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違和感どこ行った? 自然すぎて気付かなかった人気キャラクターの「代役」

マグミクス / 2023年9月19日 20時10分

違和感どこ行った? 自然すぎて気付かなかった人気キャラクターの「代役」

■え、本人じゃなかったの?

 声のプロフェッショナルである声優といえども、諸事情によって収録に参加できないことがあります。そんなときには別の声優で代役が立てられるものの、やはり慣れ親しんだ声と新たな声ではビミョーに違和感が生じてしまうものです。しかし、なかには演技が自然すぎて「代役」と思われなかったケースもありました。

 アニメ『それいけ!アンパンマン』で一夜限りのドキンちゃんを務めた佐久間レイさんがいい例でしょう。もともとドキンちゃんを演じていたのは、いわずもがな『ドラゴンボール』のブルマなどで知られる鶴ひろみさんです。1988年から約29年に渡り、初代ドキンちゃんを務めていました。

 2017年11月、大動脈剥離により鶴さんが亡くなった後は、ロールパンナ役でもある冨永みーなさんがドキンちゃんを兼任しています。ところが、実は一度だけバタコさん役の佐久間さんが代役を務めたことがありました。

 それが、2017年12月に放送されたクリスマススペシャル「コキンちゃんとクリスマスのおくりもの」です。当時、鶴さんの声を収録したストックは年明けの分まであったそうですが、この特番だけは未収録でした。そこで臨時の代役として佐久間さんが選ばれたといいます。

 佐久間さんの演じるドキンちゃんは代役とは思えないほどとても自然で、鶴さんのドキンちゃんと比べてもほとんど違和感がありません。敬意すら感じられる佐久間版ドキンちゃんに対し、視聴者からは「ドキンちゃんの完コピ具合がやばい」「語尾の感じや抑揚のつけ方など、鶴さんのしゃべり方を忠実に再現してる。やっぱりプロってすげーわ」などと称賛の声が挙がっていました。

 物語の主人公に代役が立てられたこともあります。アニメ『美少女戦士セーラームーン』では、主人公の月野うさぎを三石琴乃さんが演じていました。そのさなか、病気療養のため休まざるを得なかった三石さんに代わって、最終回までのラスト3話と第2シリーズの冒頭4話までを荒木香恵さん(現:荒木香衣)が務めたのです。

 当時『美少女戦士セーラームーン』は社会現象を巻き起こすほどの大人気作だったため、荒木さんへの重圧は相当なものだったでしょう。実際、2022年9月22日に公開されたニコニコインタビューで三石さんは、荒木さんが代役を務めたことを振り返り、「きっと大変なプレッシャーを感じたはず」と語っています。そんな状況でも荒木さんはすばらしい演技を披露し、その縁で『美少女戦士セーラームーンR』のちびうさ役に抜擢されました。

 ちなみに当時の最終回に三石さんが出演することは叶わなかったものの、2020年12月に放送された『全美少女戦士セーラームーンアニメ大投票』では最終話のクライマックスシーンを生アフレコで披露しています。20年以上のときを越えて、三石バージョンの最終回が実現され、ファンがむせび泣いたことはいうまでもありません。

■代役から正式な2代目声優へ

天津飯の代役を務めた人のなかには、七色の声を持つ声優の名も……。 画像は『S.H.Figuarts 天津飯』(バンダイ)

 アニメ『進撃の巨人』に登場する、幼少期のエレンとミカサを巨人から救った駐屯兵団所属の兵士であるハンネスは、もともと『クレヨンしんちゃん』の野原ひろし役で知られる、藤原啓治さんが演じていたキャラクターです。しかし2016年8月から藤原さんが病気療養のため活動休止となったことで、TVアニメシーズン2からは津田健次郎さんが代役を務めました。

 ふたりともオトナの色気をただよわせるハスキーボイスの持ち主ですが、魅力の方向性はやや異なります。それでも津田さんは藤原さんのような渋くてかっこいいハンネスを演じきり、ファンからも「声の方向性が違うのにハンネスって分かる」「違和感どころか、途中で交代してたことにすら気付かなかったわ」といった絶賛の声が挙がっていました。

 ただ藤原さんは闘病のすえ、2020年4月に亡くなっています。そのため津田さんは代役ではなく、2代目としてそのままハンネスを続投することになりました。余談ですが、ほかにもアニメ『ワールドトリガー』の林藤匠や、スマートフォン向けアプリ『鋼の錬金術師 MOBILE』のマース・ヒューズ役などで、津田さんは藤原さんの後任として、その役を引き継いでいます。

 基本的に声優交代は一度だけのことがほとんどですが、なかには数回に渡って代役が立てられたキャラクターも見られました。実をいうとアニメ『ドラゴンボール』の天津飯は、3回も声優が変わっているキャラクターです。

 天津飯を最初に演じた鈴置洋孝さんはアニメ『機動戦士ガンダム』ブライト・ノア役で知られる声優で、2006年に亡くなられています。2009年より放送されたアニメ『ドラゴンボール改』からは、アニメ『新機動戦記ガンダムW』ヒイロ・ユイ役などでおなじみの緑川光さんが2代目天津飯に抜擢されました。

 一方で1989年放送のアニメ『ドラゴンボールZ』では、鈴置さんが体調不良で入院していた82話と84話だけ、山寺宏一さんが一時的な代役を務めています。またゲーム『ドラゴンボールZ バーストリミット』と、ゲーム『ドラゴンボールZ インフィニットワールド』では真殿光昭さん(『勇者王ガオガイガー』ピッツァ役、ソルダートJ役ほか)が担当しました。

 そのなかでも山寺さんの天津飯は、視聴者がまったく気付かないほどに違和感がなかったことで評判です。実際にSNS上でも「声のトーンとか話し方の再現度が完璧」「鈴置さんの天津飯と聞き比べてもほとんど差がなくて、山ちゃんのすごさをひしひしと感じた」などと評されていました。

 人気キャラの代役を務めるうえで、本人にかかるプレッシャーは想像以上のものでしょう。そんななかで違和感なく自然な演技を見せてくれた声優は、さすがというほかありません。

(ハララ書房)

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