『機動戦士ガンダム』 ロマン兵器「ファンネル」を華麗に回避した超絶パイロットたち
マグミクス / 2023年10月19日 6時10分
■ロマン兵器「ファンネル」を華麗に回避した超絶技量のパイロットたち
『機動戦士ガンダム』シリーズに登場する兵器に「ファンネル」というものがあります。一部の者にしか扱えない、脳波によって制御される無線の兵器です。一般兵に回避は難しく、敵機を次々と撃墜していくロマンあふれる武器ですが、これをさらりと避けるのが、ニュータイプなど超絶技量のパイロットです。そんな無敵感あふれる兵器「ファンネル」をも華麗に回避したパイロットを見ていきましょう。
●『Zガンダム』 ハマーンと対峙したシロッコとクワトロ
『機動戦士Zガンダム』においてのファンネル回避シーンは、ハマーンのキュベレイと対峙した、シロッコとクワトロが印象深いです。
まず、シロッコ(搭乗機:ジ・O。以下同様)の神回避は、レコア(パラスアテネ)、サラ(ボリノークサマーン)でハマーンを取り囲んだシーンです。この際、ハマーンはファンネルで、レコアとサラに攻撃を加え早々に無力化します。しかも被弾したふたりは射線も確認できなかったと動揺しました。
この初見であろうファンネルに、次に狙われたのはシロッコです。さすがなもので超反応し、次々と神回避します。集中射撃で多少、被弾したような描写はあるものの、すぐに立て直し、ビームライフルでファンネルを撃ち落としさえしました。
そして、エゥーゴ、ティターンズ、アクシズの最終決戦が行われたグリプス2の宙域では、クワトロ(百式)が華麗に回避します。クワトロの百式は片足、片腕を斬り落とされたうえ、ビームライフルがエネルギー切れという状況でハマーンと接敵。ファンネルが放出され、万事休すに見えましたが、手負いの百式は見事にビームを避けキュベレイに接触しました。
一方、最高のニュータイプ能力があるといわれるカミーユは、意外にもファンネルを回避するというよりも盾で被弾を防ぐのに精いっぱいというシーンが数度あったにとどまっています。
●『ガンダムZZ』 狂回避? 強化されすぎたマシュマー・セロ
『機動戦士ガンダムZZ』では、ファンネルの攻防が多くみられるようになりました。たとえば主人公のジュドーは、ZガンダムおよびZZガンダムで、プルやプルツーのキュべレイMk-IIと対決し被弾しつつも、回避しています。また、ハマーンとの最終決戦では、羽交い絞めにされ正面からのファンネル攻撃を浴びるかという瞬間、ZZを分離しコアファイターで回避するというアイディアを見せました。
そのようななか、狂気じみた神回避を見せたのが、強化人間となったマシュマー・セロ(ザクIII改)です。セロはプルツー(クインマンサ)の怒涛のファンネル攻撃を無傷で回避したうえ、ビームサーベルで次々と撃墜します。そして吶喊(とっかん)したセロはプルツーのクインマンサにビームサーベルで一太刀浴びせ撃退するという、まさに鬼神のような活躍でありました。
■ファンネルを神回避したのはニュータイプや強化人間だけじゃない!?
『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のアムロは、戦闘のすべてにおいて神がかっている 「『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』 νガンダム」 1/144スケール(BANDAI SPIRITS)
●『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』 次々現れるファンネル搭載機を完封するアムロ
『逆襲のシャア』の物語冒頭、ロンドベルのアムロ(リ・ガズィ)は、ネオ・ジオンのシャア(サザビー)、ギュネイ(ヤクトドーガ)と接敵します。アムロは、ファンネル持ちで性能的に格上であるモビルスーツ2機をまったく寄せ付けないどころか、押しまくります。シャアが本気ではなかったとはいえ、アムロは2機のファンネルを、呼吸をするようにかわしました。
その後、νガンダムを手に入れたアムロはもはや手が付けられないほど無双していきます。クェス(α・アジール)のファンネルに対してはシールドさえ使わず、ことごとく撃墜しました。ギュネイのビームライフルによる射撃は、自身のフィン・ファンネルのビームを直撃させ相殺する天才的回避法をとります。両機からの同時ファンネル攻撃には、素早くフィン・ファンネルのビームバリアを展開し防いだのもアムロならではです。
クライマックスのアクシズ戦では、「アムロ絶対殺すマン」と化したシャアとサシで戦うことになります。ここで見せた、お互いファンネルを制御しつつ、ビームライフルを撃ち合うシーンはこの映画のみどころのひとつです。
思い返せば『機動戦士ガンダム』で、アムロはララァ(エルメス)、シャア(ゲルググ)のふたりと戦闘をしながら、当時、未知の兵器であるビット(のちにファンネルに発展する兵器)の攻撃を避け、なおかつ撃ち落とすという、キレッキレのブームを見せていました。
●ニュータイプ、強化人間だけじゃない!? ファンネルを神回避したレアケース
ここまで名前を挙げてきたパイロットたちは、主要キャラでありニュータイプや強化人間という、言ってしまえばチートキャラたちでした。しかし、なかにはこれに当てはまらないレアケースもあります。
『機動戦士ガンダムUC』で、ロンドベルのスタークジェガンら3機が、「袖付き」のマリーダ・クルス(クシャトリヤ)と接敵します。マリーダのファンネルにより2機のジェガンは早々に討ち取られますが、残った1機のスタークジェガンはバズーカやミサイルなどで距離をとりマリーダ機をけん制し続けます。再びマリーダのファンネルからの攻撃を確認すると、ミサイルポッドとバズーカ砲を捨て、全速の吶喊でファンネル攻撃を神回避しました。
このスタークジェガンのパイロットはこれまで、顔や名前が表に出てきてはいません。おそらくニュータイプでも強化人間でもない、いわゆるモブ兵と思われます。そんな一般兵がファンネルをかわすというシーンは、レアであり衝撃的なものでした。
(南城与右衛門)
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