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秋アニメ注目作『薬屋のひとりごと』 ファンの間で起きた「どっち?」問題とは

マグミクス / 2023年9月7日 19時10分

秋アニメ注目作『薬屋のひとりごと』 ファンの間で起きた「どっち?」問題とは

■小説は小説、マンガはマンガ、アニメはアニメ?

 シリーズ累計売上げ2400万部を突破している『薬屋のひとりごと』(原作:日向夏)が2023年秋、ついにアニメ化されます。放送は10月21日(土曜25:05)、日本テレビ系で、初回は一挙に3話放送されます(※地域によって放送日時は異なります)。アニメからはまるファンも増えることでしょう。

『薬屋のひとりごと』は、2019年の「アニメ化してほしいマンガランキング」で上位に支持され、その後も人気は沸騰していきます。今回、待望のアニメ化決定にファンは歓喜したわけですが、ただ、なかには「どっちで?」という疑問の声も入り交じっていました。これはどういう意味でしょうか? ファンなら常識ですが、『薬屋のひとりごと』は小説がWeb版と書籍版の2種類があり、そしてマンガも2種類あるのです。

 同作は2011年10月から小説投稿サイト「小説家になろう」で連載が始まります。その小説を原作に、2017年5月から「月刊ビッグガンガン」で『薬屋のひとりごと』(作画:ねこクラゲ)、8月には「月刊サンデーGX」で『薬屋のひとりごと ~猫猫の後宮謎解き手帳~』(作画:倉田三ノ路)がそれぞれスタートしました。

 描く人が違うだけでなく、物語は同じでも内容は少し異なります。ということはファンの間でも好みが出ます。そして、「どっちのマンガをベースにアニメ化するのか?」に関心が集まったのです。この問題が根底にあったため、そもそも「アニメ化が難しい」と言われ続けてきました。

 しかし、実際のところ今回のアニメ化は「どちらのマンガでもありませんでした」というのが結論です。アニメはアニメのオリジナルで、キャラクターデザインを作りました (※ノベルズのイラストを描いている、しのとうこ先生バージョンも考えられましたが)。8月に公開されたアニメティザーPVでは「原作:日向夏(ヒーロー文庫/主婦の友インフォス刊)」と書いてあったため、「マンガの作画がベースではないのでは?」と指摘するファンもけっこういたようです。

 アニメでデザインを新調したことには、いくつか理由が考えられます。

 マンガをベースにしなかったのは、2種類のファンの心情に配慮した部分もあるでしょう。また、どちらにせよマンガをベースにすると「版権」が絡むので、起用されなかった方は遺恨を残すかもしれません。そんな問題の回避する理由もあったでしょう。

 そして、「IP(知的財産)ビジネス」を使う目的もあったと思います。これは、個人や企業が自らの努力で生み出した知的財産を使って、ライセンス使用料などの収益を得るビジネスモデルのことです。原作は同じでも作品によって違う内容を作れるため、年齢や好みに多様性が生まれファン層を広げられるメリットがあります。

『薬屋のひとりごと』の原作小説を出版している「主婦の友インフォス刊」は、今回のアニメ化でこれを推進したと思われます。小説、マンガに続いて、今度はアニメのコラボ商品といった使用料収入が見込めるので、ビッグビジネスにつながるでしょう。

 実は、小説を複数コミカライズするという手法の戦略は今後のトレンドになりそうで、こちらも「小説家になろう」から人気に火が付き、アニメ化も決定した『魔導具師ダリヤはうつむかない』(原作:甘岸久弥)も同様の展開を見せています。

 さて、満を持して放送されるアニメ『薬屋のひとりごと』ですが、ファンのあいだではもうひとつの「どっち?」あるいは「どっちでもない?」論議が起こっています。それはどちらにも特徴があるマンガの内容についてです。

 ねこクラゲ先生のマンガ版は、キャラの個性が少し強めに出ています。謎解きはもちろんですがラブコメにも趣があります。

 一方、倉田三ノ路先生のマンガ版は、キャラの思考に感情移入しやすいです。雰囲気が落ち着いていて、謎解きの展開、描写が細かくなっています。

 アニメは、キャラクターデザインだけでなく内容もマンガとは変えてくるのか、 気になるところです。

(石原久稔)

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