丁寧に再現し過ぎ？ 実写版『キングダム』に「いつ終わる？」と心配の声続出

■実写版『キングダム』はどこまでやるのか？

　現在、3作目まで公開中の実写映画版『キングダム』シリーズは、毎作大ヒットし、そのクオリティの高さから「実写版の数少ない成功例」とも言われています。原作者・原泰久先生も脚本で本格的に作品に関わり、改変はありつつも丁寧に原作の名シーンを再現するストーリー、キャラクターの高い再現度、美術、衣装など、さまざまな要素で原作ファンからも非常に評価の高い作品です。

　一方で、最近は丁寧だからこそ「話が全然進まない！」と、心配するファンの声も少なくありません。3作目が終わった時点で、原作では12巻程度の進み具合といった状況です。まだ完結していない原作のコミックスは7月19日に69巻が発売されたところで、「最後までやるとしたら相当息の長い映画になるね」というような声も上がっています。

※この記事では『キングダム』のまだ実写化されていないストーリーの展開に触れています。常用漢字ではない漢字の表記はカタカナとしております。

　ファンの間では、「さすがに原作の完結まではやらないでしょ」という意見も少なくないです。特に大きな理由として、出演者の年齢が挙げられています。2019年4月の1作目公開時は信役の山崎賢人さんは24歳、エイ政と漂を演じた吉沢亮さんは25歳でしたが、ふたりとも来年には30代となります。

『キングダム』シリーズは実際に中国ロケに行くことも多く、他作品にも引っ張りだこの人気俳優たちが多数出演しているため、「製作ペースを考えれば原作完結まで実写化するなら20年かそれ以上はかかる」などというファンもいました。そこまでかからないとしても、実写シリーズで原作を忠実に再現し続けていけば、キャスト陣は歳を重ねていく一方です。しかし、「何代もキャスト入れ替えるかもよ」「それくらいの壮大なプロジェクトになって欲しい」といった予想意見もありました。

　あまりにも原作の消化が追い付いていない状況に、ネット上では「合従軍編で終わりにするんじゃないか」と予想する声が目立ちました。斉以外の楚・魏・趙・韓・燕の他国が秦に攻め込んでくる「合従軍編」は、『キングダム』のなかでも大きな見せ場となっています。「趙の万極役にわざわざ山田裕貴を起用しているということは、『合従軍編』での信との対決は再現するはず」「ちゃんと蒙武（演：平山祐介）を出してきたってことは、楚の汗明との一騎打ちやるでしょ」と、現状のキャストから予想する意見もありました。

「合従軍編」は中国全土を巻き込む戦というスケールの大きさと、敵味方問わず多くの武将たちに焦点が当たることから非常に人気が高いエピソードです。さらに、ある人気キャラたちが助けに現れるクライマックスも大きな感動を呼んだため、「映画館で泣きたい」という原作ファンも多数います。一方で「新キャラがどんどん出てくるけど大丈夫なのかな」「製作費やばそう」「カ燐様やれる女優がいないでしょ」と、「合従軍編」の実写化の難しさを指摘する意見もありました。

　また、エイ政が中華全土を統一して「秦の始皇帝」となり、信が李信将軍となることは史実として確定しているため、「もっと早い段階で終わるんじゃないか」と予想するファンもいます。おそらく4作目で描かれる「王騎（演：大沢たかお）の死」で完結する、と考える人も少なくないようです。しかし、実写版『キングダム』は原作に忠実であるところが評価されているため、「変なところで終わるのはいやだ」という意見が大多数でした。

「呂不韋（演：佐藤浩市）陣営出してきてるんだから、呂不韋を失脚させるところまでやって欲しい」「橋本環奈の河了貂が軍師として飛信隊をバリバリ指揮するところはぜひ見たい」「1作目で本郷奏多の成キョウの演技が完璧だったから、復活して味方として活躍するところまで実写化希望」「廉頗と戦う『山陽平定編』をカットして、王騎の死の次で『合従軍編』で完結になるのでは」と、いろんな希望、予想をするファンがいますが、いずれにしても続編を待望する声は多く、興行収入が高いうちは完結しないのではないかとも予想されています。

　公開中の3作目『キングダム 運命の炎』で、シークレットだった趙国三大天の李牧とホウ煖の豪華なキャストも発表され、どんどん注目が集まる実写『キングダム』シリーズから目が離せません。

（マグミクス編集部）