衝撃的な「NTR」シーンが物議を醸したマンガ 「トラウマ」「自分なら発狂しそう」

■極限状態での「NTR」はまさに鬱展開

　恋人やパートナーを他人に奪われてしまう、いわゆる「NTR（寝取られ）展開」はフィクションで描かれるとたびたび物議を醸します。思わぬ形で理不尽に「NTR」が起きて、読者に衝撃を与えたマンガを紹介します。

●『王様ゲーム』

　小説投稿サイト「エブリスタ」で人気を博した作品のマンガ版『王様ゲーム』（原作：金沢伸明、作画：連打一人）は、数々の衝撃展開で人気を博してシリーズ化され、アニメ化、実写化もされました。ある日、主人公・金沢伸明とクラスメートたちのもとに、「王様」を名乗る人物からのメールが届きます。名指しされたクラスメートは、「24時間以内にキスをしなければいけない」「命令は絶対」という内容でした。

　最初は遊び半分で従っていたクラスメートたちでしたが、従わなかった者が死亡したことで徐々に不穏な空気が漂いはじめます。「王様」の指示は過激化していき、ついに指名したクラスメートの中島美咲と田崎大輔に「性行為をすること」という命令が下されました。美咲には同じクラスに恋人・八尋翔太がいましたが、死にたくないふたりは行為を行い、誰も望んでいない「NTR展開」が起きてしまいます。

　そして、伸明もNTRに巻き込まれてしまうことになります。クラスメートであり、恋人の本多智恵美と親友の橋本直也と3人で自宅にいるとき、「王様」から「直也は10分以内に性交し、できなければ焼身自殺」という指示がされたのです。10分以内に指示内容を達成できる相手は、智恵美しかいない状況でした。

　そして、伸明は直也を気絶させて無理やり智恵美と性行為をさせます。親友の命を救うために、NTRにならざるを得ない展開でした。この場面であまりの展開のきつさにリタイアしたという人もおり、「読者を不快にさせるシナリオがよくできすぎてる」「ホラーすぎる」「生き残っても地獄」など、NTR自体はもちろん、悪役「王様」の非人道さを恐れる声が多く上がっています。

●『彼岸島』

　マンガ『彼岸島』（著：松本光司）は人間と吸血鬼の戦いを描いたサバイバルホラーです。同作の比較的序盤、主人公の宮本明は2年前に島で失踪した兄・篤と彼岸島で再会したとき、彼がそこで経験した凄惨な過去を耳にします。

　2年前に彼岸島を訪れた篤は、婚約者の涼子とともに吸血鬼が祀られているという神社へ訪れました。吸血鬼が封印された場所へ立ち入った篤は、ラスボスの吸血鬼・雅の口車に乗せられて封印を解いてしまいます。

　吸血鬼とは思わず雅を病院に連れて行った篤と涼子ですが、その夜に何者かがふたりをその病院へ呼び出します。先に病院へ向かった涼子を追いかけて行った篤は、おぞましい光景を目にしました。吸血鬼の本性を表した雅が病院の人びとを襲い、涼子も襲われかけていたのです。

　涼子を助け出そうとする篤でしたが全く歯が立たず、麻酔作用のある雅の唾液によって動けないようにされてしまいます。そんな篤の目の前で、涼子が発情した雅に凌辱されました。そして血を吸われると「尋常でない快楽をともなう」という雅の言葉通り、涼子は「もっと血を吸って」「気持ちいい」と雅を求めてしまい、その後命を落とすというあまりにも胸糞な展開となります。

　衝撃の鬱展開に、「ここはトラウマになった」「自分が元凶なのもツライ」「雅のヤバさが分かる、いい過去回想」などの読者の声が多く上がっています。

●『ちさ×ポン』

　マンガ『ちさ×ポン』（著：中野純子）は、主人公・本田良仁（通称：ポンタ）とヒロインである浜野千砂の恋愛模様を描いたストーリーです。夏休みに男女6人で海へ遊びに行くときに出会ったポンタと千砂は、他の4人が早熟である一方、恋愛初心者のぎこちない関係から交際がスタートします。

　不器用ながらもゆっくりと愛を深めていくポンタと千砂ですが、ふたりには問題点がありました。奥手ながらも早く童貞を卒業したいポンタと、自身の貞操観念により肉体関係まで進みたくない千砂は、お互いの理想とのギャップにもがくことになります。紆余曲折ありながらもポンタはそんな千砂を受け入れ、ふたりは肉体的には結ばれることはなく時がすぎました。

　しかし、千砂のバイト先の同僚・滝川秀基の登場により状況は一変します。イケメンなうえに遊び人として悪名高い滝川は、巧妙な手口で千砂をポンタから奪おうと画策しました。そして、睡眠薬を飲ませて寝た千砂の裸の写真をポンタに送りつけて挑発し、しまいには千砂をベッドに束縛して無理やり身体を奪おうとしたのです。始めこそ拒否していた千砂ですが、結果的に身体を許し処女を奪われるという展開を迎えてしまいました。

　ヒロインの心の準備ができるまで待つと意気込んでいたポンタに、襲いかかる衝撃な「NTR展開」に、ショックを受けた読者も多かったのではないでしょうか。その後、紆余曲折を経てポンタと千砂は結ばれますが、ただの純愛では片づけられないストーリーに、「かわいい表紙なのにとんでもない罠」「自分が男なら耐えがたい」などの声が上がっています。

（LUIS FIELD）