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韓国にもあった「感動ノスタルジーアニメ」 青春と映像美の2作品

マグミクス / 2019年10月1日 19時40分

韓国にもあった「感動ノスタルジーアニメ」 青春と映像美の2作品

■初恋物語の間で、観る者を魅了する幻想シーン

 韓国アニメにも、ノスタルジーを感じさせる、劇場アニメの感動作が存在します。今回は、1970年代の韓国を舞台にした『Green Days 大切な日の夢』と、少年の日の思い出を描いた『マリといた夏』の2作品を紹介します。

『Green Days 大切な日の夢』(2012年)は、企画から完成までに11年を費やしたといいます。監督はアン・ジェフンとハン・ヘジン。アン・ジェフンには韓国文学をアニメ化した『そばの花、運のいい日、そして春春』や『にわか雨』といった作品があります。

 この『Green Days 大切な日の夢』には、1970年代の韓国を思わせる小道具などが多く登場し、ノスタルジーを刺激します。例えば、昔の映像作品。主人公のイランは映画好きなのですが、映画館で『ある愛の詩』(1970年アメリカの恋愛映画)を見るほか、喫茶店では背景にテレビドラマ『ワンダーウーマン』(1976年~)が流れています。ほかにも、レコード屋さんでは当時のレコードのジャケットが飾られています。

 ストーリーは、地方都市で暮らすイランと、ソウルからやって来たスミン、宇宙飛行士にあこがれるチョルスの3人の高校生による青春物語です。大人へ向かう直前の大切な時間が描かれています。

 イランとチョルスはお互いに惹かれあい、物語はふたりの恋物語の要素が強くなります。個人的に好きなシーンですが、イランとチョルスのふたりで恐竜の足跡を探しに行くエピソードがあります。そこで恐竜を夢で幻視するシーンは色彩がサイケデリックで、非常に印象に残るシーンです。

 色とりどりの恐竜が登場しますが、恐竜の目が優しく描かれています。大人になってから若い頃の「大切な日の夢」が何だったかを思い出しながらこの作品を見て欲しい……そう思わせる出来栄えでした。

■イ・ビョンホンが声をあてた、『マリといた夏』

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『マリといた夏』はイ・ソンガン監督による2001年公開の映画で、30億ウォンの予算で作られた作品。2002年アヌシー国際アニメーション映画祭グランプリ受賞作です。俳優のイ・ビョンホンが初の声優にチャレンジした作品でもあります。

 イ・ソンガン監督は元々画家だったそうですが、30代半ばから短編アニメを作り始め、同作品が初の長編アニメ映画となります。他の長編には『千年狐ヨウビ』(2007年)や『カイ 鏡の湖の伝説』(2016年)といった作品があります。

 監督によれば、『マリといた夏』は30代から40代に向けて作られているといいます。主人公は港町で育ったナム。成長して旧友ジュノと会うことになりますが、ナムは小説を書きつつも忙しくて執筆もままなりません。

 それに対してジュノは、夢に向かって外国に旅立つことになっています。そんなジュノから渡されたビー玉。それはかつてジュノにナムが渡したものだったのです。ビー玉をきっかけに、少年だった夏の思い出が描かれ、見る者にノスタルジーを感じさせます。

 ソウルに行くジュノとの別れや、父親を亡くし、母親が別の男性とつきあうことになるなど、主人公のナムを悩ませることはたくさんあり、ナムは孤独を抱えています。ある日、世話をしている野良猫のヨーを追いかけて灯台に行ったナムは、不思議な幻想の世界に迷い込みます。

 ナムはそこでマリと出会います。マリは女の子なのですが、体じゅう毛むくじゃらの姿。異世界にいる巨大な犬のような生物とデザインを揃えているのかも知れませんが、異様な風体です。

 ナムとマリには会話もあまりありません。異世界での思い出は実際にあったのかどうかが微妙にぼやかされています。異世界で出会ったマリは信じたい心が見せた幻なのか、あるいは少年の日の夢の象徴なのかもしれません。

 成長したナムはジュノと別れたあと、また異世界に迷い込みます。それはナムが失くした夢を取り戻しつつあることのあらわれなのでしょう。異世界は自然が表情豊かに描かれていて、映像の美しさも胸を打ちます。

(かに三匹)

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