マン改め『ビックリメン』！「シール」の原作なし、完全オリジナル新作の見所は？

■ヤマト「ビックリマンのシールってなんなの？」

「これが令和のビックリマン」というキャッチコピーが気になる、2023年の秋アニメ『ビックリメン』（10月5日TOKYO MXでスタート。他BS朝日などで放送）は、公式HPで続々と情報が更新され盛り上がりを見せています。この秋は原作マンガのアニメ化作品が特に多いなか、『ビックリメン』は、構想5年をかけた完全オリジナルの物語ということで注目されています。どんな内容なのでしょうか？

　その前に、アニメ『ビックリマン』の歴史を簡単におさらいします。1985年、ロッテのお菓子「ビックリマンチョコ」のおまけ「天使と悪魔シール」が、小学生を中心に爆発的人気となりました。シールの裏側にはキャラクターの特徴などが書かれていて、そこにストーリーとゲーム性が生まれました。そして、マンガ化され、1987年にはアニメ放送がスタートします。アニメシリーズは以下の通り、シールのシリーズに合わせて内容がリニューアルされていきました。

『ビックリマン』アニメシリーズ

・『ビックリマン』（87～89年）天使と悪魔シール・第1弾～18弾までが原作
・『新ビックリマン』（89～90年）天使と悪魔シール・第19弾～24弾までが原作
・『スーパービックリマン』（92～93年）
・『ビックリマン2000』（99～01年）
・『祝！（ハピ☆ラキ）ビックリマン』（06～07年）「ビックリマンひかり伝」が原作

　そしてこの秋、16年ぶりに『ビックリメン』としてアニメが帰ってきました。ビックリメン製作委員会の公式HPから、PVやキービジュアルも見ることができます。

　ファンが気になるポイントのひとつは、やはり「完全オリジナルストーリー」というところでしょう。HPにあるあらすじは……「ビックリマンシールを愛する者にとって、シールの価値は絶対。輸送の際には現金輸送車ばりに厳重に運ばれ、一年前には『ビックリマンシール三億枚事件』と呼ばれる窃盗事件も起こった。宅配バイトに励む高校生のヤマトは、ある日、シールを巡る戦いに巻き込まれる。フェニックス店長のコンビニ・エンジェルマートはキラシールが出やすいことで有名で、ビックリマンファンはもちろん、向かいのコンビニ・デビルストアを拠点とする者たちも狙っていた。敵味方に分かれた、かつての仲間。運命の戦いが今始まる!!」……と書いてあります。

　現代に転生した「ビックリマン 悪魔VS天使」シリーズのキャラクターたちが、敵味方に分かれて対決するという内容のようです。ちなみに、9月17日に東京・一ツ橋で開催された「放送開始記念スペシャルイベント　～これが、令和のビックリマン」では、シリーズ構成の綾奈ゆにこ先生から「オープニングの最初のカットが魅力的なので、楽しみにしていてください。可愛く、楽しく、時々エモい。人生頑張っているあなたへ、ビックリメンをお届します！」というコメントが紹介され盛り上がりました。

　そして現在、総勢14名のキャラクターが紹介されていますが、ヤマトはヤマト王子の因子、牛若は牛若丸天子の因子というふうに、それぞれビックリマンの「因子（ファクター）」を持つという設定になっています。最新PVではキャラたちが「天聖合神！」のかけ声とともに、シールを胸に貼り変身していました。いわばこれが「戦闘モードで戦いの合図」となるのでしょう。そこからどんな敵とどんな技を繰り出してバトルするのか、本当に楽しみです。

　最後に、ファンなら誰もが思ったタイトルが『ビックリマン（man）』から新しく『ビックリメン（men）』に変わったことついては、特にオールドファンからは「少し寂しい」という声も聞かれました。公式な理由は明かされていませんが、おそらく、単純に「違和感を排除した」のだと思います。英語の「メン（men）」は男性の複数形を意味します。アニメでは複数の男性（女性もいますが）が活躍するので、外国人が見たときに単数より複数形の呼び方のほうが正しい表現になるからでしょう。たとえば、映画も人気のアメコミ『X-MEN』が良い例ですね。

　ビックリマンシールは、2023年は『鬼滅の刃』とのコラボで話題を呼びました。今度はアニメの後発で『ビックリメン』のシールを打ち出すのではないかと思いますが、子供たちから「天聖合神！」という変身の声が聞こえてくることを期待したいです。

（石原久稔）