40周年企画でも異様な人気の『北斗の拳』サウザー 「キャラ濃すぎ」「もはや可愛い」

■ケンシロウも圧倒する強烈キャラ・サウザー

『北斗の拳』の敵キャラといえば、世紀末覇者として君臨したラオウが一番有名ですが、ポジションとしては中ボスでありながら強烈なインパクトで人気を集めているのが、南斗六聖拳のひとりの聖帝・サウザーです。2018年に『北斗の拳』の35周年の際に、「北斗の拳　国民総選挙」という人気投票企画が行われたのですが、サウザーは6位の主人公・ケンシロウ、4位のトキら強敵を抑えて堂々の第3位（1位はラオウ、2位はレイ）にランクインしました。

　ネット上では「出番そんな多くない中ボス敵キャラが3位は凄い」「ケンシロウやラオウを喰うレベルの存在感だったと思う」「サウザーキャラ濃すぎ」「南斗で唯一の短髪にして、バチバチにきまったオールバックもかっこいい」と、彼を支持する声が上がっています。今回は、いくつもの名言を残している暴君サウザーを紹介します。

　南斗鳳凰拳の使い手であるサウザーは、自らを聖帝と名乗り、聖帝軍を率いて世紀末世界の覇権を握ろうとします。目的を達成するためには無差別な殺戮をするなど残虐な性格で、まさに暴君として権力を追い求めますが、背景には悲しく辛い過去がありました。

　サウザーはもともと孤児だったところを、南斗鳳凰拳の伝承者オウガイに拾われます。そして、サウザーが15歳になった時、伝承者が新たな伝承者に倒されるという鳳凰拳の宿命により、サウザーは師であるオウガイを手にかけてしまうのです。

　深い絶望と悲しみに苦しむサウザーは、「愛などいらぬ」と変貌しました。サウザーの「愛ゆえに人は苦しまねばならぬ！！　愛ゆえに人は悲しまねばならぬ！！」という言葉は、読者の胸を打つ名言のひとつとなっています。

　そして、ケンシロウと戦った際は、第1戦目ではサウザーは見事ケンシロウに勝利しました。その大きな要因は、サウザーが心臓や秘孔の位置が人とは左右裏表逆という特殊体質の持ち主だったためです。南斗鳳凰拳の高い実力と体質で、ラオウですらサウザーと戦うのを避けていました。

　そして、ケンシロウに敗北した2戦目でも、サウザーは「退かぬ！　媚びぬ、省みぬ！」「帝王に逃走はないのだー！！」と、数々の名言を鬼気迫る表情でケンシロウに食らいつきました。「極悪非道な言動連発からの悲しい過去のギャップが好き」「名言連発で思わずサウザーを応援してしまった」「サウザーの背負ってる過去とか名言って、もう主役だよね」「聖帝十字陵の上で初めて構えを見せる場面かっこよすぎるだろ」と、支持されています。

　そんな本編でのインパクトと人気もあり、2013年からは「WEBコミックぜにょん」にて、サウザーが主人公のスピンオフギャグマンガ『北斗の拳 イチゴ味』の連載が始まりました。修行ばかりで味わえなかったら青春に憧れたり、ケンシロウと仲よくしようとしたり、宴会芸を披露したりと、本編ではありえないサウザーの新たな一面が描かれ、「笑えるし、ギャップ萌えたまらん」「初めてシェイク飲む場面かわいすぎるだろ」「絵柄が原作に近いから、原作のサウザーまでかわいく見えてきた」と人気を集めています。前述の「国民総選挙」の3位という結果も、『イチゴ味』の人気が加味されたからかもしれません。

　また、東京理科大学・松野健治助教授（当時）の研究室で、ショウジョウバエの消化器官の「左右逆転」に関わる遺伝子の突然変異体が発見された際、『北斗の拳』のサウザーにちなんで、この細胞は「サウザー遺伝子」と名付けられました。

　いろんな場所で存在感を発揮しているサウザー様の勢いは止まらず、『北斗の拳』40周年となる2023年のクラウドファンディング企画のひとつ「サウザーの玉座を六本木ヒルズに再現したい！！」でも、凄まじい結果を叩き出しています。玉座設置の費用として、クラウドファンディングの目標金額は200万円が設定されていたのですが、5月24日のクラウドファンディング開始から3時間後の同日22時ごろには220％超の達成率となり、15時間が経過した25日10時の時点で達成率は251％となりました。そして、7月9日にクラウドファンディングが終了した時点で、公式サイトでは達成率1068%の2136万6748円の金額が集まったことが発表されています。

　どうしても実現させたかったファンが多数いるサウザーの玉座は、23年10月7日から六本木・森アーツセンターギャラリーで開催される「北斗の拳 40周年大原画展　～愛をとりもどせ!!～」で実際に設置される予定です。原画展は25年まで各地で開催されることが発表されていますが、実際に座ってサウザーの真似ができる玉座は全国各地で話題の中心となるのではないでしょうか。

（マグミクス編集部）