争に勝利したと思えてなりません。いつの時代も組織を崩壊させるのは、外敵の存在よりも内輪もめなのだと感じる次第です。

(安藤昌季)

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