50年前、壮絶だったTVのチャンネル争い 子供たちは意外とアニメを楽しめたワケ
マグミクス / 2023年10月24日 18時10分
■夜7時台に現在の人気ジャンルが集中していた
1970年代はネットもビデオもない時代だったので、番組視聴も一期一会でした。また放送時間も短く、ゴールデンタイムに人気番組が集中しており、特に子供番組は夜7時台のわずか1時間に集中しています。そのため、いつも兄弟や親とのチャンネル権をめぐり、熾烈(しれつ)な闘いが待っていたのです。
※今回の記事は1973年の朝日新聞の、関東地方の番組欄をもとに執筆していますのでご了承下さい。
まだ、家庭用のビデオデッキも普及していないため、番組を録画することもできません。見過ごしてしまえば、次にいつ見ることができるかは分かりませんでした。子供たちは見たい番組のため、真剣にならざるを得なかったのです。
改めてちょうど50年前の1973年のテレビ欄を見ると、例えば10月5日の関東圏では、TBSの特撮『ウルトラマンタロウ』の裏番組は、NETテレビ(現・テレビ朝日)のアニメ『エースをねらえ!』でした。当時はひとりっ子が珍しく、兄弟でチャンネル争いをすることも多く、上記のようなターゲット層が違う番組のバッティングでは、兄妹、姉弟での争いもあったでしょう。
また、同じ10月5日のNETの夜7時半からは、『愛の戦士レインボーマン』に続く川内康範さん原作の特撮『ダイヤモンド・アイ』がスタートしています。そして同時間帯、東京12チャンネルでは『ハクション大魔王』の再放送が始まっており、ここでも特撮対ギャグアニメで好みの対立が生まれていました。
もちろん、夜7時台の番組は、お子様向けのアニメや特撮だけではありませんでした。青春ドラマやクイズ、アイドルが出演するバラエティー番組、ボウリングやキックボクシングなどのスポーツ番組もあります。
特にフジテレビ系列は15分の帯番組として『クイズグランプリ』と、現在の『徹子の部屋』のようなスターが日替わり出演する『スター千一夜』が放送されていました。現在のテレビのゴールデンタイムで放送されるジャンルのほとんどが、夜7時台の1時間にひしめきあっていたのです。
そのため、年上の「特権」を発動され、ちょっと年齢が離れた兄姉がいると、チャンネルを奪われる悲劇も少なくなかったのです。当時の兄弟関係は年下に遠慮することはなく、年上尊重の傾向がある時代でした。
そして、夜8時以降の番組は時代劇、刑事ドラマ、ホームドラマなどの王道ドラマと、民放各社映画劇場があります。その上、野球シーズンになると、読売ジャイアンツの野球中継が必ず各民放局で放送されていました。
今では野球好きしか観ないであろう番組ですが、当時は野球があるとチャンネル権が父親に移る家庭も多かったようです。野球中継があると、子供たちの好きな番組が中止になるなど、見られずじまいに終わることもよくありました。
といっても、父親も試合中継を最後までゆっくり見られたワケではありません。当時は試合終了まで放送を延長しない場合もあり、終了予定時間に達するとバッサリと中継が終了することもありました。試合の行方が気になった人はラジオを付けるか、11時以降のスポーツニュース、あるいは翌朝のスポーツ欄を見ることになりました。お父さんたちのお楽しみ時間も、そんなに長くなかったのです。
■ビデオもないのに、割とたくさんアニメ&特撮を楽しめていた理由は?
「帰ってきたウルトラマン MUSIC COLLECTION」(日本コロムビア)
ちなみに、母親にもチャンネル選択権がなかったわけではありません。主婦の好みの番組は日中のワイドショーや昼ドラ、夜9時から10時台に集中していました。
また、子供たちは大好きな番組をリアルタイムで見ることができなくても、さほど問題はありませんでした。というのも、夕方5時から7時までの「子供向けゴールデンタイム」というべき時間帯があったからです。
各局では、ニュースを挟んで直近に放送されたアニメや特撮の再放送をしていました。再放送されるのはカラー化以降の作品ばかりで、60年代後半から70年代前半の作品が繰り返し放送されます。生まれてないはずの年代の作品を昭和40年代生まれの人がよく覚えているのは、夕方の再放送のおかげだったのです。
(LUIS FIELD)
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