「雑誌でウソ」つかれた? オーバー40はすぐピンとくる「ファミコンワード」
マグミクス / 2023年9月5日 21時10分
■何のことかわかったらオーバー40!? 記憶に刷り込まれたファミコンワード
「バントでホームラン」という文字を見て、すぐに『燃えろ!!プロ野球』のホーナーを思い出した方は、きっと「オーバー40」ではないでしょうか。「ソフト」と言われるより「カセット」と言われた方がしっくりくる、ファミコン全盛期を少年少女として過ごした世代に向け、平成生まれにはわからないであろう、40代以上がピンとくるファミコンにまつわるワードを振り返ります。
●定規連打
これを聞いて『ハイパーオリンピック』と『シュウォッチ』、どちらを思い出すかで若干の世代差がありますが、いずれにしても何のことかわかる時点でオーバー40確定です。
1985年発売の『ハイパーオリンピック』は、オリンピック競技の100m走やハードル走などが遊べて、専用コントローラーのRUNボタンを連打すると速く走れるという仕様でした。本来はナチュラルな人力連打で遊んでいましたが、そのうち爪で擦るようにボタンを連打する「こすり連打」、爪を傷めない「コイン連打」、そして反則連打の最高峰がプラスチック製の定規をしならせることで起こる振動で連打する、「定規連打」が発明されました。
そして87年発売の『シュウォッチ』は、ハドソンから発売された、連打を計測できるおもちゃです。こちらも当初は、人力連打で、純粋に自分の連射力を計っていましたが、飽きると定規連打でドーピング記録を堂々と更新していくキッズが続出しました。
●ウソ技(テク)
ゲーム雑誌『ファミリーコンピュータMagazine』(通称ファミマガ)内で、読者からゲームの裏技を投稿してもらい紹介するコーナーがありました。いくつもある裏技には相撲番付よろしく「横綱」「大関」「小結」などのランク付けがされましたが、実はそのなかにひとつウソの裏技「ウソ技(テク)」がありました。
このウソテクで最も有名で今でも忘れはしないのが、ディスクシステムの『水晶の龍』の裏技です。ヒロインと野球拳ができ、こちらが勝てば相手の服が脱げるという裏技で、少年ゲーマーたちに言語化できない腰回りの熱気を生み出します。女性の秘められた姿に飢えた昭和の少年たちはプレイせずとも神ゲーと崇め、購入のためにお小遣いをためる動機には十分過ぎる理由ができました。ところが数週間後、これがウソテクであることが公表され、生まれて初めて大人の裏切りというものを知った人も多いのではないでしょうか。
●橋本名人
80年代後半、ファミコンブームを象徴するような人物といえば、ハドソンの高橋名人です。「名人」といえば、彼をさすほどの人気ぶりで、追随するように毛利名人がおり、二大名人として人気を博しました。以後、各メーカーは同じような広告塔の「名人」を作り上げていきましたが、なかでも記憶しているのはバンダイの橋本名人です。
橋本名人は赤いメガネが特徴で、ワクワクさんのような見た目でした。二大名人のように対決をさせ、対立構図で子供をあおるというよりも、堅実にゲームを紹介するのが橋本名人だったと記憶しています。
そんな橋本名人こと橋本真司氏は、ブーム以後も輝かしい経歴をたどります。バンダイ退社後、独立を経てスクウェアへ移籍し、『ファイナルファンタジー』シリーズ、『キングダムハーツ』シリーズ、『すばらしきこのせかい』などをプロデュースした、ゲーム史に名を残すクリエイターのひとりです。
●「とうとう来たんですね。今日という日が」
このセリフが登場したのは、86年に公開された映画『GAME KING 高橋名人VS毛利名人 激突!大決戦』です。この作品は高橋名人と毛利名人がシューティングゲーム『スターソルジャー』で、5番勝負をするというもので、当時のファミコンキッズを熱狂させました。
決戦前にふたりが特訓するシーンでは、高橋名人が居酒屋でテーブルの板を連打し、その振動で醤油を手元に引き寄せたり、毛利名人が集中力を高めるためか、ビル風が吹きすさぶなかトランプタワーを組んだりしました。特に有名なのは、高橋名人が連打で大玉スイカを割るという衝撃シーンです。そんな特訓を経ての一騎打ち当日、緊張感漂うなか、控室で毛利名人のモノローグとして語られるのが「とうとう来たんですね」のセリフでした。
ほかにも『スーパーマリオブラザーズ』と『テニス』と聞いて「幻の9面」を思い描き、「青いディスク」と聞いて『中山美穂のトキメキハイスクール』が連想できる方は、古き良きファミコンを知る、オーバー40で間違いないでしょう。
(南城与右衛門)
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