漫画『BASTARD!!』がくれた「D&D」との出会い。友達と手探りで遊んだ日々
マグミクス / 2019年11月16日 15時40分
■呪文、おぼえていますか?
1988年に「週刊少年ジャンプ」で連載を開始したファンタジーマンガ『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』は、当時の小中学生の間で話題の人気作品となりました。元ネタとなったテーブルトークRPG「D&D」を当時から現在まで遊び続けているゲームライターの早川清一朗さんが、思い出を語ります。
* * *
カイザード アルザード キ・スク・ハンセ グロス・シルク!
灰燼と化せ 冥界の賢者 七つの鍵を持て開け地獄の門!
七鍵守護神(ハーロ・イーン)!!
この記事を書く前に、「七鍵守護神(ハーロ・イーン)」の呪文をそらで言えるか試してみました。
もちろんすらすらと出てきました。
やはり若いころに好きで覚えたことはなかなか忘れませんね。当時は友人たちと呪文を暗記して叫びあい、先に間違えた方が負けという遊びをやっていたのも、懐かしい思い出です。
さて、『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』は、1987年に「週刊少年ジャンプ」に読み切りが掲載され、翌1988年に連載が開始された当時としては珍しいファンタジー作品です。作者は萩原一至氏。
主人公のダーク・シュナイダーは400年以上を生きている伝説の魔法使いで、理不尽な強さを誇り性格は破天荒そのもの。「努力・友情・勝利」を掲げる「週刊少年ジャンプ」の主人公の概念をくつがえした強烈なキャラクターに当時の筆者は強烈な衝撃を受けました。
さらにこのダーク・シュナイダーは超が付くほどの女好き。ヒロインのティア・ノート・ヨーコには頭が上がらないものの、メタ=リカーナ王国のシーラ姫や養女にして愛人のアーシェス・ネイにその部下のシーン・ハリやカイ・ハーンの登場場面では当時の少年誌の表現を超えて攻めていたシーンも多く、中学生の筆者にとっては大変刺激が強いものでした。
登場するモンスターの数々も好奇心を刺激しました。今でこそファンタジー系モンスターはある程度知名度を得ていますが、『BASTARD!!』に登場したことにより有名になったものも複数存在すると考えています。少なくとも、筆者はミノタウロスとビホルダーを『BASTARD!!』で初めて知りました。
え? ビホルダーは登場していない?
いたんですよ、連載時には。単行本ではなぜか「鈴木土下座ェ門」に名前が変わっていましたが……。
■「D&D」楽しみ方の手本も『BASTARD!!』だった
そんなある日のこと、『BASTARD!!』の元ネタが「ダンジョンズ&ドラゴンズ(以下、D&D)」というゲームであることを知りました。しかしどんなゲームなのか、誰に聞いてもよくわからなかったのです。そこで本屋に向かった筆者は、『D&Dがよくわかる本』(著:黒田幸弘)という本を見つけ、早速購入しました。
これが世界を代表するテーブルトークRPG(以下、TRPG)である「D&D」との出会いでした。
『D&Dがよくわかる本』には、友人と集まってキャラクターを演じて一緒に冒険をし、剣と魔法を武器にモンスターと戦って宝を手に入れるという、今まで知らなかったTRPGの世界への興味を募らせる内容の文章が詰め込まれていました。
インターネットがない時代、販売店舗の情報すら入手困難な状況で、どうにか隣町のホビーショップに『D&D ベーシックセット』いわゆる「赤箱」が売っていることを知り、中学生としては破格の5000円という大金を投げ打って購入した筆者は『BASTARD!!』にハマっていた友人たちに声をかけてさっそくプレイを始めたのですが、これが想像以上に大変でした。
現在なら動画やリプレイがたくさんありますが、そんなものはない時代。友人たちと「ああしよう、こうしよう」といろんな意見や要望を出し合ったり、小説や映画を参考にしてシナリオを作ったりと、一歩一歩手探りしながら楽しみ方を模索していました。
このとき一番お手本にしたのは、やはり『BASTARD!!』でした。「雷神剣(ライトニング・ソード)」や「アイス・ファルシオン」といった作中に出てきた武器はもちろん登場させ、「氷の武器があるなら火もあるよね!」とばかりに炎の剣を出してみたり、漫画の中のシチュエーションを再現してシナリオにしたりとやりたい放題に突っ走っていました。
あれから30年以上が経ちましたが、『BASTARD!!』は現在も続いており、「D&D」は新たなルールとして第5版が展開されています。もちろん筆者はどちらもまだまだ楽しんでいくつもりです。
(早川清一朗)
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