原作と映画で違いすぎ? ナウシカとクシャナの性格 マンガ版は背景の設定がより過酷に
マグミクス / 2023年8月1日 7時10分
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■「ふたりの王女」それぞれに異なる設定があった
1984年に公開された映画『風の谷のナウシカ』は、公開から40年近く経った現在でも、多くのファンに愛されています。作品の魅力に華を添えるのは、ヒロイン・ナウシカと、「悪役」として登場するトルメキアの王女・クシャナというふたりの「姫」の存在です。
実はナウシカとクシャナは、原作と映画でそれぞれ違う性格であることをご存じでしょうか。原作では、ナウシカとクシャナのバックグラウンドが深堀りされていて、ふたりのキャラクターが映画よりもさらに奥深いものになっています。
まずは、ナウシカの性格の違いについてご紹介します。映画では、常に「聖女」のようなキャラクターとして描かれているナウシカは、傷ついた王蟲(オーム)の子を自分の命を賭してかばったり、キツネリスに指を噛まれながらも「ホラこわくない」と言って優しく接したりするシーンは、多くのファンが持つナウシカのイメージだと言えるでしょう。
もちろん、ナウシカの心優しい性格は、原作でも変わりありません。しかし原作のナウシカは映画よりもさらに「勇ましい」少女として描かれています。というのも、ナウシカは「風の谷」の族長である父・ジルの「跡継ぎ」として多くのものを背負っているからです。本来は女性であるナウシカが「族長」の役目を継ぐことはなかったのですが、ナウシカのきょうだいたちはみな早くに亡くなってしまい、無事に成長したのはナウシカだけだったのです。
ジルは「女が族長になったためしはないが あいつならやっていけるにちがいない」と言い、トルメキアとの古くからの盟約を守るために、ナウシカを戦場に出すことにしました。
このように育てられた背景があるためか、ナウシカは原作で男性が使うような言葉遣いをすることもあります。さらに、自分たちへの攻撃を止めるため、土鬼(ドルク(原作ではクが小文字))の長である「僧正」を人質にとるなど、ただ優しいだけの少女ではない様子が描かれていました。
ナウシカはその後、土鬼の僧正に「やさしさと猛々しさが混然として奥深い」と評価されています。
実は、映画版でのナウシカも、作中で一度だけ怒りを爆発させます。それは父・ジルがトルメキアの兵士に殺されたときです。怒りに我を忘れたナウシカが、剣士・ユパが身を挺してそれを止めたことで我にかえる……という場面には、原作で描かれたナウシカのキャラクターが反映されているのかもしれません。
■原作では「人格者」? 悲しい過去を持ったクシャナ
クシャナの人気は高く、多くのファンに愛されている (C)1984 Studio Ghibli・H
一方、映画では「悪役」のような立ち位置にいたトルメキアの王女・クシャナは、原作では悲しい過去を持った人物として描かれています。
映画でのクシャナは、トルメキア軍の将軍として、ペジテから奪った巨神兵の繭(まゆ)を回収するために、風の谷を侵略します。また、人間が生きるため腐海を焼き払おうとするなど、武力を行使する場面が強調されていました。
一方、原作でのクシャナはトルメキアの先王の血を引く唯一の存在であり、そのために現王である父や、血を分けた兄たちに命を狙われるという、過酷な人生を生きてきた女性として描かれています。
少女の頃、実の父に「精神を狂わせる」という毒を盛られるという、衝撃的な過去を持つクシャナ。その際、クシャナをかばうため、母である王妃がその毒を飲み、「人形」を自分の娘だと思い込んだまま、廃人として暮らすことになってしまったのです。
そんな悲しい過去を持ったクシャナは、原作では「部下想い」の人物として描かれています。死んでいく部下の手をとり「盾となってわたしをかばったそなたたちの忠義を忘れぬぞ」と声をかけたり、自分が危険な状態に置かれていてもなお「負傷者を見すてるな!」と号令をかけ続けたりしています。そんなクシャナのことを、側近のクロトワは「全トルメキア軍の中でもこれほど兵に支持される奴はひとりもいねえ」と評価しています。
また、映画では腐海の蟲に襲われて、片腕と片脚を失った、という設定を持つクシャナですが、原作では四肢を失っておらず、戦場で負傷したクロトワを抱えて走るなど、屈強な肉体を持っていることが明らかになっています。
映画は何度か見ているけれど、原作マンガは読んだことがない……という方が、もし7冊のマンガを読み終えた時、彼女たちへの印象が大きく変わっているかもしれませんね。
(LUIS FIELD)
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