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50周年のアニメ版『エースをねらえ!』の最終回 宗方コーチの名言なしで完結?

マグミクス / 2023年10月5日 19時10分

50周年のアニメ版『エースをねらえ!』の最終回 宗方コーチの名言なしで完結?

■ひろみ、お蝶、宗方、藤堂 それぞれの思いが交錯する最終回

 1973年10月5日からTVアニメの放送が始まった不朽の名作『エースをねらえ!』は、2023年の本日でアニメ初回放送日からなんと50周年を迎えます。この第1期のアニメ『エースをねらえ!』は、原作よりも先に終わってしまいましたが、その最終回はどんなものだったか、覚えていますか?

 超高校級プレイヤー、竜崎麗香(=お蝶夫人)に憧れてテニス部に入部した岡ひろみは、テニスを楽しむ日々を送っていました。しかし、新任の宗方仁コーチがひろみを大会の代表選手に抜擢したせいで、先輩たちからのひどいバッシングを受け、お蝶夫人からも厳しい選択を迫られます。思い悩むひろみでしたが、「テニスが好き」という思いに突き動かされ、宗方コーチの厳しい特訓に耐えて実力をつけ、ついには国内でもトップクラスの選手に成長するのです。

『エースをねらえ!』の最終回といえば、原作の宗方コーチのあの名言「岡、エースをねらえ!」で涙腺崩壊した方も多いと思いますが、それは第1期のアニメでは描かれませんでした。実は第1期の放送では視聴率が低迷し、原作の中盤までを描いて打ち切られたのです。そんな大人の事情がからんだ最終話がどんなものだったのか振り返ってみましょう。

●「補欠」で参加した合宿での決意

 1期は全26回で、エピソード23から26の最終回までは、南関東4県の合同合宿が舞台です。この合宿でチーフコーチを務める宗方コーチは、強引に例外を認めさせ、ひろみを「補欠」として合宿に参加させました。
 宗方から「石にかじりついても」全国選抜チームの推薦枠(男女16人中10名)に残れと激励され、ひろみ自身もなんとしてもその枠に入りたいと強く思います。しかしその一方で、お蝶夫人や加賀のお蘭などの強豪たちを前に、どうすれば彼女たちに追いつき、肩を並べられるのかと不安も募らせるのでした。宗方もまた、「これからがお前と俺の試練だ」と、決意を新たにします。

●未来の目標と立ちはだかる試練

 向上心に燃えるものの、焦りと不安で心が千々に乱れたひろみは、宗方に「わたしに、わたしのテニスを教えてください!」「わたし、誰にも負けたくない」と思いをぶつけます。その言葉を聞いた宗方は、「やっと言ったな。おまえのほうからそう言ってくるのを俺はもう1年も待ち続けていたんだ」とほほ笑むのでした。

 そして、ひろみに「あれにあこがれないか?」と、西高テニス部男子副キャプテンの藤堂貴之のプレイを見せたのです。藤堂のプレイは男子だからできるものであり、女子には無理だと言うひろみに、宗方は「できたらどうする?」と問います。

 当時、女子のテニスは「ビューティフルテニス」から、男性的な「パワーテニス」への転換の時期にあり、宗方はひろみに世界に通用するパワーテニスを教えようとしていたのです。そんな宗方の思いを知り、「自分のテニス」のためにきびしい特訓にも耐え、大きな一歩を踏み出そうとしたひろみでしたが……。

 この後、大きな試練が彼女を襲います。

■恋との決別と自分の道

●絶叫! 苦悩の末に選んだテニス

原作連載・アニメ放送開始50周年を記念して、9月29日より、月1ペースで刊行される『新・エースをねらえ! COMPLETE DVD BOOK』(ぴあ株式会社)全3巻。(C)山本鈴美香/集英社・TMS

