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『仮面ライダーストロンガー』のヒロイン「タックル」の技が「電波投げ」だった理由が泣ける

マグミクス / 2023年9月17日 6時10分

『仮面ライダーストロンガー』のヒロイン「タックル」の技が「電波投げ」だった理由が泣ける

■ストロンガーの相棒役に抜擢も、芝居に問題が?

 1975年に放送された『仮面ライダーストロンガー』では、ストロンガーの相棒役として、「電波人間タックル」という変身ヒロインが活躍しました。タックルに変身する岬ユリ子役に抜擢された岡田京子さんはアクションが苦手なため、その点を踏まえた技として「電波投げ」が考案されました。

 当初、東映の平山亨プロデューサーがアマゾンライダーに続く新ライダーとして企画したのは、複数のライダーが活躍する集団変身ヒーローものでした。しかし放送局である毎日放送側は「ヒーローはひとり」という考えから、そのアイデアを却下しました(集団ヒーローの企画は流れましたが、アマゾンの後番組として、1975年に『秘密戦隊ゴレンジャー』として結実します)。

 仮面ライダーの企画の代替案として浮上したのが、男女ペアのライダーでした。初の女性仮面ライダーとして発案されましたが、これも毎日放送に受け入れられず、あくまでも『ストロンガー』の引き立て役としてのポジションになりました。

 岬ユリ子は勝ち気な性格で、荒木茂さん演じる仮面ライダーストロンガーこと城茂と張り合いますが、達者なのは口ばかりで、いつも助けてもらってばかりでした。のちの『ゴレンジャー』のモモレンジャーや1976年『ザ・カゲスター』のベルスターのように、男性と一緒に戦う女性ヒーローには成りきれませんでした。製作側も岡田さんの演技に手を焼いていたようです。

 平山プロデューサーの自叙伝『泣き虫プロデューサーの遺言状~TVヒーローと歩んだ50年~』(講談社)によると、「タックルの岡田京子さんは、岡田茂社長のお声がかり、『ちゃんとした女優にしろ』と預けられた。電波投げという技は、我ながら名案だと思う。岡田さんは演技があまり上手ではないから、触れないように投げる。格好だけで良い。ところが、格好が作れない。結局ドクターケイトと相打ちになるという花道を作った」と語っています。

 相手を投げる演技ができない岡田さんのために電波投げが考案されたものの、それさえ上手にできなかったために、第30話「さようならタックル! 最後の活躍!!」で死闘を演じたのを最後に、同番組に出演しなくなりました。

 実は平山プロデューサーの企画書には、タックルがストロンガーと立花藤兵衛によって改造されて復活するというプランも書かれていました。しかし、プランを実行する前に番組自体が終了してしまい、実現しなかったようです。

 その後、平成になって復活した「仮面ライダー」シリーズでは、当たり前のように女性ライダーが登場するようになりました。タックルの存在は昭和に登場するには早すぎたのかもしれません。岬ユリ子=タックルを演じた岡田京子さんは『仮面ライダーストロンガー』の数年後に芸能界を引退して結婚しましたが、27歳という若さでこの世を去っています。タックルの存在は、弱いヒロインとしてのはかなさと、若くして亡くなった女優への哀悼とともに、昭和ライダーファンの記憶に永久に刻まれています。

(LUIS FIELD)

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