キン肉マンのトラウマ？「地獄の断頭台」すら技の一部にした「恐ろしすぎる必殺技」とは

■悪魔超人の頂点に君臨したカリスマ！

　バトル系のアニメやマンガにとって必要不可欠なのが、魅力的な敵キャラの存在です。ゆでたまご氏の人気マンガ『キン肉マン』に登場する悪魔将軍は、最凶の敵でありながら、いまだに多くの読者から支持を集めている人気キャラです。

『キン肉マン』の公式サイトにて、2年に一度実施されている人気投票「超人総選挙」で悪魔将軍は常に上位の人気をキープし、2017年には主人公であるキン肉マンを抑えて第1位にも輝いています。

　そんな悪魔将軍と言えば「子どもが真似しちゃいけない技No.1」の呼び声も高い「地獄の断頭台」の使い手として有名ですが、その地獄の断頭台すら技の一部に組みこんだ、恐ろしい必殺パターンが「地獄の九所封じ」でした。

　悪魔将軍が「地獄の九所封じ」を披露したのは、「黄金のマスク編」が描かれたコミックス17巻のことです。試合の序盤は、新必殺技「キン肉ドライバー」を身につけたキン肉マンが攻勢をかけますが、隙を突いて悪魔将軍が反撃に出ます。

　そのとき繰り出したのが「地獄の九所封じ」という技でした。「地獄の九所封じ その一」は「大雪山おとし」で、この技でキン肉マンの背中にある急所を封じます。

　まずキン肉マンから背中の感覚を奪った悪魔将軍は、両腕の急所を封じる「スピン・ダブルアーム・ソルト」、さらに両足の急所を封じる「ダブル・ニー・クラッシャー」を次々炸裂させ、キン肉マンの背中、両腕、両足の計5か所の急所を封じました。

　その後も悪魔将軍はキン肉マンの攻撃をいなしつつ、「地獄の九所封じ その六」の「カブト割り」、「その七」の「ストマック・クラッシュ」と立て続けに決め、キン肉マンを追い詰めます。

　残る急所はあとふたつとなったところで、悪魔将軍は頭脳的なプレーを披露します。「地獄の九所封じ　その八」と「ラスト・ワン」と繰り出した技をキン肉マンが返すと、悪魔将軍は健闘を称えて握手を申し出ました。

　実はこのとき「地獄の九所封じ」の「その八」「ラスト・ワン」として悪魔将軍が披露した技はフェイクで、握手をすることによってキン肉マンの手のひらにある急所を封じる巧妙な罠だったのです。

　そして合計八つの急所が封じられたキン肉マンの最後の急所を封じるために繰り出した技は、彼の代名詞でもある「地獄の断頭台」でした。

　この最凶のフィニッシュホールドによって「地獄の九所封じ」が完遂できていれば、悪魔将軍の勝利は確実でしたが、瀕死のキン肉マンが起こした奇跡によって惜しくも防がれてしまいます。

　さらに火事場のクソ力に加え、頼もしい仲間たちの助力を得て、キン肉マンはなんとか勝利しますが、悪魔将軍の「地獄の九所封じ」自体が破られたわけではありませんでした。

■優秀すぎて逆利用されるシーンも！

容赦ない攻撃をしかけてくる悪魔将軍を立体化したフィギュア「S.H.フィギュアーツ 『キン肉マン』悪魔将軍 ORIGINAL COLOR EDITION 」（BANDAI SPIRITS）

　悪魔将軍の「地獄の九所封じ」は、その後の戦いでも披露されています。コミックス46巻では、完璧超人始祖のひとりであるアビスマンを「地獄の九所封じ」で攻略しました。

　またコミック59巻で悪魔将軍は、対戦相手の「超人閻魔」こと武道から逆に「地獄の九所封じ」を食らう場面もあり、自分の必殺技を相手にかけられるという、まるで作品の主人公のような扱いを受けていたのも印象的です。

　ちなみに、悪魔将軍に勝利したキン肉マンですが、悪魔将軍に八つの急所を封じられたトラウマなのか、再会時に「もう将軍とは二度と戦いたくない」と言って逃げまわるシーンがあります。主人公にまで強烈なトラウマを植えつけた悪魔将軍の「地獄の九所封じ」が、今後見られる場面はあるのか楽しみなところです。

（LUIS FIELD）