「ギャップ」が大事？ 主人公以上に支持を得たキャラ3選

■主人公とは「およそ倍」の投票数も

　マンガやアニメの主人公は、物語の中心であり、作品の根幹を支える重要な役割を担っています。しかし、そこまで重要でありながらも、読者からの人気投票では惜しくも1位を逃してしまった回が見られました。では、主人公を押さえるほど人気を博したキャラとは、一体誰だったのでしょうか。

　まずひとり目は、『幽☆遊☆白書』（著：冨樫義博）に登場する飛影です。第一回の人気投票では、本作の主人公である幽助と数千票の差をつけて1位になり、その後の第二回、第三回でもトップの座を守り続けています。

　飛影は、氷河の国で生まれた「氷女」と呼ばれる妖怪一族の生まれで、魔界の盗賊として登場しました。すばやい剣術や、魔界の炎を使う必殺技「邪王炎殺黒龍波」などを用いて戦います。

　本作のメインキャラクターである、幽助、桑原、飛影、蔵馬が参加した、トーナメント戦「暗黒武術会」では、ほとんどの妖怪に勝利し、圧倒的な強さを見せつけました。

　そして、飛影の魅力は強さだけではありません。飛影はクールな印象が強いですが、行方不明だった妹の雪菜を探し幸せを願いながらも、自分が兄であることをひた隠しにしてそっと守り続けた愛情深い一面も持っていました。

　飛影を推すファンは「強さ」や、冷淡さの狭間に垣間見える「優しさ」とのギャップに、心を奪われたのかもしれません。

　ふたり目は、『鬼滅の刃』（著：吾峠呼世晴）に登場する我妻善逸（あがつま　ぜんいつ）です。「ジャンプ」誌上では過去2回の人気投票が実施されており、善逸は17451票で一位に輝きました。

　普段の善逸は極度の小心者で、ことあるごとに涙を流し、逃げ惑う性格です。そして、極度の恐怖に陥ると深い眠りに落ちると別人のように強くなり、「立志編」では兄蜘蛛の首を一撃で跳ね飛ばすという驚きの強さを見せました。

「雷の呼吸」の使い手である善逸は、眠ることで無意識状態になると恐怖などの負の感情がすべて消え、厳しい修行を積み重ねた真の実力を発揮するのでしょう。普段とはひと味違うギャップが善逸のかっこよさをさらに引き立たせ、その魅力がファンの人気を誘っているのかもしれません。

　3人目は、『僕のヒーローアカデミア』（著：堀越耕平）で主人公である緑谷出久（みどりや　いずく、通称：デク）を押さえて一位を獲得した爆豪勝己です。これまで8回の人気投票が行われたなかで、第一回をのぞいた第二回から第八回までの間、トップに君臨し続けています。

　爆豪はデクの幼なじみで、自尊心が非常に高く、誰かに助けられることすら拒んでしまうほど、作中屈指の完璧主義者です。戦闘訓練では、自分より格下だと思っていたデクに初めて敗北したときに「俺はここで　一番になってやる!!!」と、涙を浮かべながら宣言していました。高いプライドを持ちながらも一切言い訳をせず、自分自身の成長を追求する姿に多くのファンが感動し、人気を呼んでいるのかもしれません。

（LUIS FIELD）