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「ポケモン」を生んだ? 『ウルトラセブン』カプセル怪獣のたまらない可愛さ

マグミクス / 2023年9月30日 6時10分

「ポケモン」を生んだ? 『ウルトラセブン』カプセル怪獣のたまらない可愛さ

■自分も1体欲しくなるかわいさ

 世界規模で人気のゲームシリーズ『ポケットモンスター』を愛する人たちにとっては、ぜひとも知っておきたい子たちがいます。それが、ウインダム、アギラ、ミクラス、そうポケモンに勝るとも劣らない「かわいらしさ」を持つ『ウルトラセブン』の「カプセル怪獣」たちです。

 彼らがいなければ、地球上に「ポケモン」は存在していなかったかもしれないのです。その理由も含め、カプセル怪獣たちの魅力を改めて振り返ります。

 カプセル怪獣はその名前の通り、普段は小さなカプセルに入っている使役怪獣のことで、『セブン』の主人公モロボシ・ダンの代わりになって戦ってくれる頼もしい存在です。

 最初に登場したのが「ウインダム」でした。甲冑風のメタリックボディに、ニワトリを思わせる頭部を持っています。デザイン担当の成田亨氏の「らしさ」が大いに発揮された不思議な風貌です。

 ピカチュウのように、一見して「かわいい」とは言い難い見た目はしていません。第1話「姿なき挑戦者」ではそこそこ善戦するも、次回登場時の第24話「北へ還れ!」では宇宙人に頭脳を操られてあろうことかセブンを攻撃します。このとき、セブンに攻撃をかわされて露骨に悔しがったり、同じところをぐるぐると深い轍ができるまで周り続けて倒れたりと、「ドジっ子」描写が続きました。

 無機質なデザインだからこそ、かえって愛嬌が浮かび上がってきます。ウインダムは今も製作陣に愛されており、2020年放送の『ウルトラマンZ』では防衛部隊ストレイジのロボットとして登場するのです。

 ミクラスは第3話「湖のひみつ」で活躍しました。「ミクラス、頼むぞ」と、ダンがカプセルに話しかけてから投げる流れは、「ポケモン」の予想をすでに含んでいます。さて、エレキングを前に出現したミクラスは、これがまた何とも珍妙な風貌でした。デザインは同じく成田亨氏で、横から見たフォルムは「フライドチキン感」が漂い、大きな目と口、そして彩色豊かな角が特徴です。インカ帝国の面がモチーフとされており、その異形ぶりはなるほど人智を超えた造形美といえます。

 そんな独特のデザインのミクラスですが、いざ動くとかわいいのです。ずんぐりとした体を大きく揺らしながらエレキングへと立ち向かっていく姿は健気で、相手の長い尻尾を懸命に「いやいや」しながら解こうとする姿は幼児のようでした。最終的にその尻尾による電気ショックで、倒れてしまいます。そこですかさず、ダンが「ミクラス、戻れ!」と叫ぶシーンは、ほぼ「ポケモン」でした。

 そして「アギラ」です。上述の2体はその挙動でかわいさが伝わってくる怪獣でしたが、第32話「散歩する惑星」で初登場したアギラちゃんは、一目でかわいいトリケラトプス似のカプセル怪獣でした。なおデザインは、池谷仙克氏が担当しています。

 ウインダム、ミクラスと比較すると知能は高く、32話の対リッガー戦では「スピード戦法」を仕掛けます。いかにも戦いの「いろは」を知っている戦闘ぶりでしたが、最終的には相手の尻尾攻撃にダウンしてしまいました。

 次の登板は第46話「ダン対セブンの決闘」です。セブンそっくりの「にせウルトラセブン」と戦うのですが、高い知能が災いしてか、主人がなぜ自分を攻撃してくるのか分からない、そんな困惑がありありと伝わってきてもう見ていられません。一方で、相手が見えなくなると頬杖をつくなど、人間らしい所作でも魅了してくれました。

 そんな愛らしいカプセル怪獣たちは、『セブン』を観ていた子供たちに大きな衝撃を与えました。そして、その子供のひとりであったゲームクリエイターの田尻智さんは、『ポケットモンスター』というゲームを産み出す際に、カプセル怪獣たちの影響を受けたことをさまざまな書籍で語っています。かわいくてワクワクする「カプセル怪獣」の精神は、今や世界中に広がっているのです。

(片野)

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