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社会現象化『ビックリマン』渦中にあった少年は…? かつての熱狂的ブームを振り返る

マグミクス / 2023年10月11日 6時10分

社会現象化『ビックリマン』渦中にあった少年は…? かつての熱狂的ブームを振り返る

■社会問題になるほど子ども心を鷲掴み!

 約40年前、ロッテのお菓子「ビックリマン」に封入されていたおまけ「悪魔VS天使シール」は、天使、悪魔、お守り、ヘッドのいずれかのシールで、これが子どもたちを熱狂させました。果たしてどういったものだったのか、その「ビックリマン」の思い出を振り返ります。

ウエハースを捨てる輩が社会問題に

 小銭を握りしめ、コンビニや駄菓子屋でひとつ30円の「ビックリマン」を購入し、封入されたシールに一喜一憂した少年時代、私こと筆者はシールをコレクションしつつ、美味しいウエハースチョコをおやつとして食べるという、真っ当な向き合い方をしていました。

 ところが不届き物はいるもので、シールだけを抜き取り、ウエハースを食べずに捨ててしまう輩が現れはじめます。小学館のマンガ誌「月刊コロコロコミック」やニュース番組などでそのことが取り上げられ、「きちんと食べろ」と注意喚起がなされるほど社会問題になりました。

 しかし当時、自分の周りにそんな子どもはいなかったし、シールを集めていない子からはウエハースチョコを「くれ」というリクエストもあったぐらい、お菓子そのものも人気だったため、子どもながらに「ははーん、親や敵対するメーカーがビックリマンを買わせないためのでっち上げニュースだな」と疑っていたものです。

『ビックリマン』の正しい遊び方は眺めること?

 子どもは遊び方が謎なアイテムでも嬉々として集めてしまうもので、私自身でいえば「キン消し(キン肉マン消しゴム)」「匂い玉」「SDガンダム消しゴム(ガン消し)」、アマダの「SDガンダムカード」などの遍歴があります。そして「ビックリマン」は、キン消しの次にやってきた「遊び方が謎コレクション」です。

 のちに調べてわかった正規の遊び方は、悪魔シールにお守りシールを貼り、さらにその上に天使シールを貼るというよくわからないルールでした。しかしそんなもったいないことをする子どもはひとりもおらず、もっぱら友達と交換したり、ヘッドという希少価値の高いキラキラシールが当たった日には、数分おきに保管していたクッキー缶から取り出しうっとり眺めてはしまい、取り出しては眺めを繰り返したりするのが、自分の「正しい」遊び方でした。

 それくらい少年たちを熱狂させる「ビックリマン」ですが、この呪いにかからない子どもも少なからずいて、気まぐれで購入するものの興味がないため「シールは貼るもの」という当たり前のような反射でタンスに貼ったり筆箱に無造作に貼ったりする子どもも現れました。自分の持っていないシールがそのように粗末に扱われているのを見ると、怒りにも似た気持ちが沸き上がりました。

■フィーバーの終焉は「ヘッド」の飽和?

「クロスエンジェル」の姿が少年のハートを熱くした竹村よしひこ先生のマンガ『ビックリマン』第1巻(小学館てんとう虫コミックス)

心が折れた『ビックリマンアイス』

『ビックリマン』の「悪魔VS天使シール」は第1弾、第2弾などシーズンがあり、だいたい1シーズン36枚、それとは別にヘッドが数種類で構成されていました。出現率は体感で「悪魔>お守り>天使>>>ヘッド」で、圧倒的にヘッドは出にくく、引けた時は嬉しかったものです。

 私は第6弾から集め始め、過去のシールは手に入らない状態で、悔しさもありましたがそれ以降を地道にコレクションしていきました。

 そのうち世間の『ビックリマン』熱が高くなっていき、アニメ化、ゲーム化で子供たちの心に薪をくべられ、青天井で高熱を上げていきます。そうしたなか発売された「ビックリマン」を冠するアイスやスナックは、そのおまけがなんと、手に入らないはずの過去シリーズのシールだったのです。

 待っていました大願成就と、ちょろい子供だった私はそのアイスを早速、買います。封を開けると、中にフィルムのパッケージに入ったおまけシールがありました。そのフィルムにはギザギザがついていて、それに沿って切れば中のシールが取り出せるのですが、興奮して考えなしに切ってしまった私は、フィルムと一緒にシールもちぎってしまいます。自分に慎重さがなかったことは棚に上げ、「開封自体がギャンブルならもう買わない」と、すっかり心を折ってしまいました。この出来事と、アイスはたくさん食べられないということもあって、私は過去のシール収集を諦めてしまいます。この時期くらいから自身の「ビックリマン」熱に陰りが見え始めました。

唐突に訪れた「もういいや感」で、「ビックリマン」フィーバー終焉

 過去シリーズの収集を諦めていたとき、「月刊コロコロコミック」で夢のような懸賞が行われました。それは過去の第5弾まで、ヘッドも含めた全シールを収めたファイルが当たるというもので、私はこれを晴れて手に入れました。突然、公式からのカンフル剤注入でコレクション欲が高まる……と思いきや、説明できない違和感を覚え始めます。

 そして自分のなかでの終焉は唐突に訪れました。第13弾あたりでヘッドの種類が増え、やがて体感的に当たりやすくもなりました。かつてはやっと当たったヘッドに感激し、嬉しさで混乱してそわそわしたり声が出たりしたものなのに、ヘッドがバシバシ当たるようになると感動が削がれていったのです。また上述のファイル獲得で一定の達成感を得てしまったため「もういいや感」が心を満たし、そして私は「ビックリマン」から卒業してしまいました。

 そのように、思いがけず自分のなかでブームが終わってしまったものの、それでも「ブラックゼウス」のホログラムの美しさ、「ヘラクライスト」の赤が当たらなかった悔しさ、勇ましい「ヘッドロココ」が当たった時の鳥肌、いずれも鮮明に憶えています。友だちとの交流にも大事なアイテム、それが私にとっての「ビックリマン」シールでした。

(南城与右衛門)

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