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【秋アニメ】『僕のヒーローアカデミア』4期 守られる側から「守る側」への成長物語

マグミクス / 2019年10月19日 8時40分

【秋アニメ】『僕のヒーローアカデミア』4期 守られる側から「守る側」への成長物語

■「平和の象徴」が不在になってしまった世界

 TVアニメ『僕のヒーローアカデミア』が2019年10月12日(土)より、4期目の放送に突入しました。原作は「週刊少年ジャンプ」で連載中の、堀越耕平氏による同名マンガで、シリーズ累計発行部数2400万部の大人気作品です。

 総人口の8割が何かしらの超常能力<個性>を持つ超人世界が舞台で、事故や災害、そして<個性>を悪用する犯罪者、敵(ヴィラン)から人びとを守る存在であるヒーローは、多くの人びとにとって憧れの存在になっています。

 そんなヒーローに憧れる少年のひとり、緑谷出久、通称「デク」(CV:山下大輝)は誰よりもヒーローに憧れていましが、彼は生まれつき<無個性>だったのです。しかし、デクの「人びとを守りたい」という思いに感化された「No.1ヒーロー」のオールマイト(CV:三宅健太)から、<個性>「ワン・フォー・オール」を受け継ぎます。そして、デクは、ヒーロー輩出の名門校である雄英高校に入学し、最高のヒーローを目指してクラスメイトと切磋琢磨していくのです。

 アニメ3期では、デクの憧れの存在であるオールマイトが最強最悪の宿敵「オール・フォー・ワン」を死闘の末撃破しますが、オールマイトも自身の力を使い果たし、ヒーローを引退します。今回のアニメ4期は、平和の象徴と悪の親玉の両方がいなくなった世界が舞台となっています。デク自身も「プロヒーロー仮免許」を取得し、徐々に守られる立場から、守る立場に、ヒーローに憧れる存在から、現実のヒーローになっていきます。

 この作品の魅力は、ヒーローものでありながら、主人公が<無個性>から始まり、観る側の私たちとそう遠くない存在として登場した点にあります。もちろん、物語のなかで超常能力を手にしていくのですが、その背景にあるのは「人びとを守りたい」という思い、そして、「独自に研究を重ね、工夫する努力」、そして何より「諦めない」という意志です。少年マンガの王道といえます。

 そしてクラスメイトたちも<個性>豊かで魅力的です。主人公の幼馴染で、才能溢れる「才能マン」、爆破の<個性>を持つ、爆豪勝己(CV:岡本信彦)、本作のヒロイン的存在で、<個性>は無重力(ゼログラビティ)、触れたものを無重力状態にできる、麗日お茶子(CV:佐倉綾音)などです。一見地味に見える<個性>のキャラクターが、能力の工夫や使い方によってド派手な活躍を見せる意外性が、この作品大きな魅力のひとつになっています。

 アニメ4期の最初の放送回(第64話)はアニメオリジナルのエピソードで、これまでの物語とクラス全員の能力をストーリーのなかで紹介してくれます。成長した主人公やクラスメイトたちは今後実戦への投入が増えることが予想できます。ヴィランとの<個性>と<個性>がぶつかり合う、臨場感あふれる戦闘シーンは必見といえるでしょう。

(二木知宏)

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