 ひろみに起こった大きな試練とは、藤堂との恋です。好意を抱いていた藤堂から「ぼくはきみが好きだ」と告白されたひろみは舞い上がってしまい、練習試合でも集中力やいつもの必死さが見られませんでした。

 全国3位になったこともある相手に勝ったものの、ひろみの変化に気づいた宗方からは、「俺はお前が勝ったとは認めん!」「自分の力でエースも取れずに、相手の自滅で勝てた試合。そんな試合をどうして勝てたと言えるんだ、岡!」と厳しく叱られます。さらに、「コートのなか、テニス以外でお前を燃やそうとするものがあれば俺が取り除く。たとえそれが恋であろうとな」と、ひろみに迫るのです。

 そして、苦悩の末、恋をあきらめ、テニスを選んだひろみに、「この宗方仁という男のすべてをこの俺のすべての血を岡、お前のテニスのために流しつくしてやる」と、特訓を続けるのでした。

 翌日の練習では、お蝶夫人と加賀のお蘭の超高校級選手同士の対決、そして、ひろみと男子選手との練習試合が組まれます。お蝶夫人とお蘭の戦いを見て、「私もこのふたりに負けない自分のテニスをやる。たとえ相手が男子でも」と決意するひろみでしたが、男子選手相手には力もスピードもかなわず、何度もコートに倒れこむことになりました。

 しかし、それでもひろみは「もう私にはテニスしかないんだ。負けるものか!」と、けっしてあきらめずに食らいついていきます。そんなひろみに宗方も、「よくやった。負けはしたが、いつかは勝てるという可能性をお前は見せてくれた」「もう少しだ。頑張れよ、岡」と、ほほ笑みを見せるのでした。

●お蝶夫人との4時間に及ぶ死闘のすえに……

 確実に力をつけてきたひろみでしたが、最終26話「ひろみ対お蝶!最後の対決」での第2次メンバー選考会議では、彼女を入れることを主張する宗方とまだ力不足だと言う他のコーチたちで意見が対立しました。そこで、ひろみがお蝶夫人と試合をし、勝つことができればメンバーに残すことになります。

 お蝶夫人に憧れて、テニスを始めたひろみですが、先に進むには、その憧れの人を倒さなくてはいけない……。鬼気迫るふたりの試合を他の選手たちやコーチたちは、かたずをのんで見守りました。試合は4時間以上におよび、ひろみは血を流す手にラケットをくくりつけ、お蝶夫人はけいれんを起こしたふくらはぎをかばいながら、最終セットに挑みます。

 そしてついに、その瞬間が来ました。ひろみの渾身の一撃がお蝶夫人の足元を抜け、ひろみの勝利が決まったのです。「私にとって初めての今のこの一敗は、今までの連勝記録以上に誇り高い一敗だわ」と、お蝶夫人はひろみを称え、手を取り合うふたりに、ほかの選手たちが駆け寄ります。こうしてひろみは、正式に第2次メンバーに残ることになったのです。

 合宿の帰りの電車内で、藤堂は初めて全国優勝した時のペンダントをひろみに渡しました。そして、「ぼくは君が続ける限り、テニスはやめない」と言い、ひろみも「はい。私も藤堂さんが続ける限り」と答え、恋は諦めることになりましたが、テニスを通じた絆はより強くなったことを感じさせます。

 そんなふたりの姿に宗方は微笑みを浮かべ、目を閉じるのでした。そして、エンディングテーマ「白いテニスコート」の流れる中、彼らを乗せた電車のカットで終わります。

 これが、アニメ『エースをねらえ!』(第1期)の最終回です。あの宗方仁の有名なセリフ「岡!エースをねらえ!」まで映像化されたのは『新・エースをねらえ!』(1978年10月14日~)で、第1期が再放送で高視聴率をマークしたことでリメイク放送されました。ちなみに、「コートでは だれでもひとり ひとりきり♪」という有名なオープニングテーマ「エースをねらえ!」(歌・大杉久美子)は、第1期のものです。

(山田晃子)

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