現代視点だと老けすぎ？ サザエさん達を「来年同い年」の俳優で実写化するなら

■思ったよりも若かった磯野家の大人たち！

　1969年に始まった国民的長寿アニメ『サザエさん』（原作：長谷川町子）は、アニメ開始以前から定期的に映画やドラマ、舞台などの実写化作品も定期的に作られ、幅広く親しまれてきました。そんな『サザエさん』で、たびたび話題に上がるのが、キャラクターの年齢設定についてです。サザエが24歳、波平が54歳など「想像よりも若い！」と、驚きの声が聞こえてくることもしばしばあります。

　例えば2009年11月から定期的に作られた観月ありささん（当時32歳）主演のドラマ『サザエさん』のように、実写化作品では、現代人よりも大人びたサザエさんたちをキャラの実年齢よりも年上の役者が演じることも多く、そのほうが実際に馴染んでいたためか、より年齢設定に違和感を覚える人が増えたようにも感じられます。

　そこで令和の今、あえて「同年齢」の芸能人をキャスティングすると、どのようなテイストになるのでしょうか。今回は今から出演オファーをかけると想定して、来年・2024年にサザエさん一家の大人たちと同い年になる方々を、当てはめてみたいと思います。

　まず、主人公のサザエは24歳です。2024年に同い年になる2000年生まれの芸能人には、上白石萌歌さんや岡田結実さん、富田望生さんなど主演も助演も実績十分な幅広い顔ぶれが揃っています。

　なかでも、「実写化作品」に多数出演している浜辺美波さんが目を引きました。愛嬌のある明るさ、陽気さを等身大で表現し、これまでとは少し違ったサザエさんを見せてくれるのではないでしょうか。2023年春から放送のNHK連続テレビ小説『らんまん』で、神木隆之介さん演じる主人公の妻を熱演していることも記憶に新しく、守られるだけではないハツラツとした妻という人物像にもマッチしそうです。

　サザエの夫・マスオは28歳で、同い年になる1996年生まれの俳優陣には、新田真剣佑さんや横浜流星さん、金子大地さん、飯島寛騎さんなど豪華な方々がいました。実力派揃いのメンツのなかで、ドラマや映画だけでなく、バラエティー番組でも活躍する高杉真宙さんを推したいと思います。近年も『ナニワ金融道』や『東京リベンジャーズ』など実写化作品に多く出演していますし、優しくて誠実、お人好しで損な役回りになってしまうこともあるマスオを、ユーモラスに演じてくれるのではないでしょうか。

　サザエ役に選出した浜辺さんとは、『賭ケグルイ』や『私たちはどうかしている』といった実写作品での共演経験もあり、安定感のあるツーショットが期待できそうです。

　サザエさん一家の大黒柱・波平は54歳で、作中でも特に「意外と若い！」という声が上がるキャラクターです。そんな波平と24年に同い年になる1970年生まれの芸能人は、吉岡秀隆さん、阿部サダヲさんや、俳優活動も多い脚本家・宮藤官九郎さん、俳優としても活躍する芸人のマキタスポーツさんや博多華丸さんといった個性派のビッグネーム揃いですが、前述の『らんまん』にも出演しており、長年個性的な役柄を演じてきた名バイプレーヤー・池田鉄洋さんも候補に挙げられます。キャラも見た目も特徴的で、現代ではリアルに表現するのが難しそうな頑固親父・波平を、愉快に難なく演じてくれるのではないでしょうか。

　波平の妻であるフネは、公式サイトに「50ン歳」と記載があり、正確な年齢は不明なものの、50～53歳説が濃厚なようです。グッと候補の幅が広がりますが、同年代の芸能人には、舞台版でサザエ役を務めた藤原紀香さんをはじめ、寺島しのぶさん、松嶋菜々子さん、木村多江さんといったそうそうたる顔ぶれが揃っています。

　前述の俳優陣も和装が似合う方ばかりですが、フネのようなシンプルな着物と割烹着を身に付けた姿を見てみたい吉田羊さんにお願いしたいです。穏やかさとハキハキした面を併せ持った、良い配役となるのではないでしょうか。アニメ初期のフネは浮気疑惑のある波平の髪の毛を切ろうとするなど、過激な姿も見せていたので、吉田さんが演じる今のアニメよりも強そうなフネさんを見てみたいところです。

　そのほか、波平の甥・ノリスケと同じ24～26歳には、岡田健史さんや佐野勇人さん、中川大志さん、永瀬廉さん、神尾楓珠さん、眞栄田郷敦さんらがおり、ノリスケの妻・タイコと同じ22歳（2002年生まれ）には、南沙良さんや清原果耶さん、桜田ひよりさん、生見愛瑠さん、蒔田彩珠さんなど、錚々たる顔ぶれがいます。キャスティングを入れ替えて、さまざまなバージョンの「同い年実写版『サザエさん』」が実現したら盛り上がりそうです。

（椎崎麗）