【漫画】親友の彼女がなぜか自分にアプローチ？ 謎も多い禁断の三角関係に「性癖が歪みそう」【作者インタビュー】

■高校最後の1年間での危険な恋

　高校3年生の石月リクは、幼なじみで同級生の水瀬雫に迫られるちょっとエッチな夢を見ます。その夜、まるでそれが正夢であったかのように、雫がリクの家にやって来ました。しかし、雫はもうひとりの幼なじみの空野タクトの彼女です。ドキドキしながらも「俺とお前はただの友達」と雫に言い聞かせますが、彼女はなぜかリクに対して積極的で……。

　肉丸さん（@nikumarusuisann）のマンガ『アイツノカノジョ』が、ダ・ヴィンチとニコニコが運営している「次にくるマンガ大賞 2023」のWebマンガ部門にノミネートされています。小学館の「サンデーうぇぶり」で連載され、2023年8月には単行本の第2巻も発売された人気作品です。

　本作の第1話は、肉丸さんのpixivアカウントなどでも一部公開されています。そちらでの初公開時には「好き」「読み切りを読んだときから、楽しみにしてたからうれしい」などのコメントが寄せられていました。また、最新巻の発売後のツイートにも「これ最高だわ」「今回もめっちゃ良かった」といった感想が集まっています。

　作者の肉丸さんに、お話を聞きました。

ーー『アイツノカノジョ』のお話が生まれたきっかけを教えて下さい。

　Twitter（X）で連載していた「恋人と喧嘩するたび泊まりに来る女友達」的な1枚絵イラストを見て、現在の担当編集の宮川さんが執筆の依頼を下さったことがきっかけです。そこから、「読んだ若者たちの性癖を狂わせる作品を作ろう」というコンセプトで作品作りが進んでいき、現在の形ができあがりました。

ーー本作で、各回の最後のページに「卒業まで残り○日」と入れるアイデアは、どのように生まれましたか？

　それは完全に担当の宮川さんのご提案です。リミットや縛りがあるもののほうが人は興味を引かれやすいからという理由もありますが、ほかにも意味はあります。答えはこれからのお楽しみということで……。

ーー本作は、合う・合わないがはっきりとしたある意味で「読む人を選ぶ」タイプの意欲作ではないかと感じています。同時に、とても多くの読者の注目を集めて人気作となりました。そのあたりは、ご自身ではどのようにお考えでしょうか？

　基本的には自分が描きたいと思ったテーマで描かせていただいているので、合う・合わないがあるのは当然であり、批判的なご意見があるのも当然だと思っています。

　そんななかで「好き」と言って読んで下さる皆様のお声には本当に助けられていますし、読んだうえで批判をして下さる読者の皆様にも本当に感謝しています。

　作者としては、より面白いと思っていただける作品が作れるよう精進するのみですので、今後も応援・批評ともにいただけるとうれしいです。

『アイツノカノジョ』第2巻（小学館）

ーー謎が多く残されていて、先の展開が待ち遠しくなる連載です。結末までのストーリーは既に明確に決まっているのでしょうか？

　結末は用意していますが、その間のストーリーは筋書き程度です。その代わりキャラクターの性格やバックグラウンドはしっかりと作っていますので、状況に合わせていろいろ変化しながら動いてくれるはず……と思っています。荒木飛呂彦先生の著書にある「作者も主人公と一緒に考えながら」という状態が自然とできるようになるのが自身の理想です。

ーー作品に対する反応で、特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。

　もちろん反応をいただけた時点でどんなものでもすごくうれしいことは前提ですが、「次の話が気になりすぎる～」的な声は特にうれしくなります。あと「性癖壊された」的な声もうれしいです（笑）。

ーー肉丸さんのマンガは、本作と『ばっどがーる』（芳文社）が「次にくるマンガ大賞2023」にダブルでノミネートされています。ご感想やファンへのメッセージなどがあればお願いします。

　ありがたいことに、皆様のお力添えのおかげでノミネートすることができました。正直、今人生で一番忙しく、寝る時間もあまり確保できていないような状況ですが、こうやって結果としてリターンをいただけると本当に励みになります。また、普段より皆様からいただだいている温かいお言葉も、心のガソリンになっておりますので、今後とも応援の程、よろしくお願い申し上げます。

（マグミクス編集部）