「今のはもしや？」 アニメ『北斗の拳』で登場した（？）意外なキャラや芸能人

■意外な「ネコキャラ」が登場？

　2023年で40周年を迎える『北斗の拳』は、1983年に「週刊少年ジャンプ」（集英社）で連載がスタートした人気マンガです。主人公ケンシロウが繰り出す「北斗神拳」は読者の心をつかみ、翌年の1984年にTVアニメ化されると、人気に拍車がかかりました。実は、そんな本作のアニメでは、他作品のアニメキャラやあの芸能人に見える人物の登場シーンがいくつかあります。

　例えば、1982年から1983年まで第1作が放映された魔法少女アニメ『魔法のプリンセス ミンキーモモ』の主人公、ミンキーモモのような少女が登場していました。『ミンキーモモ』は魔法の国・フェナリナーサのプリンセスのミンキーモモが、その時のエピソードに応じて、魔法で大人に成長し、人びとが失った夢と希望を叶えていくストーリーで、彼女はピンクの髪が特徴的なキャラです。

　アニメ『北斗の拳』第38話「蘭山紅拳！時代は悲しい女を生んだ！！」では、そんなミンキーモモのようなキャラが登場します。ケンシロウが南斗水鳥拳のレイとマミヤとともに、北斗4兄弟のひとり・トキが閉じ込められているカサンドラに向かっているときのことでした。

　荒野を歩く一行が、途中で道端に座り込んでいる男性と少女に出会います。後ろ姿で登場した少女の髪はミンキーモモと似た特徴的なピンク色で、赤いミニスカートまで彼女と出で立ちがそっくりです。

「まさか、あのミンキーモモ？」と当時、リアルタイムで視聴していた子供たちのテンションは一気に高まったことでしょう。しかし、次のシーンで少女の顔が映ると、別人でした。TVの前で肩すかしを食らった人も多かったに違いありませんが、ネット上ではこの時の「もしかして」という期待感を覚えている人も多いようです。

　その他にも、第46話「地獄からの呼び声！レイお前は死兆星を見たか！！」では、キャラクターグッズ『タマ&フレンズ　うちのタマ知りませんか？』の、タマと思わしきキャラが登場しています。「タマ&フレンズ」の猫たちは、1983年にブームになった文具雑貨のなかのオリジナルキャラとしてデビューして人気となり、後にアニメ化もされました。タマは頭と肩、尻尾にまだら模様があるブチ猫キャラです。

　この回でタマは、ケンシロウとトキ、マミヤが北斗4兄弟の長兄・ラオウの後を追っている道中、休憩をしようと立ち寄った建物のなかで登場します。そこではテーブルを囲む怪しげな3人の男たちが不気味な笑みを浮かべてマミヤたちを見ているのですが、よくよく見ると、スキンヘッドで眼鏡の男がタマのようなぬいぐるみを抱きかかえているのです。

　そっくりとはいえ、それがタマなのか真相は定かではありませんが、もしかしたらこの男も、核戦争前はブームに乗ってタマのグッズを集めていたのかもしれません。

　そして、アニメ『北斗の拳』では他作品のキャラだけではなく、芸能人らしき人物も登場しています。なんと、ヘヴィメタルバンド「聖飢魔II」のヴォーカルを務めるデーモン小暮（現在の名前はデーモン閣下）さんがモデルと思わしきキャラが登場しているのです。

　白と青のメイクをしたデーモン小暮さんがモデルのように見えるキャラが登場するシーンは、第88話「五車星ケンシロウに接近！フドウお前は何者！！」でした。

　ケンシロウとバット、リン、そして南斗五車星のフドウは、ある街でニワトリ商の男性と出会います。ひょんなことからバットたちと仲良くなったニワトリ商は、貴重な生卵を分けて街を去るのでした。しかし、ニワトリ商は、道中で待ち伏せをしていた悪党たちの襲撃にあいます。

　そして悪党たちはニワトリ商を殺してニワトリを強奪し、丸焼きにして食べてしまいました。悪行の限りを尽くす悪党を束ねるリーダーは、なんとデーモン小暮さんのようなキャラで、さらに部下から「コグレ様」と呼ばれていたのです。

　ただ、本人そっくりなメイクをしているとはいえ、ツンツンした髪型ではありませんでした。『北斗の拳』の舞台が「世紀末」ということもあり、「聖飢魔II」のデーモン小暮さんに似ているキャラが登場したのかもしれません。

（LUIS FIELD）