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実写化された「サザエさん達の20年後」は暗いけど共感? 当時の視聴者の反応は

マグミクス / 2023年9月24日 18時50分

実写化された「サザエさん達の20年後」は暗いけど共感? 当時の視聴者の反応は

■視聴者にとってもリアル? 磯野家に待っていた「現実」

 国民的アニメ『サザエさん』は、50年以上多くの人々に親しまれています。2019年には、ドラマとして実写化され、「20年後」を舞台に、磯野家の面々が現実の悩みと向き合う姿が描かれました。アニメとは違う雰囲気に、視聴者からさまざまな反応があった実写版で、磯野一家の人びとはどのように描かれたのでしょうか。

 実写ドラマ『磯野家の人々~20年後のサザエさん~』は、アニメ『サザエさん』放送50周年記念のスペシャルドラマとして2019年11月24日に放送されました。サザエさん役を天海祐希さん、マスオさん役を西島秀俊さんが務めるなど豪華キャストで、アニメではとても小さいイクラちゃん(演:稲葉友)も成人を迎え、21歳という設定になっています。

 その他、アニメでは子供の面々がどうなったかと言うと、まずカツオ(演:濱田岳)は20年後には31歳で、過去に野球選手や漫画家などに挑戦するも挫折を経験し、商店街の洋食店でシェフをしていました。しかし経営は上手くいかず、閉店スレスレの状態です。シェフへの挑戦も挫折しそうになっているカツオの姿が描かれ、元気いっぱいだった子供時代の面影があまり見られませんでした。

 カツオがレストラン経営していることに、SNSでは「たしか将来メジャーリーガーになるって言ってなかった?」と、ツッコミの声も見られました。ただ、「カツオは調子に乗るタイプだったから挫折を味わうと思っていた」「とはいえ洋食店のシェフになれたの凄いじゃん」などの意見も少なくないようです。「カツオの頭の回転の速さを活かせる仕事が他にもあるはず」と、カツオのさらにその後に期待する人もいました。冴えない男を演じることも多い濱田岳さんの大人版カツオ役は、「合ってる」と好評だったようです。

 また、29歳になったワカメ(演:松岡茉優)は、アパレル業界でデザイナーをするも自分のデザインが採用されずに悩む日々を過ごし、仕事を諦めて恋人と結婚しようかと考えている状態でした。ちなみに恋人とは堀川くんではなく、中林大樹さん演じる3つ年上の敏腕営業マンの貝塚タケシというオリジナルキャラです。

 ネットでは「頭良さそうで真面目だから学校の先生になると思っていた」などのコメントがあるように、デザイナーとして活躍している姿を意外と感じる人もいます。また「自分の限界を感じて仕事と結婚を天秤にかけて悩む姿はリアルさを感じる」と、20代最後の年相応の悩みを抱えているワカメには、共感の声も寄せられていました。松岡茉優さんはワカメ役には美人過ぎるという意見もありましたが、「ワカメちゃんも美人さんでしっかり者で才女になりそうなイメージある」「デザイナーやってて、姉が天海祐希さんの世界線のワカメなら松岡茉優さんぴったり」「あのおなじみヘアからリアル寄りのおかっぱになった姿似合う」と、好評だったようです。

 そして就職活動中の23歳のタラちゃん(演:成田凌)は、自分がやりたいことが見つからず、明るい未来が想像できない現実を過ごしていました。好奇心旺盛だった小さい頃の面影は影をひそめ、元気がないタラちゃんの姿には「あのタラちゃんがこんなに苦労しているなんて」「なんだかんだ言ってタラちゃんが一番心配」などのコメントが出ています。まだ若く、どう転ぶかわからないタラちゃんの将来が気になってしょうがないという人も少なくないようです。

 イケメン俳優成田凌さんがタラちゃんを演じたことは大いに話題になり、「ちょっとだけタラちゃんぽい髪型似合ってる」「優柔不断な演技上手い」と評判を呼びました。ちなみに企画・プロデュースを担当したフジテレビの渡辺恒也さんは、Web版の「ザ・テレビジョン」のインタビューで「濱田さんのカツオ、松岡さんのワカメ、成田さんのタラちゃんについては、視聴者の皆さんがキャラクターに抱いているイメージを大事にしつつ、20年の時間経過の中で『こんな風に大人になったんだな』と納得できるような方というテーマでキャスティングを進めました。」と語っています。

■タラちゃんの「幻の妹」も話題に?

『磯野家の人々~20年後のサザエさん~』では、『サザエさん』でおなじみのちゃぶ台での食事風景も再現された。 (C)長谷川町子美術館

 そして、西島さん演じるサザエさんの夫・マスオさんは48歳になり、会社では順調に出世をしていました。しかし中間管理職として上司と部下の板挟み状態で、決して充実している日々を過ごしているようには見えません。優しくて誠実なイメージのあるマスオさんは、会社での板挟みに疲れてしまっていたのでしょう。

 そんなマスオさんの姿へは、「予想通り存在感が薄かった」「イケメンぶりを消してマスオさんになり切れる西島さんすごい」などのコメントがありました。「マスオさんは磯野家を思う優しさがにじみ出ていた」など、アニメ版と変わらぬ優しさを感じさせる人柄に、ホッとしていた視聴者の声も見られます。

 ちなみに天海祐希さん演じるサザエさんは、アニメと変わらず元気な姿で磯野家を盛り上げようと奮闘していました。『磯野家の人々』を監督し、『HERO』や『ショムニ』『ラジエーションハウス』などのヒットドラマで知られる鈴木雅之さんは、マイナビニュースのインタビューで、「どこの家族にあってもおかしくないことや、誰にでも起こりそうなことを取り上げていって物語を作りました。アニメにはない、ちょっと切ない部分を故意に入れていこうと。」と、敢えてストーリーを暗めにしたことを語っていましたが、天海さんのサザエに関しては次のようにコメントしています。

「天海さんだけはね、あの元気なサザエさんというのは守ってもらっています。タラちゃんとかすごく悩むんだけれど、サザエさんだけは元気を保ってもらって、あの明るさがあってみんなが元気を取り戻していくというイメージです。天海さんはサザエという『ゴジラ』なんですよ。」

 鈴木監督の意図通りというべきか、もちろん美人過ぎるという指摘もありましたが、「明るいけど強くてちゃんとカツオを叱りもするサザエさんが天海さんにピッタリ」「20年後の姿だけどちゃんと愉快でカワイイ雰囲気だった」「アニメより主人公感が凄かった」と、中心でどっしり構える天海さん版のサザエさんへの評判の声は多くありました。

 実写ドラマでは、アニメ版では描かれない現実の悩みに直面する姿が描かれ、賛否の声が広がったようです。しかし、どんな状況にあろうとも崩れない磯野家の絆が描かれており、ドラマ版もアニメ同様に心温まる作品であったといえるでしょう。

 その他、大人になったみんなを見守る伊武雅刀さん演じる波平や、市毛良枝さん演じる柔和なフネさん、さらにアニメでは登場せず、かつて「漫画読本」の創刊号に掲載された1コママンガ「サザエさん一家の未来予想図」にだけ出てきたタラちゃんの妹・ヒトデちゃん(演:桜田ひより)など、実写ドラマではいろんな登場人物が話題になりました。『磯野家の人々~20年後のサザエさん~』は、現状は配信サービスで見返すことはできない状態ですが、異色の実写版としてもっと見られるようになって欲しいものです。

(LUIS FIELD)

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