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「何やってんだ?」初期『キン肉マン』の格闘とは程遠いトンデモ超人バトルの数々

マグミクス / 2023年10月9日 19時10分

「何やってんだ?」初期『キン肉マン』の格闘とは程遠いトンデモ超人バトルの数々

■今のファンには違和感かも…?

 1979年に集英社「週刊少年ジャンプ」で連載が開始されたマンガ『キン肉マン』は、超人と呼ばれる屈強な肉体を持つ者同士によるリング上でのプロレス系格闘バトルを中心に描かれる作品です。2024年からは、新作アニメ「完璧超人始祖編」が放送されるとの発表に、期待するファンの声が上がっています。

 一方で、連載初期のマンガ『キン肉マン』では、最近の内容しか知らないファンからすると、思わず「何やってんだ?」と言いたくなるような、いわゆる「トンデモバトル」も描かれていました。

 まずは、作中で描かれた最初の超人オリンピックである「第20回 超人オリンピック」の予選から、3つのトンデモバトルを見ていきましょう。

「各国を代表する超人が集まって最強の座を競う」という趣旨で開かれる大会の第一次予選は、なんとジャンケンでした。不満を露わにする超人たちに対して、キン肉マンの父、真弓から「スーパーヒーローは運も必要」との説得がなされます。実際、ロビンマスクやテリーマンといった優勝候補と目されている超人は見事に勝ち抜いており、理にかなっているといえるのかもしれません。

 第一次予選を突破した超人は、第二次予選でウェイトリフティングに挑みます。ただし、超人たちはバーベルの代わりに怪獣を持ち上げるというものです。そこへ、大会を邪魔しようとするキン骨マンの妨害も入り、スペシャルマンなどの有力な超人が敗退していきました。なお、競技に怪獣が用いられた理由はよくわかりません。

 その後、行われた最終予選は月への往復マラソンです。出発した次のページには月面に到着する超人がいる一方、飛行が苦手な超人にはジェット噴射機が貸し出されるなど、そもそも競技として成立しているのかは不明です。また、大会の趣旨であるはずの、リング上でのバトルに飛行速度がどれくらい関連するのか、一抹の疑問が残ります。

 ちなみに超人の飛行速度については、1998年に集英社ジャンプコミックスセレクションから発売された『キン肉マン77の謎』(ホーム社)にて、マッハ300以上と推定されています。超人の能力には驚かされますね。

■あの有名超人がトンデモバトルの犠牲に…

キン肉マンが前回王者として臨む「第21回超人オリンピック」編収録の『キン肉マン一挙見Blu-ray V2への道! ザ・ビッグファイト編』 (C)ゆでたまご・東映アニメーション

 続いて、作中で描かれた2回目の超人オリンピックである、「第21回 超人オリンピック ザ・ビッグファイト」の予選の様子です。こちらでも、なかなかのトンデモバトルが見られました。

 最初に行われたのが「恐怖の超人ふるいおとし」です。巨大なふるいには特殊な機能があり、やせすぎや太りすぎの超人が乗るとネットが伸縮して下に落ちるようになっています。「横になったり、つかまっていられたりしないの?」などと思ってはいけません。正々堂々とふるいにかけられるのが超人、なのでしょう、きっと。

 第二次予選は、ガソリンで満たされた競技用プールを泳ぐ「恐怖の火炎地獄50メートル力泳」です。スタートから5秒するとガソリンに火がつけられ、炎に追いつかれないように泳がないといけません。泳ぐ力を試すのであれば、別にガソリンである必要は無いと思うのですが、緊張感を煽るために用いられたのでしょうか。なお、これが現実世界であるならば、火をつけようとした時点で気化したガソリンに引火し、大爆発を起こす恐れがあります。炎に追いつかれるどころの騒ぎではありませんね。

 その次の第三次予選では、東京駅に止まる新幹線を押し出してどこの駅まで走らせられるかを競う「新幹線アタック」が行われました。最初にチャレンジしたタイルマンは、新幹線を博多駅まで走らせます。一方で、人気超人のひとりであるテリーマンは、新幹線を押し出した後、線路にいる子犬に気づき、自らの手で新幹線を停止させます。一度、手から離れた新幹線に触ると失格になるため、テリーマンは予選で姿を消しました。

 テリーマンの優しさを表したエピソードではありますが、このような競技でテリーマンのバトルが見られなかったのは残念でなりません。

 続く最終予選は、ローラースケートを履いて50kmを走破するルール無用のレース、つまり選手同士のバトルありという内容でした。それまでの予選に比べ真っ当な内容に見える気もしますが、トンデモの類には違いないでしょう。

 マンガ『キン肉マン』において2回の「超人オリンピック」が描かれた時期というのは、ギャグマンガからスタートした同作が、格闘バトルマンガへとシフトしていく過渡期にあったと見ることができるでしょう。これらギャグ色の強いバトルは、作者であるゆでたまご先生の模索の跡とも映るのではないでしょうか。その結果として、今の洗練されたプロレス系格闘バトルがあるのでしょう。2024年から始まる新作アニメで見られる最新のバトルが楽しみですね。

(LUIS FIELD)

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