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「人の道には戻れない」取材で判明したエレンの心情 『進撃』最後の決断に秘められた想いが「苦しい」

マグミクス / 2023年10月28日 18時50分

「人の道には戻れない」取材で判明したエレンの心情 『進撃』最後の決断に秘められた想いが「苦しい」

■エレンの「見たい景色」とは?

 アニメ『進撃の巨人』は、2023年11月4日(土)放送の「The Final Season 完結編(後編)」をもって、およそ10年の歴史に幕を閉じます。これに先立ち10月23日放送の『プロフェッショナル 仕事の流儀』では、番組史上初となるアニメキャラクターのインタビューが実施され、主人公のエレン・イェーガーへの密着取材が行われました。

 番組はおよそ20分にわたって放送され、サウナから始まる斬新な構成で幕を開けます。途中「徹底討論 ヤツらの倒し方」なるミニコーナーを挟みつつ、大切にしている流儀や自身が思う自由の定義など、エレンはさまざまな質問に答えていました。

 はたしてエレンは何を思い、何を求めて戦い続けているのか。この記事では、インタビュー中の気になる発言を取り上げ、そこに込められた彼の思想について触れてみましょう。

●「オレたちと同じ人間でした」

 インタビュアーから「なぜ戦い続けるのか」と問われたエレンは、戦い続けなければ生き残れない環境だったと答えます。しかしその直後、「敵は実際のところ感情のない化け物なんかじゃなくて、オレたちと同じ人間でした」と振り返っていました。

 エレンが巨人に対して明確な憎しみを抱くようになったのは、巨人の襲撃により最愛の母親を失ったことがきっかけです。この日から巨人と戦う人生を選び、ミカサやアルミンとともに訓練兵団へと入団します。やがて調査兵団となったエレンは、「女型の巨人」や「鎧の巨人」、「超大型巨人」などと戦いを繰り広げますが、のちにその正体が自分のよく知る人間だったことに気付くのでした。

 さらに、単なる化け物として討伐してきた「無垢の巨人」の正体は、自分たちと同じ祖先を持つエルディア人が、巨人のせき髄液を打ち込まれた哀れな姿だったのです。皮肉にもこの仕打ちは、あれほど憧れていた海の向こうにある大陸、マーレの人びとによって行われていたものでした。

 人類の敵と思っていた巨人の正体が、実は自分と同じ「人間」だと知ったときの衝撃は計り知れないものでしょう。ですが、その逡巡すらも乗り越えて、自らの意志で戦い続けることを選んだのが、今のエレンなのです。

■「後編」で描かれる「人ではない」、エレンの姿

TVアニメ『「進撃の巨人」The Final Season 完結編』ビジュアル (C)諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season製作委員会

●「もう人の道には戻らない。戻れない」

 壁内人類を守るための方法を模索していたエレンは、ヒストリアとの接触によって未来を目撃したあと、悪魔のような所業を計画します。それが人類をターゲットとした大虐殺、「地鳴らし」です。

 そもそもエレンたちが暮らす町を囲っていた壁は、幾千万もの「超大型巨人」で造られていました。その超大型巨人を解放し、壁外に存在するすべてを踏み潰していく行為が「地鳴らし」と呼ばれています。

「地鳴らし」の発動には、エレンが継承する「始祖の巨人」の力と、王家の血を引くエルディア人、ジーク・イェーガーの接触が必要でした。そこでジークはエルディア人の生殖能力を奪う「安楽死計画」を遂行しようとしていましたが、エレンは断固とした覚悟でパラディ島の外に住む全人類の駆逐を選びます。これはまさに人の道を外れた決断といえるでしょう。

 今回放送された『プロフェッショナル 仕事の流儀』を見る限り、どうやらエレンへの取材は「地鳴らし」の前に行われたもののようです。インタビューで発された「もう、人の道には戻らない、戻れない。オレは悪魔になるんです」という言葉には、彼の確固たる意志が感じられました。

●「オレは、オレにはそれだけじゃ足りなかった」

 最後の質問として「自由とは何か」について問われたエレンは、「人びとの命や日常生活が脅かされることなく継続していくことだと思います」「ただ木陰で昼寝ができれば それだけでよかった。それだけでした」と答えました。これはおそらく一般的な感覚に近い「自由」の解釈でしょう。実際に調査兵団の他メンバーは、それぞれ自分たちの平和を取り戻すことをもっとも重要な目標として、巨人と戦っていました。

 ですがエレンは、リヴァイからしばしば指摘されていたように、仲間たちとは異質な世界に生きています。そのためこの答えでは満足せず、直後に「いや、違います」と否定すると、「オレは、オレにはそれだけじゃ足りなかった」「見たい景色がありました。そのために戦いたかった。オレは戦いたかったんです」と言葉を続けていました。

 エレンが思い描く「自由」は、ほかの仲間たちとは違います。彼にとって平和のために築き上げた壁は「鬱陶しい存在」でしかなく、その壁の向こう側にある「見たい景色」を見るために戦い続けてきたのです。

 ではその「見たい景色」とはいったい何だったのでしょうか。「完結編(前編)」では、地鳴らしによって人びとが命を落としていく残酷な光景のなか、「これが自由だ!」「ついにたどり着いたぞ、この景色に……なぁアルミン」と無邪気に語りかける場面がありましたが、果たしてそれがどこまで本心だったのか定かではありません。

 来たる11月4日(土)、物語のラストを飾る『「進撃の巨人」 The Final Season完結編(後編)』ですべての真実が明らかになることを期待しましょう。

(ハララ書房)

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