【漫画】一時はケンカばかりだった父から「スタバ連れてって」 父娘の関係性を見つめなおすきっかけに【作者インタビュー】

■ふたりの現在の距離感に「素敵」

　ずっと単身赴任をしていた父。かつては親子の関係がギクシャクして言い争うこともありましたが、いまでは定年を迎えた父と娘の距離は、穏やかに縮まりつつありました。あるとき父が、「スタバ（スターバックス コーヒー）に行ってみたい」と言い出し……。

　定年を迎えた父との関係を描いたマンガ「父とスタバ」は、Instagramで投稿されてから3800以上のいいねを集めて話題に。読者からは、「ほっこりしました」「素敵な話をありがとう」など、たくさんの声があがりました。

　このマンガを描いたのは、ブロガーのみくるべさんです。Instagramやブログ「みくるべブログ」でマンガを発表しています。

　長年、お父様との関係に気まずさを感じていたというみくるべさん。小さい頃から絵やマンガが好きで、小学生のときにはコピー用紙にマンガを描いていたそうです。今回のマンガのエピソードは、「再び一緒に暮らし始めてから4年以上が経過し、自然と父の話を描いてみよう、と思った」ことが投稿のきっかけでした。

　作者のみくるべさんに、お話を聞きました。

ーーこのマンガ作品は多くの方に読まれましたが、反響はいかがでしたか？

　記事の掲載後、Instagramにたくさんのコメントが届きました。皆さんのご家族の話をして下さったり、「家族関係を見つめ直すきっかけになった」とおっしゃって下さった方もいたり。とてもうれしかったです。

ーー現在も、お父様とふたりでスタバやカフェに行くことはよくありますか？

　何度かモーニングへ行きました。また、最近はお互いサウナが好きなので、施設まで一緒に行き、「じゃあ2時間後ね」とそれぞれ楽しんでいます。サウナのあとは、一緒にご飯を食べることも。本当にたまにですが（笑）。

ーーその後、お父様の「こういうところが変わってきたな」と感じたエピソードはありますか？

　お互いがお互いを干渉しなくなった気がします。「それぞれの考え方で、それぞれの人生を生きる」と思えるようになったのかもしれません。

ーーお父様には、今後どのような親孝行をしていきたいですか？

　比較的自由に生活させてもらっているので、父に「少しでも安心してほしい」という思いがあります。フリーランスとして仕事の幅を広げ、私自身が元気に過ごす姿を見せることで、親孝行につながればいいですね。また、父はマンガに登場するのがうれしいみたいなので、今後は父の話も描いていこうと思います。本人には見せませんが（笑）。

ーーこの作品は約1年前の投稿ですが、その後みくるべさんの創作活動や取り上げるテーマに変化はありましたか？

　この話をきっかけに、家族に関するエピソードがマンガ制作の軸のひとつになりました。マンガを描くことで、「自分にとっての当たり前が当たり前ではない」ということを再確認できたり、コメント欄を通して皆さんのご家族のお話を聞けたりする良い機会になっています。
　また、「自分らしい暮らしとは何か」について、改めて前向きに考えられるようにもなりました。

ーー今後、新たに取り組みたい創作活動や、創作以外の活動はありますか？

　これからも赤裸々に発信していき、その結果、共感して下さった皆さんの人生を少しでも豊かにできたらいいなと考えています。また、私と同じ考えを持つたくさんの方に出会いたいです。皆さんのお話を聞くことも好きなので、今後はInstagramでライブ配信を行うなどもして、交流の場を広げていきたいと思っています。

（マグミクス編集部）