1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

「ウルトラマンが街を壊す」都市伝説を生んだ? 『アイアンキング』の25話

マグミクス / 2023年10月7日 7時10分

「ウルトラマンが街を壊す」都市伝説を生んだ? 『アイアンキング』の25話

■一部地域の人だけの間で生まれた都市伝説

『アイアンキング』は、異色の設定で今でもカルト的人気がある特撮番組です。しかし、今ではすっかり「怪獣に操られたウルトラマンが町を壊す最終回」という都市伝説の正体、としての方が有名になってしまいました。実はその最終回も、ドラマの内容にふさわしいハッピーエンドだったのです。

『アイアンキング』は1972年に宣弘社によって製作されました。シリアスな内容のため視聴率で苦戦した、『シルバー仮面』の反省を活かした明るい冒険活劇です。類いまれなる戦闘能力を持つ石橋正次さん演じる静弦太郎と、相棒の浜田光夫さん演じる霧島五郎が、弥次喜多道中のように軽妙なかけあいをしながら、行く先々で襲ってくる悪を蹴散らしていきます。他の特撮番組とひと味違うのは、アイアンキングに変身するのが主人公の弦太郎ではなく、三枚目キャラの五郎という点でした。

 アイアンキングには敵をひとりで倒せるほどの力がありません。弦太郎が剣にも鞭にもなるアイアンベルトを使って、トドメをさします。あくまでもアイアンキングは、「弦太郎のサポート役」という位置づけでした。五郎は常に戦いとなると姿を消しており、弦太郎はアイアンキングの正体が五郎だとは夢にも思わなかったのです。

 終盤になると正体不明の放浪者だった弦太郎と五郎が、実は国家警備機構という組織のエージェントだった事が判明します。ふたりが最後に戦ったのは、宇宙から来た侵略者・タイタニアンでした。タイタニアンは目を見た相手を催眠状態に操るボディジャックを行い、弦太郎たちを翻弄します。子供たちや国家警備機構の一員でふたりの監視役藤森典子(右京千晶)も、ボディジャックの犠牲になっていました。

 そして、第25話「アイアンキング大ピンチ!」では、ついに五郎も魔の手にかかります。ボディジャックされたアイアンキングはタイタニアンに操られ、街を破壊したまま終了しました。

 続く26話でその件は解決するのですが、1985年から86年にかけてのテレビ埼玉での再放送では、なぜか最終回が放送されないまま25話で放送が終了し、次の『星雲仮面マシンマン』に番組が移行しています。解決編が見られないまま終わったこと、さらにアイアンキングの見た目がウルトラマンに似ていたことで、埼玉の地域から上記の都市伝説が生まれたようです。

 そして、最終回26話「東京大戦争」では、アイアンキングはエネルギーである水が切れて元の五郎に戻ります。国家警備機構の津島博士(演:伊豆肇)は、2万ボルトの電流を五郎の身体に流します。

 五郎をアイアンキングに改造したのは津島博士で、弦太郎もやっとアイアンキングの正体が五郎だと気がつきました。復活したアイアンキングはさらにパワーアップしてタイタニアンを粉砕し、ようやく地球に平和が訪れたのです。

 戦いは無事終わりましたが、今度は私生活に波乱がありました。今まで監視役としてツンツンしていた典子が弦太郎と五郎の魅力に気がついて、急にデレデレするようになり、ふたりを未来の夫候補として追いかけ回します。

 追いかける典子から逃げる弦太郎と五郎の姿で、エンドマークが流れます。このように『アイアンキング』本編自体はダークさとは無縁の凸凹珍道中ドラマだったのです。最終回放送なしによって生まれた都市伝説さえなければ、もっと気軽に見られる特撮作品として、見直されていたかもしれません。

(LUIS FIELD)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください