「快挙達成のジャンプ漫画」「15年ぶりの復活」 期待高まる24年以降のアニメ化予定作品

■歴史的快挙の作品も！

　2023年も終わりが近付き、2024年以降にスタートするTVアニメが気になってきた方も多いのではないでしょうか。今回は、特に話題性あふれる注目作を紹介します。

●『3年Z組銀八先生』

『銀魂』のスピンオフ小説である『3年Z組銀八先生』のアニメ化は、2023年3月20日に発表されました。『銀魂』は2004年から「週刊少年ジャンプ」で連載されていた、大人気SF時代劇コメディです。2021年の劇場版『銀魂　THE FINAL』をもって、多くのファンに惜しまれながら完結しました。

　同作は、コメディ要素のなかにも数々の人情話が織り込まれ、たびたびファンの涙を誘っていましたが、スピンオフ回にあたる『銀八先生』は、本編よりもコメディに振っているため、ネット上では　「もうギャグだけで延々と続いて欲しい」との声があがっています。

『銀魂』20周年プロジェクトとして、YouTubeで公開された『3年Z組銀八先生』のアニメ化特報映像は、公開から半年以上経っても再生回数が伸びており、10月24日時点で274万回再生と、ファンの期待はますます高まっているようです。いつ頃放送が始まるのかは未定ですが、かなりの注目を集めています。

●『逃げ上手の若君』

『逃げ上手の若君』は、『魔人探偵脳噛ネウロ』『暗殺教室』と、ヒット作を生み出してきた松井優征先生の3作目の連載マンガです。

　同作は2021年1月から「週刊少年ジャンプ」にて連載が始まり、人気を集めてアニメ化となりました。そして、松井先生は23年に「初連載から3作連続100話到達、10巻以上のコミックスが発売」かつ「3作連続アニメ化」という、ジャンプ史上初の快挙を成し遂げています。

『逃げ上手の若君』は、実在する歴史上の人物で、鎌倉幕府総帥・北条高時の息子である時行が主人公です。彼は幼い頃に足利尊氏によって幕府が滅ぼされ、一族が滅亡の危機に瀕します。窮地に追い込まれた時行は、「戦い」の才能ではなく「逃げる」という武士の時代では異色のスキルを発揮し、鎌倉からなんとか逃げ延び、諏訪大社の諏訪頼重らとともに、幕府の再起をかけて戦いに挑むのです。

『逃げ上手の若君』は、歴史学者である本郷和人氏によって歴史監修がしっかりされている一方、松井先生らしい自由な演出、強烈な奇人変人描写も盛りだくさんです。『ぼっち・ざ・ろっく！』などを手掛けた「CloverWorks」がアニメーション制作を担当し、時行役の声優には新人の結川あさきさんが抜擢、頼重役は中村悠一さん、頼重の娘・雫役には矢野妃菜喜さんと、スタッフ・キャスト情報も続々と発表され、ファンの期待が高まっています。

●『狼と香辛料』

　2024年は『キン肉マン』の「完璧超人始祖編」のアニメ化や、『北斗の拳』の再アニメ化など、往年の人気作の「復活」も話題になっています。そのなかのひとつ、第12回電撃小説大賞で銀賞に輝いた『狼と香辛料』は、作者・支倉凍砂先生のデビュー作です。中世ヨーロッパを彷彿とさせる世界を舞台に、放浪の商人「ロレンス」と豊穣を司る狼の化身「ホロ」の旅を描いています。

　ロレンスはある日、黄金色の麦畑が広がる小さな村で、積み荷のなかで眠る耳と尻尾をもった少女「ホロ」と出会いました。そして、「北の地にある故郷に帰りたい」というホロの望みを聞き、ロレンスは彼女と行商をしながら幾多のトラブルに巻き込まれつつ、はるか北の地を目指すのでした。

『狼と香辛料』は、2008年に一度アニメ化されていましたが、2022年2月に再アニメ化が発表されています。キャッチコピーに「行商人と狼の旅路は、また一から紡がれる。」と記されているように、続編ではなく完全新作として放送されるようです。

　再アニメ化である一方で、ロレンス役は福山潤さん、ホロ役は小清水亜美さんと前作キャストの続投が発表されており、ファンの間ではネット上で「マジで青春の1ページのひとつだった作品なのでホントうれしい」「声優同じでアニメーションが生まれ変わるのはありがたい」などの声も多く、15年ぶりの再アニメ化は大きな話題を呼びそうです。

（LUIS FIELD）