「実現する」場合の方がガッカリ？ 歴代『ドラクエ』の翻弄される「ぱふぱふ」集

■みんな大好き！　名物イベント「ぱふぱふ」

　大人気ゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズには、すべてのナンバリングタイトルに「ぱふぱふ」なる名物イベントが用意されています。初代『ドラクエ』で「おいでぼうや。ぱふぱふしてほしいなら50ゴールドよ」と言われて、ドキドキした人は多いのではないでしょうか。

　ただシリーズを通して「ぱふぱふ」という響きから想像するような「魅惑の行為」を受けられることはなく、プレイヤーはそれぞれのオチによって肩透かしを食らってきました。『ドラクエ』プレイヤーは今までどのような「ぱふぱふ」に惑わされてきたのか、その歴史を改めて振り返ってみましょう。

●実際に「ぱふぱふ」してくれるけど？

　まず、実際に「ぱふぱふ」してもらえるのが『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』と『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』でした。

『ドラゴンクエストII』では「ルプガナ」の町にいるお姉さんから「ねえ　あたしってかわいい？　だったらぱふぱふしない？」と声をかけられ、ここで「はい」を選択すると、ぱふぱふぱふ……と、夢のような時間が始まります。

　ただしその女性の正体は「男」でした。選択肢で「いいえ」を選ぶと、「ふん！　なによ！　オカマのどこが悪いのよ。　いじわる……」とカミングアウトしてくるのです。とはいえ、見た目はただのかわいい女の子のため、いっそ真実を知らないほうがプレイヤーにとっては幸せだったかもしれません。

　対して『ドラゴンクエストIII』も「アッサラーム」のお姉さんから「あ～ら　すてきなおにいさん！　ねえ　ぱふぱふしましょっ。　いいでしょ？」と誘われ、暗い部屋で「ぱふぱふ」してもらえますが、唐突に「どうだ　ぼうず。　わしの　ぱふぱふは　いいだろう」とどこからともなく男性の声が聞こえてきます。なんと「ぱふぱふ」してくれていたのは、声をかけてきたお姉さんの父親で、ここでの「ぱふぱふ」は肩もみのことでした。

　ただあれだけ寡黙だった主人公が「こ、これは……」「き　きもちいい……」と言葉を漏らすくらいですから、彼の肩もみは極上の気持ちよさだったに違いありません。

●ちょっぴり物足りなさを感じる「ぱふぱふ」

『ドラゴンクエストII』と『ドラゴンクエストIII』は、わずかでも夢が見られるのでまだいい方でしょう。イベント後にちょっぴり寂しい気持ちになってしまうのが『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』の「ぱふぱふ」です。

　例のごとく「ラインハット」の宿屋で「あら　ステキな　お兄さん！　ぱふぱふ　する？」と誘われるものの、特に何の選択肢も出ないまま「え？　あなた　ぱふぱふも知らないの？」「わかった。　あなた　女の子と　つきあったこと　ないでしょ」と決めつけられてしまいます。

　一応その後に「でも　あせらないことね。　あなたなら　今に　きっと　かわいい恋人が　見つかるわよ」とフォローしてくれますが、歴代のぱふぱふを通ってきたプレイヤーからしたら、少し物足りなさを感じたのではないでしょうか。

　ちなみに『ドラクエV』のリメイク版では、「ぱふぱふ」イベントに行こうとする際、ビアンカと結婚している場合は彼女から「ぱふぱふなら私がいくらでもしてあげるのに！」と、かなりドキドキするセリフが飛び出しました。

●ほかにもいろいろな「ぱふぱふ」ネタが！

　ほかにも『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』では、スライムで顔を挟まれてぱふぱふ……、『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』では羊のおしりでぱふぱふ……、『ドラゴンクエストVI 幻の大地』は化粧道具、『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』はラッパの音、『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』ではバンジージャンプを強制させられ、ロープがぱふーんぱふーん……と、各作品がありとあらゆる「ぱふぱふ」でプレイヤーを楽しませてくれました。

　ちなみに『ドラゴンクエストXI』は過去シリーズすべての「ぱふぱふ」を総ざらいする集大成でもあったので、これから発売される最新タイトル『ドラゴンクエストXII 選ばれし運命の炎』ではどのような「ぱふぱふ」が生み出されるのか気になるところです。

　昨今厳しくなりつつあるコンプライアンス面の配慮を見事にくぐり抜けた、画期的な「ぱふぱふ」を拝めることを期待しましょう。

（ハララ書房）