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ガンダム主人公を誕生させてしまった「やらかしキャラ」たち 予想外のミスが歴史を変えた?

マグミクス / 2023年9月25日 6時10分

ガンダム主人公を誕生させてしまった「やらかしキャラ」たち 予想外のミスが歴史を変えた?

■宇宙世紀の歴史を大きく動かした「やらかし」

 ガンダムシリーズでは、「民間人だった少年が戦渦に巻き込まれて戦いに身を投じる」という展開が定番のパターンです。そうした展開のきっかけとなった人物を見ていくと、それぞれ異なった事情が見えてきました。

『機動戦士ガンダム』の主人公「アムロ・レイ」がガンダムに乗ることになったきっかけは、彼が住んでいたスペースコロニー「サイド7」がジオン公国軍のザクに襲撃されたからです。このザクの襲撃はジオンの計画した作戦ではなく、本来は偵察任務だったのに功を焦ったひとりの兵士の独断によるものでした。その兵士が「ジーン」です。

 ジーンはデニム曹長の指揮の下、スレンダーと3人でサイド7に侵入し、地球連邦軍の極秘計画である「V作戦」の詳細なデータを、指揮官であるシャア・アズナブル少佐に報告することが本来の任務でした。

 しかし、ジーンはこの命令を無視し、勝手にザクで戦闘をはじめてしまいました。この時のセリフから察するに、手柄さえ立てれば出世できるという短絡思考からの行動だったことがわかります。

 もっとも、この戦闘がきっかけでV作戦は壊滅的なダメージを受けるのですから、その行動が間違っているとは一概に言えません。あえて言うなら、後にニュータイプに覚醒することになるアムロが「ガンダムに乗り込む」という偶然を生んだことが、ジーン最大の失策だったと言えるでしょう。

 ここでアムロがガンダムのパイロットになることで、状況は大きく動きました。それは後に「一年戦争」と呼ばれる戦争の終結にアムロが大きく貢献するからです。さらに言えば、このアムロの参戦で宇宙世紀の歴史に大きな影響を与えたシャアの、その後の人生も大きく変わったものになりました。

 なぜなら、シャアはアムロとの戦いで心の支えであったララァ・スンを亡くしているからです。これがなければシャアはザビ家を滅ぼした後、すぐにでも歴史の表舞台に立ったかもしれません。そうなれば宇宙世紀の歴史はまったく違ったものになったでしょう。

 そう考えていくと、ジーンのこの「やらかし」は宇宙世紀の歴史に多大な影響を与えるほどの出来事でした。出世はできなかったジーンですが、宇宙世紀のなかでは、「アムロを戦いの場に導いた」という悪名で、案外有名人になっているかもしれません。

 もし、宇宙世紀の「IF」を考えた時、まずこのジーンの行動を止めることこそが、もっとも大きな歴史改変を生み出すことになるでしょう。

■些細な出来事が生んだ「大失態」

表紙にZガンダムとカミーユが描かれる、小説『機動戦士Zガンダム 第一部 カミーユ・ビダン』(KADOKAWA)

 続いて『機動戦士Zガンダム』の主人公「カミーユ・ビダン」を、戦場に駆り立てるきっかけになった男、「ジェリド・メサ」です。

 ジェリドは地球連邦軍の精鋭部隊ティターンズのパイロットとして物語冒頭に登場します。「やらかし」のきっかけはカミーユという名前を「女性のものだ」と思ったという些細なことでした。これだけですと、ジェリドにそれほど非がありません。しかし、お互いのちょっとした行動が歴史を動かしていきます。

 失言したジェリドを殴ったことでカミーユは軍警察に捕まりますが、そのカミーユがモビルスーツのパイロットになるきっかけを作ったのがジェリドでした。テスト飛行の途中、ジェリドは誤ってガンダムMk-IIを墜落させ、それがきっかけでカミーユは逃走。さらに、そのMk-IIを奪ってカミーユは反地球連邦組織「エゥーゴ」に参加してしまいます。

 その後、ジェリドは詳細を知らされないままカミーユの母を殺してしまいます。そのことに多少の罪悪感があったものの、素直になれないジェリドはカミーユに悪態をつき、ふたりの関係は修復不可能なところにまで至りました。こうしてカミーユとジェリドは宿敵として何度も戦場で戦うことになるのですが、それによりお互いの大切な人を殺しあうという最悪な関係となっていきます。

 結果的に戦いはエゥーゴの勝利に終わり、カミーユはその中心として貢献することになりました。もしもジェリドが不用意なことを言わず、その後の行動にも注意を払っていれば、こんな結末は迎えなかったかもしれません。

『機動戦士ガンダムZZ』の主人公「ジュドー・アーシタ」は、アムロやカミーユとはまた別な形で戦場へと導かれています。なぜならば、戦争に巻き込まれたというよりも、自分から渦中に飛び込んだからでした。

 そのきっかけとなった人物が「ヤザン・ゲーブル」です。このヤザンが入っていた脱出ポッドを見つけたことから、物語は始まります。

 エゥーゴの宇宙巡洋艦「アーガマ」にあるZガンダムを奪うというヤザンの計画に賛同したジュドーは、人を殺さないという約束で協力することにしました。しかし、この計画の途中、ヤザンがアーガマのクルーであるサエグサに手を出したことが、ふたりの決裂を決定的なものにします。

 ヤザンからすれば致命傷を与えずに重傷程度で済ませたつもりだったのでしょう。何しろ軍人としてはプロフェッショナルですから、そのサジ加減はお手のものだったと思います。

 ところが、子供のジュドーからすればどちらも変わらないという認識でした。約束を反故にされたと思ったジュドーはヤザンと決別。その後はニュータイプとして優遇され、襲ったはずのアーガマのパイロットとして戦うことになります。

 ヤザンとしても裏切られたという思いがあったようで、何度か復讐戦に挑むこととなりました。しかし、それに執着することなく、ジュドーが宇宙空間へと旅立った後は登場することなく消えていきます。

 ジーンとジェリドと比べた時、ヤザンが大きく違う点は主人公との因縁の薄さです。むしろ、目標のなかったジュドーが外の世界を知るきっかけとなった点を考えると、ヤザンはジュドーに生きる道筋を与えた恩人だとも言えるかもしれません。ヤザン本人の思いは別として。

 主人公が動き出すきっかけとなった3人。共通点があるとすれば、そうなることがわかっていればそんなことはしなかった。思わぬミスが生んだ大失策ということでしょうか。

(加々美利治)

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