【漫画】「懐かしい」男の娘のせいで毒気を抜かれた問題児 ついに「果たし状」を渡すけど？【作者インタビュー】

■「かわいい」が広がる平和な世界

　アラフォー男性の亀山は、駅で「かわいい女の子」を見かけます。肌も髪も美容に気を使っていることを感じさせる佇まいで、持ち物もキュートなものばかりです。その七海ひかるは、実は男子校の学生。そうとは知らず、「乙女アイテム大好きおじさん」な亀山は、憧れにも似た思いでひかるを人間観察しながら頭の中で「考察」を展開しているのでした。

　本作は、さかなこうじさん（@osushi_survival）の創作マンガ『今日、駅で見た可愛い女の子。』です。「ダ・ヴィンチ」と「ニコニコ」が運営する「次にくるマンガ大賞 2023」では、Webマンガ部門にノミネートされています。第22話の『手紙編』では、ひかるが折ったかわいい「仕掛け手紙」に翻弄される同級生の姿が描かれました。

　読者からは「かわいすぎる」「かわいいは幸せを呼ぶ」「懐かしい……小学生のときにやってた折り方」などのコメントが寄せられています。また、本シリーズを初見の読者からは「男子校？」という言わば作品の「狙い通り」な感想も見られました。Twitter（X）での投稿には4.4万いいねがつき、リツイート（リポスト）も4500件を超えています。

　作者のさかなこうじさんに、お話を聞きました。

ーー今回のお話はどのように生まれましたか？

　ひかるとウルピの回を描くにあたって、高校生活で懐かしのアイテムって何だろうと考えたときに手紙を折っていたのを思い出しました。「そういえば色ペンでデコったりかわいくしていたな」と思い、マンガにしました。

ーーウルピ（坂本翔）がかわいいという感想も多く見られました。今回初めてマンガを読む人に向けて、彼についてもご説明いただけますか。

「ウルピ」は以前の学校では喧嘩に明け暮れ、触れるものみな傷つける「デンジャラスウルフ」という異名で恐れられていました。ですが、ひかるのいる男子校に転校してからは、かわいいものや、楽しそうなものの誘惑に負けてしまうというキャラクターです。

　このマンガの登場人物はみな二面性を持っているので、ウルピも毎回、恐そうに見えて最後は笑顔になってしまう、というオチにしています。かわいいと思ってもらえるように描いているので、気に入ってもらえてうれしいです。

ーー『今日、駅で見た可愛い女の子。』には、今回の魔法ステッキ型のボールペンや手紙の折り方など「かわいい」要素が多く盛り込まれています。さかなこうじさんご自身も、昔から「かわいい」ものを好む傾向が強かったのでしょうか？

　そうですね、人並みレベルだとは思いますが好きです。「セボンスター」も実際に集めていました。

『今日、駅で見た可愛い女の子。』第1巻（COMICポラリス編集部提供）　(C)さかなこうじ／COMICポラリス　(C)フレックスコミックス

ーー今回の『手紙編』に対する反応で、特に印象に残った読者の声について教えて下さい。

「高校生のときに自分も折っていた！」という方は多かったですね。シャツとか私の知らない折り方も多かったので興味深かったです。

ーー『今日、駅で見た可愛い女の子。』のシリーズ全体を通してのこれまでの読者からの感想ではいかがでしょうか？

　タイトルにもあるように、ひかるをかわいい女の子であるように描くことを意識していたのですが、「亀山もかわいい」といってもらえることが多くて驚きました。

ーー本作は「次にくるマンガ大賞2023」にもノミネートされています。ご感想やファンへのメッセージなどがあればお願いします。

　皆様の投票のおかげで「次にくるマンガ大賞2023」にノミネートしていただきました！　自分の作品が何かしらの賞にノミネートされるのは初めてなのでとてもうれしいです。

　結果はまだですが、受賞していても、していなくても、この作品を楽しみにして下さっている方にこれからもいいものを届けようと思います。本当にありがとうございます。

（マグミクス編集部）