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『北斗の拳』ラオウの死後数年、ケンシロウは何してた? 謎が分かる「特別編」とは

マグミクス / 2023年8月30日 18時10分

『北斗の拳』ラオウの死後数年、ケンシロウは何してた? 謎が分かる「特別編」とは

■空白のときを埋める新エピソードの主役は、まさかの?

『北斗の拳』(原作:武論尊 作画:原哲夫)が1983年9月に「週刊少年ジャンプ」で連載をスタートしてから、もうすぐ40周年を迎えます。作品は、ケンシロウがラオウを倒すまでの第1部、そして対天帝の第2部、そして終章まで、約5年(1988年まで)続きました。

 さて、第2部は、幼かったリンとバットが大人に成長し、「北斗の軍」を率いて乱世を正す戦いを続けている、というところからスタートします。「数年(後述する原作者・武論尊先生の言葉によると約10年)」が経過している設定で、離ればなれになっていたケンシロウがラオウの愛馬だった黒王号に乗って現れました。

 連載当時は、この「空白の10数年」、3人はどこで何をしていたのか? という点や、また黒王の左目に包帯のように布が巻かれていることなども、読者の間では謎として話題になりました。しかしその謎には触れられないまま、連載は終了してしまいます。ずっとモヤモヤが残ったままの人は、多かったかもしれません……。

 実は、この「空白の数年」が、公式で描かれていることをご存じでしょうか? 2014年にスペシャルエピソード「我が背に乗る者」が、「月刊コミックゼノン」5月号(前編)、6月号(後編)に掲載されました。1988年連載終了後に初めて作られたオリジナルの新作で、もちろん原作・武論尊、作画・原哲夫の両先生による描き下ろしです。

 コアなファンなら読んでいるでしょうが、「ジャンプ」連載時は読んでいたけれど長い年月が過ぎ、この特別編を知らないというオールドファンは意外といるようです。あの頃のモヤモヤを解消したい方は、『北斗の拳 究極版』第11巻に全編87ページにわたって収められています。

 では、ここからは「ネタバレ注意」です。なかなか読めないエピソードなので、謎を解きつつ物語の内容を明かします。

●リンとバットは何をしていたのか?

 大人に成長し、勇敢な戦士となったリンとバットは「北斗の軍」を率い、X郡都と戦っていました。残念ながら、幼かったふたりが大人になるまでの道程は描かれておらず、彼らに関しては第1部終了から、数年経過した設定の第2部・137話「若き狼の叫び!の巻」へ直結しています。

●ケンシロウは何をしていたのか?

 問題はケンシロウです。彼は山にこもり、亡くなったユリアの石像をずっと彫り続けていました。覇気がなく、まるで抜け殻のようです。ユリアや、ラオウら「強敵(とも)たち」を想い、自分だけが生き残ったことを悔いているかのようでした。

 彼は雲のジュウザの息子・ショウザの村に身を置いていましたが、ある日、村はX郡都の司刑隊に襲撃されます。それでもケンシロウは動きません。

●黒王号の左目はなぜ負傷したのか?

 そんなとき、黒王はケンシロウの前で膝をたたみ「乗れ、戦え」とでも言わんばかりに促します。それでも動かないケンシロウに怒った黒王は、彼を突き飛ばして噛みつきました。それでもケンシロウは戦いを拒むのです。

 同じ頃、司刑隊に奪われた子供たちを救うため、黒王に乗ったショウザがX郡都に乗り込みますが、返り討ちに遭います。そして、全身に矢が刺さり絶命したショウザを背に乗せ、自らの身体にも無数の矢が刺さった黒王がケンシロウの前に現れました。黒王の左目には、矢が2本刺さっています。傷だらけの黒王は、それでもケンシロウの前で膝をたたみ「乗れ」と催促しました。

 ケンシロウは黒王の目に刺さった矢を抜いて涙を流し、「漢(おとこ)の誇り」に目覚め、いよいよ黒王に跨がってX郡都へ向かいます。黒王の左目が布で覆われていた理由は、矢が刺さって負傷したからでした。タイトル「我が背に乗る者」で分かるように、主役は黒王号ともいえる内容です。黒王がいなければ、ケンシロウは死ぬまで戦わなかった可能性もあったわけです。

 このスペシャルエピソードについて、『北斗の拳 究極版』11巻のあとがきで、原作の武論尊先生はこんなことを話しています。

「30周年を機につくった新エピソードは、今まで俺の中でずっと引っかかっていた部分でね。そこの十年間に何があったかという事をどうしても埋めておきたかった。『北斗の拳』っていう壮大なストーリーの中の、最後の埋め忘れられたピース。今回それが埋まった事によって、キレイに完結したなって思うよ(一部抜粋)」

 そして、「また10年後、まだ『北斗の拳』が語り継がれていたとしたら……その時はまた何かやるかもしれないな(笑)」と話しています。連載40周年になる今年、もしかしたら新エピソードの発表があるかもしれません。あるいは、このあとがきは2014年初版のコミックに掲載されていたため、来年・2024年に新エピソードが読める可能性も秘められています。期待したいところですね。

(石原久稔)

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