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「打ち切りじゃないの?」 バッドエンドではないけど何だか変な終わり方のマンガ

マグミクス / 2023年9月20日 19時10分

「打ち切りじゃないの?」 バッドエンドではないけど何だか変な終わり方のマンガ

■人気があったはずなのにまさかの打ち切り!?

 マンガにはさまざまな結末が存在しますが、長期間にわたる連載と高い人気を誇りながら、予想外の結末を迎えた作品は、いつまでも記憶に残ります。そのなかでも今回は、バッドエンドではないけど何だか変な終わり方をしたマンガを紹介します。

※この記事では『ダイヤのA』『ベイビーステップ』『幽☆遊☆白書』のネタバレに触れています。

●ダイヤのA

 変な終わり方をしたマンガと言えば、2022年10月に連載を終了した『ダイヤのA actII』が記憶に新しいのではないでしょうか。前作『ダイヤのA』から数えると2006年から連載されていた同作は、主人公・沢村栄純が己の力を試すため、野球名門校・青道高校に入学し、仲間やライバルたちと切磋琢磨しながらエースを目指す物語です。

 王道展開と部員同士の人間関係の細かな描写や沢村の常に前向きで明るい性格などが評価され、人気を博しました。しかし、16年続いた連載のラストは、まるで「打ち切り」かと思うような終わり方だったのです。

 青道高校は、沢村が1年のときに破れた稲城実業高校を倒し、夏の甲子園の舞台へ進みました。しかし、最終話では、甲子園の2回戦の終盤に沢村が登板する場面から描かれます。そして、回想で、沢村が炎症を起こしてしばらく投げられなかったことが描かれました。そして、マウンドに上がった沢村のモノローグとともに、これまで登場したキャラたちの姿が描かれ、最後は「ふはははは 新・沢村伝説の始まりだー!!」と言うセリフで、物語は幕を降ろされます。

 この唐突な終わり方は大きな話題となり、「打ち切りか!?」「なんで炎症の話題出したの?」などの意見が上がっています。甲子園出場で一区切りついていたので、終わるタイミングだったのかもしれませんが、沢村たちの甲子園での活躍を楽しみにしていた読者が多くいました。

 この反響を受けて、作者の寺嶋裕二・先生は「無理して話を進め、みんなの進路や人生を雑には決めたくなかった」と理由を発表しています。最終巻の34巻では、沢村と降谷暁がU18日本代表から帰ってきた天才捕手・御幸一也に勝負を挑む追加エピソードが描かれました。

●ベイビーステップ

『ダイヤのA』の唐突な終わり方を見て、同じ雑誌で連載され、同じスポーツマンガでもあった『ベイビーステップ』を思い出した方も多かったようで、『ダイヤのA』の最終話が掲載された後には、多くの読者が言及していました。

『ベイビーステップ』は、テニス未経験だった主人公・丸尾栄一郎が、高校入学を機にテニスの魅力に目覚め、テニス選手として成長していく青春ドラマです。2007年から 2017年まで、約10年間にわたって連載された人気作品で、2014年にはNHKでTVアニメ化、2016年には実写ドラマも制作されました。

 一度は諦めたプロの道に進んだ丸尾は、物語の終盤で世界ツアーの入り口であるATP250アトランタの予選を突破し、本戦に進みます。対戦相手は同世代のスター候補で、世界ランキング37位のジェームス・ファウラーでした。強敵を相手にした丸尾は、ストレートで3ゲームを落としてしまいます。しかし、ここで丸尾はいつものように「ノート」を書き始め、戦略を練るのです。そして、「このままやり続ければ、きっと届く」と、モノローグで語ったところで、『ベイビーステップ』は完結しました。

 反撃が始まりそうな場面での終幕に、打ち切り説も多く流れましたが、作者の勝木光先生は最終巻のあとがきで「色々事情もあり、主に私の力不足」と語っているのみで、真相は定かではありません。

『ダイヤのA』と『ベイビーステップ』は、ともに続編が期待できる終わり方だったため、いまでも両作の続きを求める声も挙がっています。

●幽☆遊☆白書

 2023年12月16日からNetflixの実写シリーズの配信が予定されている、冨樫義博先生の代表作のひとつ『幽☆遊☆白書』も、変わった終わり方をした作品です。

「仙水編」の後に始まった「魔界統一トーナメント編」は、主人公・浦飯幽助はもちろん、メインキャラである飛影や蔵馬に加え、「暗黒武術会編」で登場したキャラや、黄泉や躯、雷禅の喧嘩仲間など、多くのキャラが登場し、読者から大きな期待をされていました。

 しかし魔界統一トーナメントは、幽助と黄泉の戦いの途中で、幽助が人間界に戻ってきた場面まで一気に時間が進み、トーナメントの様子は回想で語られるのみだったのです。そして、数話かけて幽助たちの物語が描かれ、『幽☆遊☆白書』は閉幕しました。

 魔界統一トーナメント後は、幽助からヒロイン・雪村螢子へのプロポーズや、師匠である幻海の墓参りも描かれ、ファンの間でも評価は低くありません。しかし、期待が高かったトーナメントが描かれなかったことに、不満の声と打ち切り疑惑が挙がったのです。

この終わり方に関しては、後にX(旧Twitter)で当時の冨樫先生のストレス過多な精神状態が語られ(現在は削除されています)、改めて週刊連載の過酷さに同情の声も挙がりました。

(SU_BU)

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