「今思うと最初クズ過ぎ」 改心しても賛否があったジャンプキャラ
マグミクス / 2023年9月28日 18時10分
![「今思うと最初クズ過ぎ」 改心しても賛否があったジャンプキャラ](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_186405_0-small.jpg)
■活躍したけど過去にやらかした改心キャラ
マンガでは、敵対していたキャラクターが改心したり、味方になったりする展開がよく見られます。しかし、そのなかには「こいつは許しちゃダメだろ」と、一部で仲間になることに反対の意見が出たキャラもいました。「週刊少年ジャンプ」のキャラのなかで、活躍して人気を得たものの、過去の行いが許せないとも言われるキャラを紹介します。
●『SLAM DUNK』三井寿
『SLAM DUNK』で許されていいのか? と疑問の声があったのは三井寿です。三井は中学時代に神奈川県の大会で優勝し、同大会でMVPを獲得した天才シューターでした。その大会の決勝で自分を勇気づけてくれた安西先生に恩返しがしたいと、湘北高校に入学した三井でしたが、バスケ部入部後すぐに左ひざに怪我を負い挫折を経験します。
自他ともに認める天才だった三井はそれゆえにプライドも高く、同学年の赤木の急成長もあり、挫折をきっかけに不良の道へ進んでしまいました。2年間も自暴自棄な生活を送り、湘北バスケ部を恨むようになった三井は、ある時バスケ部廃部を企て、不良仲間と体育館に乗り込みます。
その後、桜木軍団の活躍で返り討ちにあってしまった三井を、3年の木暮が叱咤し、さらに恩人である安西先生が現れました。そして、三井は「バスケがしたいです」と本音を吐露し、彼は湘北バスケ部へ復帰することとなるのです。
伸ばしていた長髪をバッサリ切り、恥を捨てバスケ部に戻った三井はスタメンに定着し、その後大活躍することになります。極悪不良キャラから、作中屈指の人気の「炎の男」への大出世の影には、作者の井上雄彦先生の方針転換がありました。
詩人・伊藤比呂美さんと井上先生の対談本『漫画がはじまる』にて、井上先生は三井に関して「(最初は)ただの不良として出した」「(湘北の一員にした理由は)ケンカ描いているうちに、やっぱり好きになっちゃったんでしょうね」と語っています。
上記の三井が不良になるまでの過去は、井上先生が体育館での出来事を描いている最中に思いついて後から説明したもので、そのためただの非道な不良としての序盤の行動が、どうしても「やりすぎ」に見えてしまう人もいるようです。
「勝手に挫折して部活潰そうとしたクズでは」「体育館殴り込みのシーン、読み返すたびに記憶よりひどいことやってるって気分になる」などの声もありますが、過去に過ちを犯し、バスケ選手としてもブランクがあるが故の名シーンも多々生まれたため、「元不良だからこその名キャラ」「スタミナ切れからの精神力で活躍する場面、全部激アツ」と、今も高い人気を誇っています。
●『ドラゴンボール』ベジータ
また、長年一部で「仲間になっているのが納得いかない」と言われているのが、『ドラゴンボール』のベジータです。ベジータはサイヤ人の王子であり、冷酷な性格でした。仲間のナッパが動けなくなると始末し、ナメック星人を大量に虐殺するなど、極悪非道なキャラでしたが、「フリーザ編」で涙を流して悟空に「打倒フリーザ」を託すと、「セル編」以降は徐々に性格が変わり、悟空たちと共闘するようになります。地球に来てからはブルマと結婚してトランクスたちも生まれ、続編の『GT』や『超』でもメインキャラとして活躍してきました。
ネット上では「ベジータは時間をかけていいパパになっていったし、初期からの変化があるからこそ好き」「ツンデレキャラの鑑」などの意見もある人気キャラです。「同じ極悪サイヤ人であるラディッツとナッパは死んだままなのに、なんでベジータだけ許されてるんだ」「仲間になった後も『魔人ブウ編』で、バビディにわざと操られて民衆殺してたしアウトでしょ」「改心しても調子乗りやすい性格が治らないのは問題」と、改心後もあった問題行動など残念な部分を指摘する人もいました。
ちなみに、2016年発売の『30th Anniversary ドラゴンボール超史集 ―SUPER HISTORY BOOK―』の描き下ろしマンガのなかで、作者の鳥山明先生はベジータが悟空に負けて死ぬ予定だったものの、人気が出たので殺せなかったことを説明しています。
■魔王軍の人間だったのに許されていいのか?
●『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』ヒュンケル
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『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』に登場するヒュンケルも、仲間になったことに賛否のあったキャラです。魔王軍の不死騎団の軍団長を務めていたヒュンケルですが、改心してアバンの使徒として正義のために主人公・ダイの仲間として戦うこととなります。
かつて、ヒュンケルは魔物である育ての親・バルトスをアバンが殺したと思い込んでおり、師匠のアバンを恨んでいました。しかし、のちにそれは誤解であることが明らかになります。そして、魔王軍を離脱してからは、ダイをはじめとするアバンの使徒たちの頼もしい兄貴分のような立ち位置となりました。
ただ、軍団長時代はパプニカ王国を滅ぼすなど、恐ろしい行為も行っていたヒュンケルが仲間になったことに対し、一部では「ヒュンケル、平和になった後色々落ち着いてからしっかり罪を償ってほしい」「ヒュンケルはレオナの父親の仇ですよね? あんなにあっさり許せるもんですか?」など懐疑的な声がありました。ただもちろん、「悪に堕ちたのも親への愛が重いゆえだから」「魔王軍の方の師匠のミストバーンとの決着も熱かったし、やっぱあの設定だから盛り上がった」と、ヒュンケルを擁護する声も出ています。
今回紹介したように「敵が改心して仲間になる」「悪が許される」というのは、マンガの王道展開ですが、賛否が分かれることがあるのも事実です。敵役時代に特に悪いことをしていないと、それはそれでインパクトがありませんし、マンガを読んだ全員を納得させる「改心キャラ」が登場するのは難しいのかもしれません。
(LUIS FIELD)
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