ローグタウンはカット？ 実写『ワンピ』の「東の海編」はどこまで描かれるのか

■なぜ「イーストブルー編」にガープが？

　Netflixによる実写版『ONE PIECE』の公開が、2023年8月31日（木）と間近に迫ってきました。原作者・尾田栄一郎先生が本腰を入れて監修しているとの情報もあり、原作愛に満ちた作品になることが期待されています。

　そこで気になるのが、「原作のどのエピソードまでが映像化されるのか」ということです。今回は現在解禁されている情報をもとに、ストーリー構成の全体図を予想してみました。

　まず実写ドラマ『ONE PIECE』は、全8話となることが発表されています。2023年7月22日にNetflix Japanの公式X（旧Twitter）で公開された尾田先生の直筆レターによると、「ストーリーはあの辺までを全8話で！！」とのことでした。

　では、尾田先生の言う「あの辺」とは、いったいどのエピソードまでのことなのでしょうか。予告映像のなかで、アルビダ、モーガン、バギー、クロ、そしてアーロンといった敵キャラクターたちが登場しており、大きな括りとしては、「東の海（イーストブルー）」編を描いていくことは間違いないでしょう。

　また、2023年6月18日に公開されたティザー予告ではルフィ、ゾロ、ナミ、サンジ、ウソップが樽を囲み、各々の夢を語る「進水式」のシーンが収められていました。原作における「進水式」は、「始まりと終わりの町」ローグタウンでひと騒動が巻き起こった後、麦わらの一味が大海原へと船出していった記念すべき第100話で描かれます。それによって「イーストブルー」編が完結し、ルフィたちは「偉大なる航路（グランドライン）」に向かう……という大きな区切りとなる場面でした。

　ですがこれまでの予告映像では、ローグタウンにまつわる描写はほとんどありません。そして、「ローグタウン」編に登場するはずのスモーカー大佐や革命家ドラゴンの姿も見当たりませんでした。また、原作の「進水式」の場面は大嵐のなかという状況でしたが、予告を見る限り実写版では晴天のなかで進水式を行っているようです。

　ちなみに、海外のウェブサイト「CBR.com」では南アフリカで活躍する俳優ディーン・ダモンスがドラゴン役を務めるという記事も発表されていますが、公式発表ではないため、実際にどうなるかは一切不明です。

　加えて、実写版では多くの敵キャラクターが登場することが明らかになっています。1話1時間でも100話あった「イーストブルー編」までの物語を全8話にまとめることを考慮すると、やはり「ローグタウン編」はカットされる可能性が高そうです。「イーストブルー」編最強の敵であるアーロンを倒してナミが正式に仲間入りし、最後は進水式を行って幕を閉じる……という流れが一番ありそうではないでしょうか。

　その一方で、原作では「エニエス・ロビー」編で初登場するルフィの祖父・ガープが、予告映像ですでに姿を見せているのも気になるところです。実際にネット上でも「よくよく考えたら、イーストブルー編にガープって登場しなくない？」「ネトフリのONE PIECEはガープがスモーカーの代わりになるのかな」「なんでイーストブルー編なのにガープが強調されてるんだろ。これって何か意味ある？」といった声が相次いでいました。

　ちなみに、ガープははっきりとは顔を見せないものの、単行本8巻の83話から始まるコビーとヘルメッポの「扉絵連載」、「コビメッポ奮闘記」の途中から登場しています。ヘルメッポの父・モーガン元大佐の身柄引き渡しのために登場したのですが、油断して寝ていたため、モーガンの斧手で斬られてしまうという、抜けた一面を見せていました。そして、コビーとヘルメッポを預かって、海軍本部で鍛えることにします。

　実写版では「扉絵連載」のような形式でエピソードを語ることはできないため、重要キャラ・コビーの師匠として早めに登場させるという判断かもしれませんが、スモーカーが登場しないなら、代わりにもっと早い段階でルフィを追いかけるポジションとして活躍する可能性もあります。

　改変が起きるのは致し方ないですが、尾田先生曰く一切妥協していない作品とのことで、どのようなストーリーが展開されていくのでしょうか。期待は高まるばかりです。

（ハララ書房）