「完成度がレベチ」 2023年夏アニメ最終回まで「視聴決定」な作品は？

■今年の夏もやっぱりアニメは面白い！

　多くの夏アニメが第6話前後まで放送され、徐々に終盤に入ろうとしています。今クールは、各ジャンル満遍なく楽しめる作品が充実している印象です。そろそろ最後まで観る作品を決めている頃ではないでしょうか。

　そんな夏アニメには、放送前からは想像できないほど意外な面白さを見せているものもあります。今回は、そんな夏アニメを3作品ピックアップしました。

●『わたしの幸せな結婚』

　原作小説やコミカライズの人気が高く、2023年3月に実写映画化もされた『わたしの幸せな結婚』が「意外に面白い」というのも失礼かもしれませんが、アニメでその魅力に気付いたアニメファンも多いのではないでしょうか。

『わたしの幸せな結婚』は異能者の家系に生まれながらも才を持たず、虐げられて育った少女　斎森美世（CV：上田麗奈）と、冷酷無慈悲とうわさされる軍人の久堂清霞（CV：石川界人）が結婚生活を通じて徐々に心を通わせていく作品です。

　不遇な女性主人公が王子様（のような存在）に救われる……という典型的な和風シンデレラストーリーのため、これまで女性向けと思って敬遠していた男性もいるかもしれません。しかし、美世の「薄幸の美女」っぷりもさることながら、清霞の不器用な振る舞いも視聴者から「かなりポイント高い」と評価されています。

　アニメーション制作は、『メイドインアビス』や『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』で知られる「キネマシトラス」です。映像も思わず見惚れるほど美しく、老若男女問わず楽しめる一作となっています。

『わたしの幸せな結婚』はTOKYO MX系にて放送中です。「dアニメストア」「Prime Video」「Netflix」ほか配信サービスでも順次配信されています。

●『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』

『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』ビジュアル　(C)BanG Dream! Project

『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』は多くのアニメが作られてきたメディアミックスプロジェクト『BanG Dream!』シリーズの最新作です。誰もがバンドをしている羽丘女子学園に遅れて入学してきた千早愛音（ちはや　あのん／CV：立石凛）と、彼女がバンドメンバーとして声をかけたクラスメイトの高松燈（たかまつ　ともり／CV：羊宮妃那）を中心としたバンドストーリーです。

　あらすじだけを見るとこれまでのシリーズのように、夢や目標に向かうキラキラしたお話を想像してしまうかも知れません。しかし、本作はいままでのシリーズと雰囲気が異なり、キラキラというより「ドロドロ」な展開が続きます。バンド内だけでなく、バンド「MyGO!!!!!」のボーカルを務める燈が以前に所属していたバンドのメンバーなどもからんでいきます。

　10代の女子たちがそれぞれに悩みを抱え、鬱屈した思いをぶつけ合う様子はさながら「昼ドラ」のようで、ストーリーのスリリングさでは今クールどころか今年でもトップを狙えるほどです。本作での新キャラクターが中心のため、これまでの作品を観ていなくても充分に楽しめるでしょう。

『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』はTOKYO MX系にて放送中です。「dアニメストア」「Prime Video」「U-NEXT」ほか配信サービスでも順次配信されています。

●『好きな子がめがねを忘れた』

『好きな子がめがねを忘れた』ビジュアル　(C)藤近小梅／SQUARE ENIX・製作委員会がめがねを忘れた

　夏クールに大きなサプライズをもたらした、といえばアニメ制作会社の「GoHands」ではないでしょうか。これまで『K』や『ハンドシェイカー』などスタイリッシュな映像で展開する、アクションもののイメージが強かった同社が、今期では日常コメディ『デキる猫は今日も憂鬱』や『好きな子がめがねを忘れた』を手がけ、アニメファンを驚かせました。

　後者の『好きな子がめがねを忘れた』は、ちょっぴり奥手な中学生男子の小村楓（CV：伊藤昌弘）と、いつも眼鏡を忘れてしまう隣の席の三重あい（CV：若山詩音）によるラブコメディです。『からかい上手の高木さん』や『宇崎ちゃんは遊びたい！』と似た構図の作品ですが、それがGoHandsらしい特徴的なレイアウトやカメラワーク、エフェクト盛り盛りな映像と相まって得も言われぬ面白さを称えたアニメになっています。

『好きな子がめがねを忘れた』はTOKYO MX系にて放送中です。「dアニメストア」「Prime Video」「Netflix」ほか配信サービスでも順次配信されています。

●ほかにも面白い夏アニメは多数！

　ほかにも『呪術廻戦』や『無職転生 ～異世界行ったら本気だす』がさすがの安定感を見せ、『Helck』や『AIの遺電子』『ダークギャザリング』などもどんどん面白さを増しています。もちろん、ここまで名前があがった作品は、ほんの一部でしかありません。みなさんも最後までお気に入りの作品を楽しみましょう。

（はるのおと）